デンゼル・ワシントンさんが、「トレーニング デイ」(2001年)のアントワーン・フークア監督と再びタッグを組んだサスペンスアクション「イコライザー」が25日から全国で公開される。ワシントンさんは、昼と夜の二つの顔を持つ男に扮(ふん)し熱演。プロデューサーも兼任している。ワシントンさんが演じる主人公に“夜の顔”を思い出させる若い娼婦をクロエ・グレース・モレッツさんが演じている。
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昼はホームセンターで働くロバート・マッコール(ワシントンさん)は、仕事をそつなくこなし、周囲からの人望も厚い。あるとき、近所のダイナー(レストラン)で言葉を交わすようになった娼婦のテリー(モレッツさん)がロシアンマフィアに暴行される場面を目撃した彼は、テリーの雇い主が経営するロシア料理店に単身乗り込み、彼女を自由にしてほしいと頼み込む。しかし、その願いを一笑に付されたことで、眠っていたもう一つの顔が目を覚まし……という展開。
今作の面白さの要因はいくつかある。まず、マッコールの過去を少しずつ明かしていき、そのスリルを味わう楽しみ方が一つ。もう一つは、マッコールがホームセンターの気のいい従業員から“イコライザー”に変貌したときに味わえる高揚感。そして、マッコールが、灰皿やフォーク、コルクスクリューなど身近な生活用品を武器に悪者を仕留めていく様子が、実に鮮やかに表現されていることだ。
最近は悪徳警官や凶悪犯、アルコール中毒のパイロットなど“グレーゾーン”の人間を演じることが多かったワシントンさんだが、今作のマッコールは、グレーゾーンに身を置いてはいるが、その行為は正義に裏打ちされている。それまでの柔らかい物腰から一転、本性をあらわにした時に見せるその暴力性に驚くとともに、彼がいかに過酷な状況を生き抜き、重い十字架を背負っているかがうかがえる。また、読書を日課としているマッコールの読んでいる本が、そのときの彼の心情と重なるようになっているなど、アクションだけに頼らず、人物造形に重きを置いているフークア監督らしさが随所に見られる作品に仕上がっている。25日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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