瀬尾まいこさんの恋愛小説を映画化した「僕らのごはんは明日で待ってる」(市井昌秀監督)が7日に公開された。高校時代の体育祭をきっかけに付き合うようになった葉山亮太と上村小春の、7年越しの愛をつづった恋愛青春映画だ。アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」の中島裕翔さんが主人公の亮太を、女優でモデルの新木優子さんが小春を演じている。2016年1月から2月にかけて行われた撮影を、「小春と一緒に生きていた1カ月間でした」と振り返る新木さんに、作品について、主演の中島さんの人柄、さらに、美容や健康面で日々心掛けていること、最近気になるファッションアイテムなどを聞いた。
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「演じるというよりは、私の中にいる小春の部分を虫眼鏡でのぞいて探してほしい。そして、せりふをちゃんと(頭の中に)入れてきてほしい。感情で言葉を発すれば、それが、小春がしゃべったことになるから」と、新木さんは撮影に入る前に市井監督から要望を伝えられたという。
小春は、「物事をはっきり口にしたり、思っていることとは反対のことをしてしまったりする」ところに自身との共通点を見いだせた。高校時代の小春が、亮太を相手に早口でしゃべる場面では、せりふを“かんで”しまうこともあったそうが、小春の気持ちを考えて演じることを心掛けるようにしてからは、「すらっと言える瞬間があった」と明かす。
苦労したのは、ラストシーンで見せる涙。その前日に大泣きする別のシーンを撮影した。「気持ちを切り替えて新たに整えるという作業が、自分で思っていたよりも時間がかかってしまいました」と打ち明ける。亮太と2人、デパートの屋上でソフトクリームを食べる場面では、「秩父で撮影したんですけれど、すごく寒くてカメラが回る直前まで、がたがた震えながらアイスを持っていました」と苦笑する。
初対面の中島さんとは、ラブストーリーということもあり、「お互いに緊張していたので、最初はどちらも壁を感じて、声を掛けづらかった」そうだが、実際の中島さんはとても気さくで、撮影に入ってからは、差し入れの恵方巻きを無言で食べようとする新木さんにわざと話し掛けてきたり、お笑いコンビ「流れ星」や、現場のスタッフの物まねをしたりして、「ツボにはまっちゃうと笑いが止まらなくなる」という新木さんを、大いに笑わせてくれたそうだ。「お陰で、壁が壊れて打ち解けられるようになりました」と中島さんの心遣いに感謝する。
ケンタッキーフライドチキンは食べられるくせに、鶏肉は食べられないという小春に対して、「お肉は基本的に全部好き」という新木さん。今回の映画を通して、「生きるために、明日のために、ごはんというものがどれだけ大切かということが分かったので、より一層、健康にいいもの、今の自分にとって必要なものを取り入れた食事」を意識するようになった。特に寒い季節は、野菜は生ではなく温野菜にして食べるなどして体を冷やさないように心掛けている。今、はまっているのはタイ料理や韓国料理などのアジア・エスニック料理。もともと和食が好きで、肉じゃがに代表される家庭料理は一通り作れるそうで、かなり大胆な方法でフライドチキンを作っていた小春には、「あのやり方はおすすめしません(笑い)」と笑顔で“ダメ出し”していた。
ちなみに、美容に大敵の乾燥対策も怠らない。水をたくさん飲むようにしたり、お風呂上がりはすぐにクリームを塗って保湿をしたりと気を使っている。入浴剤は保湿力の高いものを使い、特に、ロバのミルクが配合されたフローラル系の香りの入浴剤が「すごくしっとりするし、リラックスできる」と最近のお気に入りで、「熱めのお湯に長めに入る」のがパターンだそうだ。
小春は、白いシャツにジーンズといったカジュアルな服装を好んでいるが、新木さん自身は「気分によって着るものが全然違います。小春みたいなファッションもしますし、モード系のファッションや、モードを崩してちょっとスポーティーにする」など、いろんなおしゃれを楽しんでいる。普段は黒や白の色使いのものが多いそうだが、冬など暗くなりがちな季節は真っ赤なコートを着るようにするなどして、なるべく色を取り入れるようにしている。
そんな新木さんの、今、気になっているファッションアイテムは「チェック柄」と「セットアップ」。チェック柄は「トップスでもボトムスでも、ワンピースでも可愛い」と注目しており、また、もともと好きなセットアップに関しては「今日も、ジャケットとパンツのセットアップを着て(取材現場まで)来ました」と教えてくれた。なんでもその茶系のセットアップは、このインタビューの前日に買ったばかりだったそうだ。
ファッション誌「non-no(ノンノ)」(集英社)のモデルとしても活躍し、最近では、ドラマ「いつかティファニーで朝食を」や「家売るオンナ」に出演。さらに主演映画「インターン!」が公開されるなど女優としても引っ張りだこの新木さん。笑顔がチャームポイントの一つだが、意外にもそれは、「non-no」のモデルになったことで身に着いたという。
それ以前にモデルをしていたストリート誌では、求められたのは自然な仕草で、笑顔を求められることはあまりなかったという。そのため、鏡の前で自然な笑顔を作る練習をした。そのとき改めて気づいたのは「毎日笑うことの大切さ」。以来、常に笑顔でいることを心掛けている。「そうすることで、自分だけではなくて周りの人もいい雰囲気になると思いますので……」と笑顔を見せる。
昨年3月に大学を卒業し、12月に23歳になった。2016年を「初めて学生というブランドがなくなって、自分だけで勝負していかなければいけなくなった年でもありました」と振り返る。そして2017年の抱負は「新しい自分というものを見つけたいと思っているので、いろんなことにチャレンジして、今の自分の殻を破っていければいいなと思います。実りある一年にしたいと思っています」と意欲を見せる。
ちなみに、このインタビューが行われたのは、ちょうど23歳の誕生日の1週間前。そこで、自分への誕生日プレゼントを尋ねると、「実は」……ともじもじしながら、「昨日買ったセットアップは、誕生日プレゼントとして自分に買ったものなんです。フライングプレゼントです(笑い)」と打ち明けた。
「10年後の自分」については、「想像できない…」としながら、「でも、マインドというか、基本的なことは多分変わらないと思います」と想像し、「結婚……しているかな、できているかな、みたいなところは変わるかな、変わっていてほしいなという願望もあります」と語る。結婚願望、母親願望はともにあるそうで、「結婚は30歳になる前にできればいいなと思っています。子供も30歳になる前に欲しいなと思っています」と心の内を明かす。
そんな新木さんに、改めて映画をアピールしてもらうと、「普段当たり前だと思っていたことが、実は当たり前じゃなくて奇跡的なことだったんだと気付ける、すごく温かい作品だと思います。小春と亮太の7年越しの恋で、うるっとする部分も、キュンとする部分もたくさん詰まった“うるキュン”青春ラブストーリーになっていますので、ぜひハンカチを持って劇場に来ていただければと思います」とメッセージを送った。映画は7日から全国で公開中。
<プロフィル>
1993年12月15日生まれ、東京都出身。2014年より雑誌「non-no(ノンノ)」(集英社)の専属モデルとして活躍。ドラマ出演作に「いつかティファニーで朝食を」(15~16年)、「家売るオンナ」(16年)。「ラブラブエイリアン」(16年)では初主演を務めた。映画初主演作は「風のたより」(15年)。ほかに「泣き虫ピエロの結婚式」(16年)、主演作「インターン!」(16年)がある。
(取材・文・撮影/りんたいこ)
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