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ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
NHK・BSプレミアムで放送中の連続ドラマ「初恋芸人」で、主人公の売れない若手芸人・佐藤賢治を演じている俳優の柄本時生さん。役者として着実にステップアップし、NHKの連ドラで単独主演を務めるようになったが、「社会の中で生きていてオファーをいただき、そのオファーされたものを一生懸命やる。俳優は職業で、気持ちの中では本当に一人の社会人。ほかの仕事をやられている方とどこがどう違うのかは分からない」と浮かれたそぶりを見せず、きっぱりと言い切る。そんな柄本さんに役柄や演技への思いを聞いた。
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「初恋芸人」は、中沢健さんの同名小説が原作。柄本さん扮(ふん)する主人公・佐藤賢治と、元SKE48の松井玲奈さんが演じる謎の美女・市川理沙との恋の行方や芸人たちの生態を描く異色のラブコメディーだ。柄本さんは「芸人さんの役をやったことがなかったので、それが楽しかった。ネタを練習して、人前で(役として)ネタをやるのは緊張したし、足が震えたんですけど、それを体験できたのはよかったなって」と振り返る。
賢治は、ウルトラマンや怪獣ネタなどマニアックな芸風でブレークする日が来るのを夢見る売れない“ピン芸人”。中学時代のある出来事が原因で強烈なコンプレックスを抱き、女性と会話することすらままならない人生を送ってきたが、現在はなんだかんだ「親友」と呼べる友人もいて、同じ境遇で頑張る芸人仲間に囲まれて日々を送っている。
柄本さんはそんな賢治に深く共感。「脚本ではいじめられっ子だったってことになっていますけど、芸人仲間がいて、親友もいて、自分だけ違う路線の話を始めちゃっても『なんだ、コイツ』ってならないで、ちゃんと突っ込んでくれて、一緒になって笑ってくれる。自分以上にほかの人たちが認めてくれる場所にいられるのは、とても運がいいのかなって」と話す。
動画配信サイト「YouTube」やDVDでお笑いのネタを見て、役作りの参考にしたという柄本さん。本人所有のお笑いDVDのコレクションはかなりの量のようで、「ダウンタウンさんやさまぁ~ずさんの番組、あとは爆笑問題さんの漫才のやつとか結構、持っていますね」と照れ笑い。中でもダウンタウンへの思い入れは強く、「松本人志さんが監督した『さや侍』に出られたのは“仕事していてよかったなランキング”のかなり上位に入りますね」とうれしそうに話す。
今回、本物の芸人さながらにネタを覚え込んだという柄本さんは「一人でブツブツ練習しましたが、やっぱり壁に向かって部屋の隅っこでやるんですよね。1話にそういうシーンがあったんですけれど、それ以外でも隅っこに行くんですよね。あれは人間の習性なんですかね」としみじみ。また劇中ではフリップネタや漫才にも挑戦しているが、「コントもやりたくないって言ったらうそになる。でも漫才のほうが憧れはありますかね。漫才はカッコいいですよね」と目を輝かせる。
さらに柄本さんは「これは思い出話なんですけど、僕が中学生、兄ちゃん(俳優の柄本佑さん)が高校生の時、漫才をやってました」と告白。「寝る前に二段ベッドで、僕がボケで、兄ちゃんがツッコミ。そういう遊びはしていました。ベラベラとしゃべっているだけなんですけど、2人の中では大爆笑で(笑い)」と楽しそうに明かしたが、「(人前の)披露は絶対ないです」と念押しも忘れなかった。
ドラマ「初恋芸人」は全8話。NHK・BSプレミアムで毎週火曜午後11時15分に放送中。
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