小学館のマンガ誌「週刊少年サンデー」が、生え抜き新人作家の育成を優先する編集方針に切り替える異例の宣言文を19日発売の同誌38号に掲載した。新編集長の市原武法さんは7年ぶりに編集部に復帰したことに触れつつ、今後の掲載作の決定について「編集長である僕がただ一人で行います。僕の独断と偏見と美意識がすべてです」と言い切り、合わせて「今後の少年サンデーの運命の責任は僕一人が背負う覚悟の表明でもあります」と宣言している。
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市原さんは、2009年の月刊少年マンガ誌「ゲッサン」創刊時から編集長代理として活躍。「タッチ」の26年後の世界を舞台にして話題になったあだち充さんの「MIX」、ドラマ化もされた「信長協奏曲」などを世に送り出した。特に「信長協奏曲」の作者・石井あゆみさんは、当時新人だったが、周囲の反対を押し切って連載し、同誌の看板作品に育て上げた。
宣言文は「読者の皆様へ」と題して、新人作家の育成に力を注ぐとし、今年の7月にチームの再編を敢行し、編集方針に反する行動を取る編集部員は編集部から去ってもらうと断言した。一方で「中堅・ベテラン作家さんの力も絶対に必要。伝統と革新の絶妙なバランスこそが雑誌の『雑』の部分を魅力的に形成する原動力と僕は確認しています」とつづっている。
週刊少年サンデーは1959年に創刊。集英社の「週刊少年ジャンプ」、講談社の「週刊少年マガジン」と並ぶ三大少年マンガ誌として知られている。近年は出版不況の影響もあって、発行部数(日本雑誌協会調べ)は2008年には約89万部あったが、2015年6月は約39万部に落ち込んでいる。
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