俳優の千葉雄大さんが出演する映画「殿、利息でござる!」が、14日に公開された。地元・宮城の仙台藩を舞台にした時代劇で、ちょんまげ姿も初披露。今作でスクリーンデビューした同郷の男子フィギュアスケート・羽生結弦選手とも“初共演”を果たした千葉さんに、撮影舞台裏や俳優業への思いを聞いた。
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「殿、利息でござる!」は、江戸時代に仙台藩で起きた実話を映画化。藩の重い年貢により破産と夜逃げが相次ぐ宿場町・吉岡宿で、将来を心配した庶民が町のピンチを救うため、藩に大金の千両を貸し付け、利息を巻き上げるという前代未聞の計画を構想する……というストーリー。
町のために立ち上がる主人公・穀田屋十三郎役で阿部サダヲさん、十三郎を取り巻く吉岡宿の住人役で瑛太さん、妻夫木聡さん、竹内結子さん、草笛光子さん、山崎努さんらが出演。メガホンは、「ゴールデンスランバー」「白ゆき姫殺人事件」などで知られる中村義洋監督が取っている。
映画のモチーフとなった実話は、宮城県内でもあまり知られていないエピソードなだけに、地元出身の千葉さんも今回初めて知ったというが、「自分のことを差し置いてでも、人のために一生懸命に頑張って奮闘したかっこいい男たちの物語」と郷土を誇り、「中村監督はすごく好きな監督ですし、共演の役者さんもこれまでずっと見てきた方々だったので、とてもうれしかったです」と出演を喜んでいる。
千葉さんが演じたのは、十三郎と協力する町のまとめ役「大肝煎(おおきもいり)」の千坂仲内。自身初のちょんまげ姿については「わりと違和感なく……イケてる部類ではあるかなと(笑い)」と自信をのぞかせつつ、「精神面作りはすごく難しかった」と演技の苦労を口にする。
「仲内は、あまり感情をあけすけに出すような役ではなかったので、秘める部分と、そうでない部分の芝居のかげんが難しかった」と明かし、「パンフレットなどで“純真な百姓”と紹介されているんですが、僕から見ると、そこまで純真でもない。場面場面で心が揺れ動いたり。別人のように見える部分もあって……」と複雑な役どころを語る。
そんな仲内を演じる上で、「人間っぽい部分も出せるように、あまりいい人にならないよう、各シーン、仲内の心持ちをしっかり演じることに時間をかけました」という千葉さん。「監督のアドバイスにも助けられた」といい、「ちょっとダメだったかな、というときには、撮影が終わった後に僕のところに来てお話を聞いてくださったり。感情的になるシーンでは、本番前にぐっとくることを言ってくださったり。そういう空気作りをしていただいた」と撮影を振り返る。
努力のかいあってか、「作品を見た方たちから『こういう役もできるんですね』と言っていただくことが多かった。今までの僕のイメージと違う印象を持たれたみたいです」と演技の幅が広がったという。ぬくもりのある男子“ヌクメン”と評されることも多い千葉さんだが、「見かけだけでこういう人だよね、ってくくられるのは僕自身あまり好きではない。今までと違う役にもチャレンジしていきたいし、今後そういうオファーにも受けて立とうという思いが強くなりました」と大きな自信につながったようだ。
今作では、主演の阿部さんはじめ、並みいる先輩役者とも共演。そうそうたるメンバーを前に、大肝煎という町のまとめ役を演じるのは「すごく恐れ多かった」と恐縮する千葉さんは、「みなさんの前で口上を述べるシーンがあるんですが、真剣に聞いてくださる場面だったので、一番緊張しました。でも、大肝煎という立場としては、そういうことは何かあるたびにやっていることだから、あらたまってという感じもあんまりだなって……でも緊張するなあって」とドキドキの撮影舞台裏を明かす。
一方で、「泊りがけの撮影では、ごはんに連れて行っていただきました」と共演者たちとの交流を楽しんだといい、「妻夫木さんと2人きりで、ごはんに行ったときには『何してるんだろう、自分?』って、客観的に不思議な気分にもなりましたけど」とにっこり。「妻夫木さんには、相談に乗っていただいたり、それから一緒にカラオケにも行きました」とうれしそうな表情で語る。
さらに今回は、伊達重村役で出演した同郷の羽生選手とも初対面。「僕たちキャスト陣に重村役は知らされていなかったので、羽生選手が現場にいらしたときには、本当に驚きました」と語り、「たたずまいが美しかった。撮影の後には、『僕も宮城出身なんですよ』って少しだけお話をして、写真を一緒に撮ってもらいました。握手会に来たファンみたいな感じです(笑い)」と再び笑顔を見せた。
「俳優業は楽しいだけじゃないけど、普段できないことができるし、会えない人にも会える。そういう面ではすごく恵まれていると思います。本当にやりたくてやっている仕事だし、ありがたいって気持ちを大切にしたいです」と充実した表情。「今回、瑛太さんのせりふで、僕の役柄が心揺れているときに『あんたはどっちを向いて仕事してるんだ?』っていう言葉が出てくるんですけど、確かにそうだよなって。僕も軸がぶれないように仕事をしていきたいなって思います」と芯のある瞳で語っていた。
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