「第89回キネマ旬報ベスト・テン」(キネマ旬報社主催)の表彰式が13日、東京都内で行われ、映画「母と暮せば」(山田洋次監督)で主演男優賞を受賞した人気グループ「嵐」の二宮和也さんが出席した。この日の朝、グループのほかのメンバーに同表彰式への出席を伝えたという二宮さんは「『今から授賞式に行ってくる』と言ったらみんな『おめでとう。いってらっしゃい』って(言ってくれた)」と振り返るも、メンバーの反応は「みんな結構クールでした。私が一番喜んでいたというか」と明かして笑いを誘った。
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長崎を舞台に、原爆後に生き残った母親と亡霊となった息子の物語を描いた「母と暮せば」での受賞に、二宮さんは「自分がこの作品に出る役割として、日ごろ応援してくれている若い方々に戦争というものを改めて学んでいただく一つのきっかけになればいいなと、そういう“責務”があったので、それがちょっとでも、かなったんではないかな」と明かし、「それと同時にこういう素晴らしい賞をいただけたんじゃないかな思っています。これからもこの賞に恥じることないように精進していければ」と語っていた。
キネマ旬報ベスト・テンは、米アカデミー賞より1回多いという長い歴史を誇る映画賞で、今回は2015年公開の映画を対象に同誌の選考委員が各賞を選出。作品賞の日本映画ベスト・テン第1位には橋口亮輔監督の「恋人たち」が選ばれ、橋口監督は同作で日本映画監督賞と日本映画脚本賞にも輝いた。
主演女優賞は「岸辺の旅」「寄生獣 完結編」に出演した深津絵里さん、助演女優賞は「母と暮らせば」「幕が上がる」などの黒木華さん、助演男優賞は「日本のいちばん長い日」などの本木雅弘さん、新人女優賞は「海街 diary」の広瀬すずさん、新人男優賞は「恋人たち」の篠原篤さんが受賞した。
表彰式には、深津さん、本木さん、広瀬さん、橋口監督らも出席。これまでも「海街 diary」で映画賞の新人賞などを受賞している広瀬さんは、今回の受賞に「自分にとってものすごく大きな賞」と喜び、「またこうして大きな舞台に立てるということは、自分にとってまだ不思議な感覚。日々『海街 diary』という作品への思いがどんどん強くなってきています」と思いを告白。同作の是枝裕和監督や綾瀬はるかさんら共演者たちとの出会いが「自分にとって大きかった」といい、「これからも、もっといろんな映画に染まり、“お姉ちゃん”たち(綾瀬さんら)の背中を見て、そしてまたここに帰ってこられるように頑張りたい」と語っていた。
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