注目映画紹介:「BUMP OF CHICKEN WILLPOLIS 2014」ツアー名に込めた思い

(c)TOY’S FACTORY/LONGFELLOW
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 4人組バンド「BUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)」初の映画「BUMP OF CHICKEN“WILLPOLIS 2014”劇場版」が5日に公開される。今作は、今年開催した全国ツアー「WILLPOLIS 2014」を追ったドキュメンタリー映画と、同ツアーのオープニングアニメーションの完全版となる短編映画「WILLPOLIS」の2部構成。ドキュメンタリーパートは同バンドのミュージックビデオを数多く手がけている番場秀一さん、短編アニメ部分を「寄生獣」「永遠の0」などの山崎貴監督がそれぞれ手がけ、アニメでは俳優の松坂桃李さん、女優の杏さんらが声を担当している。幻想的でメッセージ性の強いアニメと圧倒的なパフォーマンスで見せるライブ映像が見事に融合し、同バンドの熱い思いが伝わってくる。

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 BUMP OF CHICKENは、14年3月に7枚目のアルバム「RAY」をリリースし、ライブツアー「WILLPOLIS 2014」をスタート。全20公演で約25万人を動員し、最終日には同バンド初の東京ドーム(東京都文京区)での単独公演を開催。山崎監督や蜷川実花さん、ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」や開発ユニット「AR三兄弟」らも参加した。結成20年を迎え、記念すべきツアーをカメラは追い、メンバーたちの素顔や本音まで収められたドキュメンタリーに加え、ツアーオープニングアニメーション映像の完全版で、架空の街“WILLPOLIS”を旅する一人の少年の壮大な冒険物語の全容が明かされる……という2部構成で展開する。

 映画は3DCGアニメーションから始まるのだが、幻想的な雰囲気でありながらもどこか日常のような空気を感じさせる。物語の進行とともにテーマに気付かされ、主人公の行動や言動ではあるものの、次第にそれは見ている自分自身に問いかけられているのでは……という気持ちになっていく。言葉で表現するのは難しいが、とにかく心の奥に訴えかけてくる。主人公・モーリの声を松坂さんが演じているが、キャラクターとマッチしており、世界観に引き込まれる。アニメに続きドキュメンタリーパートへと移るが、実はアニメを見た上でドキュメンタリーを見ると非常に意義深いことに気づく。ライブシーンはもちろん、随所に挿(さ)し入れられたインタビューの音声などを聞いていると、“WILLPOLIS”という言葉に込められた思いがひしひしと伝わってくる。WILLPOLISとは何なのか。その答えは、きっと今作を見た人なら分かるはずだ。TOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で2週間限定公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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