元AKB48の板野友美さんが初めて主演を務めたホラー映画「のぞきめ」(三木康一郎監督)が2日、公開された。2013年8月のAKB48卒業から約2年半、シングル3枚とアルバム1枚を発表し、ツアーも開催するなど、歌手として順調に活動を展開してきた板野さんにとって今回は女優業への本格挑戦。ソロアーティストとして固めてきた「かわいい」「かっこいい」というイメージを「どこかで壊していかなくちゃいけないって思っていた」といい、「カメラの前で叫んだり、泣いたりすることで、かわいい、かっこいい自分を一度、捨てたいと思った」と明かす板野さんに話を聞いた。
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映画は、ホラー作家・三津田信三さんの小説(角川書店)が原作。日常のあらゆる場所に存在するほんの数ミリの隙間(すきま)から視線を投げかけ、目が合った人間を恐怖のどん底に突き落とす怪異“のぞきめ”にまつわる物語で、板野さん扮(ふん)するテレビ局の新米AD・三嶋彩乃が、ある青年の怪死事件を取材したことから、“のぞきめ”に関わるようになり、その真相を恋人とともに追う……というストーリーが展開する。
板野さんは主演に加え、主題歌も担当するなど、文字通り映画の“顔”となっているが撮影中「プレッシャーを感じることはあまりなかった」と言う。「プレッシャーって感じ過ぎるとマイナスに働くじゃないですか。緊張とかもそうだと思うんですけど、変に意識して、いい自分が出せなかったりすることが一番ダメ。だから今回は、それこそ体当たりで、“初めて”を武器に突き進んでいった感じですね」と笑顔を見せる。
一方でテレビ番組のADという役柄には苦戦を強いられた部分もあったようで「以前にやった“ヤンキー”とかは分かりやすいというか、自分の見た目のイメージとかあって(笑い)、なりきりやすかったんですが」と苦笑い。さらに「彩乃の性格も突発的なこと言う感じでもなければ、かといって暗いわけではなく、良くも悪くも普通。監督からは『あまり女性的な面を出してほしくない』って言われて……。やっぱり自分じゃない誰かになるのって難しかったですね」と振り返る。
また驚きや恐怖の表情を体得するために「大の苦手で一番避けてきた」というホラー映画を見て参考にしたという板野さん。「本当に(ホラーは)見たくなくて。でも勉強させてもらいましたね。恐怖体験って過去にほとんどなかったし、普段の生活でもすごく驚くってこともないので。実際に怖い目に遭ったら、人ってすぐ叫べるものなのか、頭の中で一回、整理しようとするんじゃないか、とか。もう手探り状態でしたね」と苦労を明かしていた。
AKB48卒業からこれまでを振り返り「自分の好きなヒップホップ調の曲を作ったり、ラップに挑戦したり、ソロアーティスト板野友美として、そのイメージを固めてきてこれた」と充実の表情を浮かべる板野さんは「すごく楽しいし、うれしい半面、どこかで壊していかなくちゃいけないって思っていた」とも告白。そこで選んだのが今回のホラー映画主演となるわけだが、板野さんは「アーティストはイメージが優先する仕事で、定着していた方がいいと思う。だから違うジャンルで、アーティストをやりながら女優をやることで、板野友美の表現の幅が広がればなって思ったんです」と真意を説明する。
さらに板野さんは「自分が見たくない自分を出していかなくちゃいけないのが女優で、その部分は自分が一番、苦手にしてきたものだった」と明かすと、「今まではどうしても、かわいく、かっこよく見せたいって気持ちが強かったので、カメラの前で叫んだり、泣いたりすることで、かわいい、かっこいい自分を一度、捨てたいと思った。今回はかわいい、かっこいい自分を捨てようと飛び込んで演技させてもらって、自分の殻を少しは破れんたんじゃないかなって思っています」と語ってみせた。
そんな板野さんに“今後”について尋ねると「今年はアジアツアーもあるので、アーティストとしてもっともっと成長したい。今までのイメージを損なわず、世界観に磨きをかけて、突き進んでいきたい!」と力を込めた。また今回で手応えをつかんだ女優業については「簡単に一言『女優』といっても演技の仕方、捉え方は人それぞれで、作品をどれだけ愛せるのかを含めて、本当に奥が深いってことも学べたので、女優としても、もっともっと経験したいし、いつかは自分のハマリ役を見つけたいなって思っています。アーティストの私と女優の私、180度とまでは言わないですけど、全然違うって思われることも大切なので、それぞれの場所でいいパフォーマンスを発揮できたら」と目を輝かせていた。
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