テレビ質問状:WOWOWオリジナルドキュメンタリー「前田敦子 最も危険な芸術“蜷川幸雄”への挑戦」

「ノンフィクションW 前田敦子 最も危険な芸術“蜷川幸雄”への挑戦」での前田敦子さん
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「ノンフィクションW 前田敦子 最も危険な芸術“蜷川幸雄”への挑戦」での前田敦子さん

 WOWOWは10月から毎週土曜午後1時に「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠を設け、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送する。10月25日に放送される「ノンフィクションW 前田敦子 最も危険な芸術“蜷川幸雄”への挑戦」を担当したWOWOWの制作局制作部の浦田健司プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。

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 −−番組の概要と魅力は?

 元AKB48の前田敦子が一体どうやって蜷川幸雄の世界に入り込んでいくのかに興味があって、単純にそれを見てみたかったんです。1カ月間、けいこ場に閉じ込もりけいこをつけて、舞台初日になり、初めて観客の前でその芝居が解放される。そんな舞台独特のサイクルの中で、初めての舞台出演となった前田さんは目まぐるしい変化を起こしていました。頂点を極めた人が、自分のフィールドを離れ、新しい世界へ一歩踏み出す瞬間なんてそうそう見られるものではありませんので、そこには期待通りの出会いがあると思います。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 蜷川幸雄さんと前川知大さんという私にとってのスーパースターのお二人が初めてタッグを組む舞台があると聞いていた中、前田さんの出演を知り、人気絶頂を極めた女性アイドルが蜷川さんの舞台に立つのは十数年ぶりで、作・前川知大、演出・蜷川幸雄という偉大な芸術作品の中で前田さんは一体どう役を演じ切るのかということに興味を持ちました。どの時代にも先頭を切る人がいますが、AKB48で中心的存在だった前田さんが演劇界で何か新しい象徴的な存在となるかもしれないと思い、企画立案をしました。

 −−制作中、一番に心掛けたことは?

 過去にも前田さんのドキュメンタリー作品はありますが、本番組ではあくまでも演劇的な観点から迫り、役者・前田敦子をつかまえたいなと考えて取材をさせていただきました。

 −−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 舞台を観劇することはできますが、そこに至るまでの過程は通常、観客には見せないものですから、限られた人間以外は決してけいこ場に入ることは許されません。しかし、今回の取材では、これまで数々の衝撃作を生み出してきた蜷川さんのけいこ場に入り、初舞台に挑む前田さんの姿を記録させていただきました。舞台芸術が生み出されるまでの時間を共有させていただけたことは本当に幸せでした。

 −−番組の見どころを教えてください。

 前田敦子は何をもって、蜷川幸雄に演劇的接近を果たしたのか? 番組をご覧いただければその答えを、きっとご理解いただけるかと思います。初舞台に立った前田さんの姿を見て、かつてバーブラ・ストライサンドが言い放った「秩序をかき乱すのも芸術家の役割」という言葉を思い出しました。アイドル出身者であってもその役割を担うことはできるのだと。前田さんが“蜷川幸雄の世界”を大きく揺さぶっている姿を見れば、誰もそれを否定することはできなくなるはずです。

 −−視聴者へ一言お願いします。

 前田さんの初舞台作品となった「太陽2068」の放送も同日に予定しております。これまで独自の芸術性でスタイルを貫き通してきた劇場「Bunkamura」の25周年記念作品として発表された「太陽2068」は、演劇ファンの期待をはるかに超えた素晴らしい作品となっております。演劇を見たことがない方もぜひご覧になってみてください。今回の取材を通じて改めて感じましたが、人生で一度は劇場に足を運び、俳優たちの生々しい芝居を目の前にする観劇体験を誰しもするべきだと思いました。それだけの価値があの空間には十分にあるはずですから。

 WOWOW 制作局制作部 プロデューサー 浦田健司

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