話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は高橋留美子さんのマンガが原作でNHK・Eテレで放送中の「境界のRINNE」です。菅原静貴監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
貧乏な主人公・六道りんねが、クールなヒロイン・真宮桜と共に、成仏できない霊の悩みや、霊的なトラブルに悩む人々の問題を解決していく、コメディー(ラブもある?)作品です。
りんねと桜を中心に、登場するさまざまなキャラクターたちが一番の魅力かなと思います。どこか(何か)おかしい会話や行動に、クスッと笑えて、時にちょっとしんみりしたりと、生き生きとした作品の登場キャラを、好きになってもらえるアニメを目指しています。
コメディー(ギャグ)作品なので、会話のテンポや間については、特にこだわったところの一つです。編集時に定尺を出さずに、アフレコ時の役者さんの演技やアドリブを生かして、面白い作品になるように再編集をしています。
また、あの世とこの世を行き来するお話なので、作品内での世界観の差を出すための美術、色彩、音楽での表現は、楽しさや華やかさを出すための大事な部分です。そういったところも、見た人に楽しんでもらえるとうれしいです。
長年ファンの方たちに愛されてきた、高橋先生のマンガ独特の作品観、世界観があるので、それを映像作品として、どのように落とし込むかというのは、一番大事にした点です。各世代で、一番好きな作品が違うというのも、高橋先生の作品の特徴なので、今の子供たちに、一番好きな高橋先生の作品が「境界のRINNE」だと、言われるアニメにしたいと思っています。
スタート時は、高橋先生の作品のアニメ監督をやらせていただけるというのがうれしかったです。同じくらい緊張もしましたが。今は、見てくれた方の「面白い」という感想が、やっぱり素直にうれしいです。
アフレコ見学に来てくださった際に、高橋先生から「面白いです」と言っていただけたのは、自分自身も含めスタッフ一同、うれしくもあり、励みにもなっています。毎回、NHKさんを説得(目をかいくぐって)して、いろいろな小ネタを入れ込むのに苦労しています(笑い)。
主要な登場人物たちが出そろい、りんねたちの繰り広げるドタバタも、さらにおかしなものになっていきます。りんねと桜の恋(?)の行方にも、変化があったりなかったりと、どの話数も、ゆるーくまったり、そしてクスッと笑えるものばかりです。キャラクターたちの掛け合いは、今後も楽しんでもらえるとうれしいです。
また、りんねの借金(支出)がどこまでふくらむかも、注目してほしい見どころの一つです。そして、後半登場の新キャラによって、りんねに最大のピンチが訪れるかもしれないような気がしないでもないです。
毎日、スタッフ一同、限られた時間の中ですが、頭をひねって、手を動かして、面白い作品を皆さまに届けられるように頑張っています。2クール目に入っても、楽しいお話ばかりなので、ご期待ください。テレビアニメ「境界のRINNE」を、最後まで応援していただけるとうれしいです。2期目があるといいなぁ……。
監督 菅原静貴
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