注目映画紹介:「たまゆら~卒業写真~第1部 芽−きざし−」 4人組の卒業までの1年を描く

(C)2015佐藤順一・TYA/たまゆら 卒業写真 製作委員会
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(C)2015佐藤順一・TYA/たまゆら 卒業写真 製作委員会

 広島県竹原市を舞台にしたアニメ「たまゆら」シリーズの劇場版アニメ「たまゆら~卒業写真~第1部 芽−きざし−」(佐藤順一監督)が4日に公開される。「たまゆら」は、写真が好きな女子高生・沢渡楓(さわたり・ふう)と、友人との日常を描いたアニメで、2010年にOVAが発売され、テレビアニメ第1期が11年10~12月、第2期が13年7~9月に放送された。楓たちの高校卒業までの1年間を描く劇場版は、4部作で第1部となる今作では、高校3年生になった主人公らが夢や進路に思い巡らせる姿を描く。ヒロインたちの揺れ動く心や成長など、大人に近づいてくる多感の時期の心情が映し出されている。

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 少し内気で写真が好きな女子高生・沢渡楓(声・竹達彩奈さん)は、塙かおる(声・阿澄佳奈さん)、岡崎のりえ(声・井口裕香さん)、桜田麻音(声・儀武ゆう子さん)の仲よし4人組で高校1、2年と一緒の時間を過ごしてきた。3年生へと進級し、かなえ先輩(声・茅野愛衣さん)が卒業した写真部には後輩2人が入部し、これまでと変わらないにぎやかな毎日を過ごす。約1年後に迫った卒業に向け、自分たちの将来の夢や進路について少しずつ思いをはせる4人。これまでの大切な時間を思い返していた楓にある気持ちが芽ばえ……というストーリー。

 テレビシリーズでは楓が多くの人たちと出会うことで成長したり、夢を見つけたりという姿が描かれてきたが、完結編ではいよいよ高校3年生となり、進路や将来やりたいことなど希望にあふれつつも、どこか不安だった10代後半の揺れ動く気持ちが描かれる。そんな青春まっただ中の楓たちが、いったい何を思い、何を感じるのか。そして、卒業という一大イベントに向けてどう過ごすのかが気になるところ。4部作で描かれることもあり、今作ではまだまだ仲良し4人組のふんわりした場面のほうが多いと感じるが、それでもキャラクターの表情やしぐさが繊細でみずみずしく、各自が夢へと向かって歩き出す雰囲気を生き生きと描いている。「芽−きざし−」というタイトルも絶妙で、今後どれだけ涙を流すことになるのかと見ているこちらも期待と不安が押し寄せる。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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