注目映画紹介:「エイトレンジャー2」 関ジャニ∞ヒーロー映画第2弾 現代社会を揶揄し小気味いい

「エイトレンジャー2」の一場面 (C)J Storm/2014エイトレンジャー2映画製作委員会
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「エイトレンジャー2」の一場面 (C)J Storm/2014エイトレンジャー2映画製作委員会

 人気グループ「関ジャニ∞」が、新世代のヒーローを演じる映画第2弾「エイトレンジャー2」が26日に公開される。近未来都市・八萬市(エイトシティ)を舞台に、ダメダメヒーローたちが今度は仲間割れ。新たな脅威に立ち向かえるのか? ヒロイン役は前田敦子さん。前作から引き続き「少年隊」の東山紀之さん、ベッキーさん、竹中直人さんが出演。「TRICK」シリーズ、「SPEC」シリーズなどの堤幸彦監督がメガホンをとった。

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 テロ組織ダーククルセイドが壊滅し、平和が訪れて5年たった2040年。八萬市の大鶴市長(赤井英和さん)が推進する「ゼロ・プロジェクト」によって、街は年間犯罪発生率0%となった。エイトレンジャーのブラック(横山裕さん)、イエロー(錦戸亮さん)、グリーン(大倉忠義さん)、オレンジ(丸山隆平さん)、ブルー(安田章大さん)、ナス(村上信五さん)は、八萬市の平和の救世主として市民からもまつり上げられ、過去の貧乏生活を捨て、札束に美女をはべらせる自堕落な生活を送っていた。しかし、ここにレッド(渋谷すばるさん)の姿はなかった。一方、行方不明者が増発していることに気づいた雑誌記者の西郷純(前田さん)は、エイトレンジャーの身辺を探るために、ヒーロー協会に秘書になりすまして潜入し、ブラック(横山さん)が消息不明の鬼頭桃子(ベッキーさん)を探していることを突き止める。ある日、街中で爆発事件が起きて、街頭ビジョンにダーククルセイドの旗とともにレッドが映し出され、「ゼロ・プロジェクトを中止」が叫ばれる。レッドは仲間を裏切ったのか……という展開。

 ヒーローらしからぬグダグダした態度で弱音もはき、人間味あふれるエイトレンジャーたち。今回、彼らの前に立ちはだかるのは、敵だけではない。レッドが抜け、仲間を信じて、再び結束できるのだろうか。メンバーそれぞれが自分自身を試されることになる。人気グループのヒーローものでありながら、「犯罪率0%」などとうたい、市民を粛清していく恐怖政治が題材になっている。グロテスクな現実にフタをして、とりつくろうとする現実社会を揶揄(やゆ)していて小気味いい。東山さんが演じる悪役は存在感たっぷりで、ぜひ他の作品でも悪役を見てみたいと思わせる。ユルい笑いが得意の堤監督の色が随所に出ており、イカ焼きを食べるのん気な市民に「平和って、結局はこういうことなのかも」と実感した。26日から全国で公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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