劇場版アニメ「サマーウォーズ」(2009年)や「時をかける少女」(06年)などで知られる細田守監督が、前作「おおかみこどもの雨と雪」(12年)に声優として出演し、11月に亡くなった俳優の菅原文太さんについて、11日に東京都内で開かれた会見で生前の秘話を語った。菅原さんはアフレコ現場で「映画を作っても意味がない」と持論を展開し、細田監督と収録前に3時間、激論を交わしたという。
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細田監督は、菅原さんが亡くなったと聞いて「びっくりしました」と突然の悲報に驚いたという。そして、アフレコ現場を振り返って、「文太さんは収録前、『今の時代、映画を作っても意味がない』と言い出し、僕は『意味があると思う』と言って、長い時間、お話ししました」と激論は3時間に及んだ。細田監督は「(菅原さんと)話すことによって、僕らはなぜ映画を作るのか、なぜ映画を見るのか。(菅原さんが)演じてもいいやと思う映画とは何かをつきつけてくださった。それに対して僕がどう応えるか、それが(自分に)託された永遠の課題なのではと思った」としみじみと語った。
そして「文太さんは、いかに映画と真摯(しんし)に付き合っていたのか。(収録当時、俳優を)引退宣言されていたのに、アフレコにいらしていただいて、そこで『映画はいらない』という。そのことの意味を感じました。そしてその意味をいつも考えながら、これから映画を作っていくことになるのではないかと思う」と今後の映画製作の姿勢について改めて襟を正していた。
細田監督は11日、「おおかみこどもの雨と雪」以来3年ぶりの新作「バケモノの子」の製作を発表。新作は細田監督が脚本、原作も手がけ、化け物と出会った少年の成長を描く冒険活劇となる。15年7月11日に全国で公開予定。
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