名探偵コナン
#1143「乱歩邸殺人事件(後編)」
11月23日(土)放送分
7月に入り、夏アニメがスタートした。週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴する“オタレント”の小新井涼さんが、今回も“夏アニメ”の初回を全部見て特徴を分析した。
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夏アニメもバラエティ豊かな作品が出そろう中、今回はいわゆるハーレムもの作品、なかでも“異種族ヒロイン”という共通点に注目してみたいと思います。
異種族とは、天使やエルフや獣人などの“人間以外の種族”のことです。元々アニメやゲームでは珍しくないものとはいえ、今期は「モンスター娘のいる日常」、「実は私は」、「To LOVEる ダークネス 2nd」と、異種族ヒロインをメインにした“ハーレムもの”が同時に3作品も放送されています。
単なる偶然にしろ、同クールにこれだけの作品数がそろうということは、“異種族ヒロイン”がより一層ポピュラーな存在になってきているのかもしれません。だとしたらそこには他では味わえないような独自の魅力というものがあるのでしょうか。今期放送中の3作品を通してみてみましょう。
一口に異種族ヒロインとはいっても、その特徴は作品ごとにさまざまです。
「実は私は」では、ヒロインたちの隠されていた本性を知るきっかけとして、異種族であることが重要な役割を果たしています。例えば白神さんに関していえば、“寡黙でミステリアスな美少女”という印象だったのが、吸血鬼とのハーフいうことがバレたことで初めて“明るい関西弁なまりの女の子”という彼女本来の魅力を知ることができました。秘密の共有というのはもちろん、ヒロインたちが“自分だけにみせてくれる素顔”という特別感も魅力のひとつです。
同じ異種族でも少し珍しいヒロインたちが登場するのが 「モンスター娘のいる日常(モン娘)」です。下半身が蛇のラミアや馬のケンタウロスなど、“ガチ”なモンスターの身体を持つヒロインたちに初めこそ驚くものの、そんな彼女たちが主人公の公人に見せる女の子らしい姿には見た目なんて関係なく愛おしさが芽生えてくるのが新鮮でした。異種族というパーソナリティーを生かした種族特有の文化や生態の描写、特にラミア用下着の設定などは純粋に興味深かったです。
“異種族ハーレム”としては、もはや代表格ともいえる「To LOVEる」。宇宙人に幽霊に人口生命体と異種族のレパートリーが豊富なのと、長いシリーズなだけあって、彼女たちがあまりにも違和感なく日常生活に溶け込んでいるのが特徴的です。おかげで普通の感覚からすると突拍子もなく聞こえる「ハーレム計画」も、モモが春菜を説得したように、異種族との倫理観の違いによるものだと考えると、「宇宙ではそういうこともありなのかも?」と妙に納得してしまいそうになりました。
最後にこれらの作品を通して見えてくるのが、共通の要素としてヒロインたちが持つ“異種族であることへのコンプレックス”です。
「実は私は」で正体を隠してでも普通の学校生活を送りたいという白神さん、「モン娘」でミーアが受ける異種族に対する差別、「To LOVEる」では兵器としての自分と、ナナたちの友達としての自分という芽亜のジレンマが描かれています。普段は明るいヒロインたちに影を落とすそれらのコンプレックスは、見ているこちらに「守ってあげたい!」というますますの愛着を生み出しているのです。
他のハーレムものとはひと味違う魅力として、これら作品ごとの特徴、そしてコンプレックスという共通の要素が、異種族ヒロインがよりポピュラーになるための一因となっているのではないでしょうか。
異種族を恋愛対象とした作品さえももはや違和感なく受け入れてしまう私たちのアニメ習慣の寛容さはあるにしろ、それらの魅力に気づかせてくれた今期の異種族ヒロインの多さは改めてとても印象的だと思いました。
さて、もちろんそれ以外にも魅力的な作品ばかりの夏アニメ。紹介できなかった分は独断と偏見による個人的ベスト3としておすすめさせていただきます。
1位 「GOD EATER」
これは本当にアニメ!?と疑うほどの映像の美しさに度肝を抜かれました。極東支部内だけでもあの迫力の世界観、そして神機でのアクションシーンなど、とにかく圧倒されまくりで期待せずにはいられない作品です。
2位 「Charlotte」
初端からの乙坂君の外道具合に驚きつつ、後半で能力による華々しい日常が一気に豹変する様子には第1話早々引き込まれてしまいました。これから明かされてゆく能力の謎や新しい生徒の登場が楽しみです。
3位 「ガッチャマンクラウズ インサイト」
それぞれが掲げる正義の違いによるジレンマなど、1期に引き続き現代社会にも省みることができる問題をガッチャマンたちが今度はどう乗り越えていくのか目が離せません。つばさちゃんやゲルちゃんたち新キャラの活躍にも期待です。
こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。
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2024年11月24日 18:00時点
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