女優、モデルとしてドラマやCM、ファッション誌などで活躍する西内まりやさんが、シングル「LOVE EVOLUTION」で20日、歌手デビューした。「オリジナルな存在感を発揮したい」と話す西内さんにデビューに懸ける思いなどを聞いた。
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−−この歌手活動に向けては、いつくらいから準備を進めていたのですか?
1年半前に、デビューするなんてまったく決まってないときに、ちょっと録(と)ってみようかということで、この曲も含めて何曲か録っていたんです。それからしばらくして、ある日突然、事務所の社長から電話をいただいて。社長から直接電話がかかってきたのが初めてだったので、何か怒られるんじゃないかと思って、ドキドキして電話に出たんですよ。そうしたら「曲、聴いたよ。いいな!」って。社長に褒めてもらっただけでもうれしかったんですけど、それからまた少したって、ちょうど出演していたドラマ「SMOKING GUN」が終わるころに、(レコード会社の)エイベックスの会議室に呼ばれたんです。それで行ったら「歌手デビューが決まりました」と。あまりの突然のことで、そのときは驚くこともできませんでした。そうしたら(歌手デビューの)情報解禁がその4日後、ミュージックビデオ(MV)を2週間後に撮るというので、「えええー!」って。それから本当にバタバタで、喜びをかみしめる間もなく今にいたっています(笑い)。
−−もともと歌手になりたかったんですか?
もともと安室奈美恵さんに憧れて中学1年生のときに事務所に入ったのですが、このまま演技のお仕事で行くんだと思っていたので、自分でも本当に驚きでした。
−−これまでに人前で歌う機会はありましたか?
お仕事ではありませんでした。プライベートでは中学2年生のとき、姉の高校の文化祭でやっていたカラオケ選手権に友だちと3人で応募して、グランプリをいただいたことがあります。あと、路上ライブをやったこともあって。公園で、アコギを弾きながら友だちとハモったりしていました。どちらも遊びの範囲でしたけど……。
−−最初から歌手になるのではなく、モデルや役者としての経験を積んだ上でというのは、自分にとってよかったと思いますか?
よかったと思います。歌う上で必要な表現力や、ジャケットやMVを撮影する際のファッションやポージングという部分が、自然と身についていたと思います。決して遠回りしたということではなく、すべて必要な経験だったと思っています。ここからは、もっともっと歌を練習して努力を重ねていくだけです。
−−デビュー曲「LOVE EVOLUTION」は、パワフルなロックナンバーで、元気いっぱいに歌っていますね。
初めにこの曲を聴いたとき、思わず立ち上がって叫んじゃうくらい好きで、とにかく早く歌いたいと思いました。私が思う西内まりやは、どんどんパワーを出していったり、何かを相手と共有したり、自分の感情をどんどん出していく人間です。「LOVE EVOLUTION」は、歌詞の意味を考える前に、とにかくテンションが上がる曲だと思うので、車の中でも散歩中でもいいし、いろいろなところで聴いてほしいです。
−−歌詞で、こういうことを歌っていきたいというものはありますか?
私は、早い時期からこういう華やかに思われる世界で仕事をしていたことで、同年代との人間関係がうまくいかず、悩んでいた時期があったんです。仕事も順調なときばかりじゃなくて、思うようにいかない時期も結構あって。そういうとき、ブログに寄せてくれたファンのみなさんのコメントで、すごく背中を押してもらって。毎日それを見て安心することができて、すごく支えてもらいました。だから、もしみんなに挫折や苦しさがあっても、それを乗り越えられるように、背中を押してあげるメッセージを込めていきたいし、明るい気持ちになれるような曲を歌っていきたいです。
−−歌手と演技とモデル、すべてをこなすのは大変だと思いますが、どのように両立させていこうと考えていますか。
今すぐこれだけって、決めたくはないですね。やらせていただけるのであれば、自分ができる範囲のことはすべてやってみたいです。自分は何が得意で何ができなくて何が向いているのか、それを自分自身で経験していく時期だと思っています。それが分かっていくうちに、自分が本当にやりたいことや、自分が向いている道、求められているものが、しっかり見えていくんじゃないかと思っています。
確かにいくつものことを両立するのは、相当大変なことだというのは分かっていますが、あのときやっておけばよかったとか、後悔するのが一番嫌ですからね。やるだけやって、それでダメなら仕方がないとあきらめもつくけど、やらないままでは後悔しか残らないので。それに自分が憧れていたことを、いくつも同時にやらせてもらえる機会を与えてもらえたのは、とても幸せなことですから。今は、毎日すべてを出し切ることの喜びを感じています。
−−最後に、どんな歌手になりたいですか?
きっかけは安室奈美恵さんへの憧れでしたが、憧れはあくまでも憧れで、自分は自分だと思っています。そういう意味では、誰にも似ていない私自身というものを作り上げることができたら、それが成功かなと思います。
モデルという部分を生かして、その時代や流行に合わせて進化していける、ファッショナブルな歌手になれたらと思います。次はどういうふうにくるんだろう?って、楽しみにしてもらえるように、自分からもどんどん冒険して、新しい自分を見つけていきたい。そうやって心から自信を持って、自分が発信しているんだといえる作品作りをしながら、誰にも似ていない“西内まりや”という存在を作っていきたいです!
<プロフィル>
1993年12月24日生まれ、福岡県出身。身長169センチ。人気ティーンファッション誌「Seventeen」専属トップモデルとして活躍し、ツイッターのフォロワー数は30万人、LINEのフォロワー数は120万人の人気を誇る。2008年から女優として活動し、昨年、ドラマ「山田くんと7人の魔女」で主演を務めたほか、SMAPの香取慎吾さんが主演したドラマ「SMOKING GUN(スモーキング・ガン)」でヒロイン役を演じた。8月31日に大阪の「あべのキューズモール 3F スカイコート」で、9月23日に福岡の「キャナルシティ博多 B1サンプラザステージ」で、「LOVE EVOLUTION」リリースイベント(ミニライブ&握手会)を開催する。
(インタビュー・文・撮影:榑林史章)