WILD CARD/ワイルドカード:ウェスト監督に聞く 主人公は「最高にカッコいいろくでなし」

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 「トランスポーター」シリーズなどで人気の英俳優ジェイソン・ステイサムさん主演のアクション映画「WILD CARD/ワイルドカード」が公開中だ。「明日に向って撃て!」(1969年)と「大統領の陰謀」(76年)でアカデミー賞を2度受賞した脚本家で小説家のウィリアム・ゴールドマンさんの原作を、ゴールドマンさんが自ら脚本を手がけ映画化。「メカニック」(2011年)や「エクスペンダブルズ2」(12年)でステイサムさんとタッグを組んだサイモン・ウェスト監督がメガホンをとった。ステイサムさんとの3度目のタッグについて、今作の見どころについてウェスト監督に聞いた。

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 ◇元エリート兵士が凶悪マフィアに挑む

 「WILD CARD/ワイルドカード」はラスベガスの裏社会で用心棒を生業とする元エリート兵士のニック(ステイサムさん)が主人公。ニックの元にある日、何者かに暴行を受けて瀕死(ひんし)の重傷となった元恋人から、正体を突き止めて復讐(ふくしゅう)してほしいという依頼が舞い込む。ラスベガスの表も裏社会も熟知しているニックは、すぐさま犯人を見つけ出し、依頼を完遂させるが、犯人の背後には、強大な権力でラスベガスを掌握する凶悪マフィアがおり、窮地に追い込まれたニックは命を懸けた戦いに挑む……という展開。

 ◇アクション映画は大人の遊び!?

 −−今回の企画に心引かれた理由は?

 理由の一つは、ゴールドマンの脚本だ。それぞれの登場人物が個性的で際立っている点も気に入った。その中でも、ジェイソン演じる主人公が一番強烈なキャラクターだけどね。脚本が面白いから、そうそうたる俳優陣がやりたいと言ってくれるはずだと思ったよ。

 −−脚本を読んだ時の感想は?

 脚本を読んですぐにやりたいと思った。登場人物がみんな魅力的だからね。ジェイソンが演じる主人公はもちろんのこと、そのほかの登場人物たちもみんな素晴らしい。まさにアンサンブルだよ。それぞれの役を名優に演じてもらおうと思った。登場シーンは少なくても、全員に見せ場があるからね。豪華俳優陣の競演になるぞと確信したよ。

 −−脚本のゴールドマンさんについて。

 ウィリアム・ゴールドマンとは以前にも一度組んだことがあるんだけど、今回また一緒に組むことになってすごくうれしかった。彼は間違いなく今の映画界において最も優れた脚本家の一人さ。また一緒にやりたいよ。ぜひ3回目を実現させたい。彼の脚本はせりふもキャラクターも素晴らしいからね。今回、2度目のタッグが決まって、すごく楽しみだったよ。

 −−スタッフについて教えてください。

 今回は(「トランスポーター」で)なじみのメンバーだった。同じ人と何度も一緒に仕事をするのが好きなんだ。意思疎通が楽だしね。お互いの得意なことや実力を知っているから、その強みを生かせるんだ。お互いのことを分かっていると、仕事が本当にスムーズだよ。新たに強み、弱みを知る必要がないからね。

 −−主演のステイサムさんについては?

 一緒に組むのは今回で3作目だから、ジェイソンのことはよく分かっている。お互いの強みや取り組み方を理解しているんだ。

 −−主人公のニック・ワイルドをどういう人物だと思いますか。

 ニック・ワイルドは、とんだ負け犬さ。昔は優れた軍人だったのに、今ではギャンブル狂である上に、アルコール依存症だ。ダメな男さ。描写するのが一番面白い類いの人間だよ。だけど、ニックは物語の中で正しい行動をとって、友達のために命を懸ける。ろくでなしだけど、史上最高にカッコいいろくでなしだよ。

 −−お気に入りのシーンは?

 お気に入りはスタンリー・トゥッチの登場シーンだ。彼はものすごい俳優だよ。大ファンなんだ。

 −−アクション映画の演出の楽しみは?

 アクション映画は楽しい。大人にとっての遊びみたいなものさ。見せ場がたくさんある。俳優の演技の見どころもあるし。爆発やカーチェースがあったり、銃を撃ちまくったり、今作のように激しい格闘を繰り広げたりね。

 −−今作の見どころを教えてください。

 これまでとは一味違うジェイソン・ステイサムを楽しんでもらえると思う。今作のせりふは、過去作品のせりふを全部合わせたよりも多いかもしれない。笑ったり、泣いたり、もちろんアクションもだけど、ジェイソンのいろいろな面が見られる。こんなに盛りだくさんな映画はほかにない。この作品に対する彼の思い入れの強さや、他の作品との違いに驚くと思うよ。

 「WILD CARD/ワイルドカード」は1月31日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。

 <プロフィル>

 1961年生まれ。英国出身。ニコラス・ケイジさんの主演作「コン・エアー」(97年)で監督デビュー。その後もジョン・トラボルタさん主演の「将軍の娘/エリザベス・キャンベル」(99年)、アンジェリーナ・ジョリーさん主演の「トゥームレイダー」(2001年)などの監督を務め、デビュー作から3作品すべてが全米興行収入1億ドル(約117億6200万円)以上を記録した唯一の実写映画監督となった。今作の主演ジェイソン・ステイサムさんとは「メカニック」(11年)、豪華アクションスターが総出演した「エクスペンダブルズ2」(12年)でタッグを組み両作品とも大ヒットを収めた。

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