歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが29日、東京都内で特別公演「源氏物語」の会見を行い、坂東三津五郎さんが病気療養のため、12月から予定していた舞台の公演を延期したことについて、「あまり詳しいことは知らない」としつつも、「心配です。納涼歌舞伎でお会いしたときは元気そうだったのに」と語り、「(中村)勘三郎さん、うちの父(市川團十郎さん)と大きな柱を亡くしている中、三津五郎さんは次の時代の柱。どうしても元気になってもらわないと困る」と力をこめた。
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三津五郎さんは昨年9月に膵臓(すいぞう)がんの手術を受け、今年4月から舞台復帰したが、その後の検査で自宅療養が必要と診断。三津五郎さんは、12月5日から予定していたこまつ座(東京都台東区)での舞台「芭蕉通夜舟(ばしょうつやぶね)」を「『ほぼ一人芝居』という性質上、もし体調不良となった場合には今以上のご迷惑をお掛けすることになってしまいますので、やむを得ず降板し治療に専念することにいたしました」とのコメントを出した。
会見は、歌舞伎公演「市川海老蔵特別公演 源氏物語」と自主企画「古典への誘い」の海外公演の製作発表で、「源氏物語」は、歌舞伎、オペラ、能を融合させた新たな演出で海老蔵さんが創り上げた意欲作。今年4月に京都・南座で公演され、好評を受けて、来年2月28日~4月9日に全国18カ所で公演されることが決定した。また、海老蔵さんが歌舞伎の魅力を発信するため国内で行っていた自主企画「古典への誘い」が、海外で公演されることになり、「JAPAN THEATER」として第1弾がシンガポールで11月14~16日に開催される。