ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、マンガ家ユニット「Ark Performance」のマンガが原作の劇場版アニメ「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ− DC」です。フライングドッグの南健プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。
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−−作品の概要と魅力は?
作品名:「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ− DC」 作品形態:劇場映画 上映時間:約105分 画角:16:9 ビスタサイズ 音声:5.1ch 言語:日本語……というのは冗談で、Ark Performance先生のマンガ「蒼き鋼のアルペジオ」を原作に、岸誠二監督と3DCGアニメーションスタジオ「サンジゲン」が制作し、2013年秋に全12話を放送したテレビアニメ「蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−」の劇場版第1作です。
近未来、急激な海面上昇に加え、突如、霧をまとって現れた謎の戦艦群により、人類は七つの海から締め出されてしまいます。大陸・島嶼(とうしょ)ごとに孤立した人類がさらなる窮状に追いやられる中、日本の海洋技術総合学院の士官候補生・千早群像は“霧”の潜水艦・イ401とそのメンタルモデル・イオナに出会います。“霧”に対抗し得る力を得た群像とイオナ、そしてイ401に襲いかかる“霧”のメンタルモデルたちとの戦いと成長を描いた物語です。
本作はテレビシリーズを再構成したパートが約60分、新作パートが約40分で構成され、新作パートには“霧の生徒会”を名乗るメンタルモデルのほか新キャラも多数登場します。
−−アニメにするときに心がけたことは?
テレビシリーズの映像を作り直した箇所はありません。全12話のテレビシリーズを再構成する中で、“アニメーションとして”出来のいいカットだけが残っていくことになりましたので、作り直す必要は全くありませんでした。むしろ、テレビシリーズの続編を劇場映画にしようという企画のきっかけの大きな一つが、テレビシリーズをイベント上映した際に「画は十分、スクリーンサイズに(情報量などが)足りているよね」と感じたことだったので、修正の必要は感じませんでした。
新作パート制作で心がけたのは“映画らしい”映像作りと、一方で、ややもすれば入れ込み過ぎになるスタッフに対しての抑えとのバランスでしょうか。テレビシリーズと違って大きなスクリーンと大音響で見てもらうことを前提に作るので、キャラクターを描くにもカメラを引いてみせたり、大きなカメラワークで艦船の巨大さを見せるなど“映画らしさ”は当然必要です。
一方で、テレビシリーズの再構成パートと合わせて“一つの映画”なので、その2つの間に映像の“ノリ”の違いがあまりに大きすぎると、結果として違和感しか生まれません。テレビシリーズの映像が“スクリーンに足りている”とはいえ、新作パートで“やりすぎ”にならないように、というのは監督ともよく話しました。
−−新作映像の見どころは?
新作パートの大きな見どころは、なんといってもイ401対ヒエイ戦でしょう。テレビシリーズ放映時に「もっと艦対艦戦が見たい」という要望を多くいただいていましたし、われわれもそういう映像を作りたかった。これをヒエイによる対潜水艦戦という、テレビシリーズとは切り口の異なる殺陣に組み上げられたのは満足度が高いところです。ただ、艦対艦戦はどうしても段取りの描写が多くなるので、結果として新作パートが当初予定の倍に伸びた、ということもあります(笑い)。
−−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
うれしかったのは、監督ほかスタッフのモチベーションの高さです。テレビシリーズが挑戦的な作品であったにも関わらず高評価を得たことで、スタッフの中の“アルペジオ愛”が高じて、それぞれが「アルペジオの映像はこうあらねばならない!」という“オレペジオ”を抱いてくれていて、それが映像のクオリティーアップに大きくつながっています。
大変だったのは、とにかくスケジュールですね。完全新作の劇場版第2弾「Cadenza」と合わせてストーリーを作らざるを得ないため、『DC』の新作パートだけ先に脚本を書くわけにもいかずに、映像制作の一番最初の工程が大幅に時間を食ってしまい、結果的に後工程のアニメーション作業や撮影に大変な負荷をかけました。正直、よく完成したなぁ、と思います。
−−今後の展開を教えてください。
「DC」は上映劇場を順次拡大しながら、引き続き絶賛上映中です。そして全編完全新作の劇場版第2弾「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ− Cadenza」は10月3日公開。キャラクターユニット「Trident」のライブも3月22日に控えるなど、秋に向けてさまざまなことを仕掛けていきます。楽しみにご期待ください。
−−ファンへ一言お願いします。
「蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−」、ついに映画館にたどり着きました。テレビシリーズの上映イベントで「画(映像)は足りてるけど、(ステレオ2チャンネルの)音が物足りないなー」と感じたのが「映画にしよう!」と決めた大きな理由の一つでした。テレビシリーズのBGMも新録曲と一緒に5.1チャンネルにミックスし直し、「DC」全編の音響(セリフ、SE、音楽)を5.1チャンネルでご堪能いただけます。
映像は言わずもがな、艦船の緻密なディテールも、メンタルモデルたちの表情も、テレビより大きく明るい映像で画面のすみずみまでお楽しみいただけます。ぜひ、劇場に足を運んでご覧になってください。
第2弾「Cadenza」は、もちろん現在絶賛制作中です。「DC」の評判がよければ、スタッフのモチベーションアップにつながります。「DC」をご覧になった後は、ぜひSNSなどで褒めてください(笑い)。よろしくお願いします。
フライングドッグ 映像制作部 南健
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