薬屋のひとりごと
第33話 先帝
3月7日(金)放送分
故・伊藤計劃(けいかく)さんのSF小説が原作の劇場版アニメ「虐殺器官」(村瀬修功監督)が3日、公開される。今作は制作会社の倒産という苦難を乗り越え、ついに公開されることも話題だ。未来を予見するような設定、迫力のある戦闘シーンなど、アニメでないと表現が難しいであろう映像に仕上がっている。
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「虐殺器官」は、2009年に34歳で亡くなった伊藤さんのSF小説が原作。伊藤さんの作品をアニメ化するプロジェクト「Project Itoh」の一環でアニメ化される。当初は15年に公開を予定していたが、アニメ制作会社「マングローブ」の破産に伴う製作体制の見直しのため、公開を延期。マングローブに代わり、新スタジオ「ジェノスタジオ」が製作するという苦難の道のりがあった。
米国軍で暗殺任務を行う精鋭部隊・特殊検索群i分遣隊に属するクラヴィス・シェパード大尉が“虐殺の王”とも呼ばれるジョン・ポールの秘密を探る中、人を狂わす“虐殺器官”の存在を知る……というストーリー。原作は情報量がとにかく多い。長いせりふ、専門用語、解説など情報量が膨大なだけに、一本のアニメとしてまとまるのか?と心配していた部分もあった。結果として、カットされているシーンはあるものの、一本のアニメとして成立している印象だ。原作の読後感に近いものも感じられた。とはいえ、アニメも情報量が多いため、原作を読んでいないと分かりづらいところはあるかもしれない。
そして、戦闘シーンの迫力には圧倒された。銃撃戦などは、テレビアニメでは表現が難しいであろう残虐シーンも多く、見ていて怖くなるほどだ。侵入航空機・フライングシーウィードなど架空の兵器の表現は、個人的にはイメージ通りで、アニメが完成してよかった……とうれしくなった。クラヴィス・シェパード役の中村悠一さん、ジョン・ポール役の櫻井孝宏さんの“美声”で独特のせりふを聞くことができるのもうれしいところだ。3日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/MANTAN)
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