小野賢章×宮本侑芽:「黄泉のツガイ」インタビュー ユルとアサをどう生きるか 双子役の距離感

アニメ「黄泉のツガイ」の一場面(C)Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX,Project TSUGAI
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アニメ「黄泉のツガイ」の一場面(C)Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX,Project TSUGAI

 「鋼の錬金術師」などで知られる荒川弘さんの最新作が原作のテレビアニメ「黄泉のツガイ」が4月からTOKYO MX、BS11ほかで放送されている。「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)で2021年12月から連載されており、コミックスのシリーズ累計は600万部以上を誇る話題作で、小野賢章さんが主人公・ユル、宮本侑芽さんがユルの双子の妹のアサをそれぞれ演じる。小野さんと宮本さんに同作に懸ける思いを聞いた。

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 ◇ほしいツガイは?

 --作品の魅力は?

 小野さん 「ハガレン」のときも第1話のインパクトが強くて、説明がないまま始まり、どういうことなんだろう?と作品に引き寄せられたのですが、「黄泉のツガイ」でもそれをすごく感じました。第1話で結界が破られ、現代のお話だったことが明かされ、衝撃を受けましたし、何が起こっているのか分からないところから引き寄せられて、その後の展開が気になる。荒川先生のすごさを感じました。

 宮本さん 1話のユルの「今日は誰も何も説明してくれない」というセリフが大好きで、あのセリフのように私もユルと同じ目線で1話を見ていました。分からないことがどんどん起きて、飲み込まれていくのが面白いんです。どういう意味だろう?という感情が音楽でも表現されているのが印象的でした。ワクワクしたり、左右様が登場するとドキドキしたり、音楽との相乗効果で楽しく見られるんですよね。

 --この作品ならではの設定も魅力です。気になるものは?

 小野さん やっぱりタイトルにもなっている「ツガイ」ですね。東村と影森家、双子など対になっている設定が面白く感じたポイントです。舞台が日本ということもあり、日本の妖怪や神様がツガイとして出てきますが、日本で育ってきたこともあって、初めて触れるものはなく、親近感があります。荒川先生がおっしゃっていたのですが、これから登場する手長足長というツガイにしても地域や時代によって呼び方が違ったりして、そこもすごく面白いんです。知れば知るほど興味が湧くし、作品の広がりを感じます。

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 宮本さん ツガイが見える人と見えない人がいる設定も個人的に厨二心をくすぐられてワクワクします。アサはもちろん見えているけど、村人には見えない人もいて、その設定を考えながらお芝居しています。

 --ほしいツガイは?

 宮本さん 大凶と小凶とお話してみたいです。しゃべらないツガイも多いですが、ちゃんとしゃべりますしね。アニメ化されて、キャストさんがすごく素敵なお芝居をされていて。ほしくなりました。

 小野さん 僕はえっさとほいさですね。普段、戦うことはないですし、日常で便利そうかな?  身の回りのこと全部やってほしいです。洗濯とかゴミの仕分けとか領収書の仕分けとか(笑)。

 宮本さん 最高ですね。ドライヤーで髪を乾かしてほしいです(笑)。

 --原作者の荒川さんの仕事場に行ったそうですが。

 小野さん 懇親会があって、そのときに「仕事場突撃とかできたらいいな」と言ってみたら、先生が「いいですよ」と。ありがたい経験ですね。資料がたくさんあるようなマンガ家の先生の仕事場のイメージがあるじゃないですか。まさにその通りでした。妖怪や神様に関する資料もあったのですが、「黄泉のツガイ」を描くために集めたのではなくて、昔から興味があって集めていたそうなんです。「好きを仕事にしている」というのを感じました。

 宮本さん 荒川先生の空気を感じる仕事場なんですよね。温かみがあって、だから愛のある作品が生まれるんだなと感じました。

 --作品について話をした?

 小野さん 作品がどういうふうに生まれたのかという話は聞きました。

 宮本さん 私は懇親会のときに、オーディションの話をしていただきました。アサの戦闘シーンとギャグのギャップが好きとおっしゃっていただき、すごくすごくうれしかったです!

 小野さん 僕は監督とオーディションのときの話をしたことがあります。監督からは「野生味を感じた」と言っていただきました。

 ◇双子であることは意識しているのか?

 --ユルとアサの印象は?

 小野さん ユルは物語が始まったばかりですし、全ての状況や事実を飲み込めていない状態で、順応していこうとしています。親に置いていかれた厳しい環境で育ち、大人にならざるを得なかったところもあるんでしょうね。

 宮本さん アサは孤独だったんだと思います。16歳の女の子が、東村に乗り込んでいくという決断をよくできるなと思いながら、ガブちゃんと話しているときとかは等身大の女の子にも見えます。その落差をお芝居で表現できるように頑張っています。覚悟を決めて、次に進んでいる女の子で、悲観することがないのは尊敬しています。

 --双子役ですが、演じる中でお互いを意識している?

 小野さん 僕はあまり意識していないんです。立場を含めて双子というよりも兄妹感が強いと感じていますし、アサは「兄様」と兄を慕ってくれるので、双子感は意識せずにやっています。ただ、第1話のアサの鋭い目つきを見ると、目がそっくりだとは感じますが、絵の表現に任せてしまっているところはあります。

 宮本さん 私は意識しまくりです。

 小野さん しまくり(笑)。

 宮本さん ユルもアサも素直で真っすぐなところは似ているなと思いますしね。賢章さんは、セリフやモノローグで独特のリズム感のときがたまにあると勝手に私は思っているのですが、それを投影できないかと思って、トライしていました。誰も気づいていないかもしれませんが、双子をやっているぞ!と思ったりしています。

 小野さん (独特のリズム感は)自覚がなさすぎて。自分では気づかないんですけど。

 小野さん 例えば「●●だ、と思った」というような切り方をすることがあって。

 小野さん 息が続いてないだけかも(笑)。無意識なんですよ。

 宮本さん テストも本番もそうだったので、そこを似せたいと思ってトライしています。

 小野さん 意識していなくても今後、どんどん似てくることはあるかもしれないですね。

 --アサはギャップも魅力のキャラクターです。

 宮本さん 1、2話のときからは音響監督さんから「兄様が好きという一面はあんまり出さないようにしてください」というお話もあったので、抑えたお芝居でしたが、コミカルなシーンははっきりと伝わりやすくすることを意識しています。私自身も兄様を好きという気持ちを高めるために原作を読み込んだりして兄様への思いを募らせて、収録に臨んでいます。

 小野さん そうしていたんだね(笑)。

 --ユルも表情豊かなキャラクターです。

 小野さん そうですね。特に下界に降りてからさまざまな表情が出てきます。文明が止まってしまった中で生活していたので、一人だけタイムスリップ状態ですし、自分が知らないものに触れる中で生まれるリアクションは年相応の表情を出したいと思いながら演じています。コミカルなところは、デラさんとハナさんが担ってくれていますし、あまり意識はしていませんが、シリアスな場面と日常の新鮮なリアクションの差はしっかり出るようになればいいかなと思っています。難しいのが、ユルが知らない言葉を発するときなんです。例えば「コントロール」という言葉を知らないから疑問を持っているシーンで、平仮名で読んでいる感じを発音しなければいけません。声だけで表現するっていうのが難しくて、一瞬で過ぎていくようなシーンではあるのですが、個人的に力を入れているポイントになっています。

 ◇憧れていた小野賢章との共演に…

 --宮本さんはキャスト発表時に「幼い頃から大きな存在で、憧れている小野賢章さんと作品作りをできることもとっっっってもうれしいです!」とコメントされていました。実際に共演してみていかがでしたか?

 小野さん 憧れじゃなくなっていたりして(笑)。

 宮本さん 今も憧れていますよ! こんなに頼りになる兄様はいないです。美咲ちゃん(ガブちゃん役の久野美咲さん)ともよく話しているんですけど、小野さんは本当に話しやすくて、包容力があって優しいんです。何を言っても拾ってくださるし、安心感がすごくあります。最高の兄様です。いつもありがとうございます!

 小野さん 僕の方こそ助けられています。宮本さんはいつも明るくて、僕にはそれがないですし。僕は素直じゃないところがあって、宮本さんはそれが全くない。だから羨ましいと思っています。毎週、現場の雰囲気作りをしてくれていて、その場が明るくなるんですよね。演技に関しては、僕なんかが言うことないですし。

 宮本さん いやいや……。

 小野さん アサのギャップの話がありましたが、、話数が進んでくるとアサの可愛らしい一面も見えてきて、それがすごく自然な流れなんですよね。ここはコミカルです、と切り替えているというよりは、流れの中で無理なく表現していて、素晴らしいんです。それに楽しそうなんですよね。

 宮本さん 楽しいんです! 先輩ばかりなのですが、皆さんがすごく優しくて。

 --今後の見どころは?

 小野さん アサのギャップが見えて、魅力がより発揮されていきますし、楽しみにしていただきたいです。濃いキャラクターも出てきますし、ツガイたちがアニメでどう動くか僕自身もすごく楽しみにしています。

 宮本さん 賢章さんもおっしゃっていた通り、アサが本領発揮していきます。まだ導入部分なので、シリアスなシーンも多いですが、デラさんとハナさんとかのコミカルなシーンも増えていきます。まだまだ謎もありますが、これから明らかになっていくこともあります。ぜひ楽しみにしていてください! (阿仁間満/MANTANWEB)

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