東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の玩具見本市「東京おもちゃショー2017」(日本玩具協会主催)で、「けん玉」や「ボードゲーム」などレトロな玩具と最新技術を組み合わせた新感覚の玩具が注目を集めている。今年はついにソニーも初出展するなど、業界に新しい波が来ている。
ウナギノボリ
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レトロ玩具の代表格で、再ブームの兆しもあるけん玉は、スマホアプリと連動することで、新しい遊び方が生まれた。「電玉」(電玉)は、スマホにインストールした専用アプリを使いブルートゥースの無線機能で連動させることで、本体に内蔵されたセンサーで技を感知できる。オンラインで対戦相手を探し、離れた場所の相手とも対戦することができるなど、最新の技術を取り入れることで、基本的には1人の遊びだったけん玉に新しい楽しみ方を生み出している。
「360度恐怖体感 脱出!おばけ屋敷ゲーム」(バンダイ)は往年の人気ボードゲームをスマホと連動させることで、スマホの画面におばけが出現。おどろおどろしい演出に一役買っている。また、「キラチェン リカちゃん」(タカラトミー)は、特殊な素材を使用することで、髪の毛にLEDライトを当てることで色が変化する仕掛けを取り入れた。スマホとの連動は近年の定番になりつつあるが、今年はさまざまな技術を活用した玩具が目立っている。
そして今年最も話題を呼んだのはソニーの初出展だった。“技術のソニー”と呼ばれた大企業が発表したのは、白いキューブ型の“ロボット”をコントローラーで操作して遊ぶ体感型玩具「toio(トイオ)」。レゴともコラボしており、自分で組み立てたレゴをキューブに乗せてぶつけ合ったり、キューブに尺取り虫のような動きをさせたりできる。同社は「トイ・プラットフォーム」という言葉を使っており、アイデア次第でさまざまな遊び方ができる新機軸の玩具だ。
こうした最新の技術の導入は、従来型の玩具に新たな可能性を提示したといえる。たとえば、普及率が高くさまざまな機能を持ったスマートフォンとの連動は、けん玉では遠方にいる相手との対戦を、ボードゲームでは臨場感を加味するなど、これまでの玩具に新しい価値を生み出した。本来子供のための存在だった玩具だが、こうした新技術や新素材の登場で大人も楽しめるようになった。大人も意識するこうした流れはここ数年のトレンドになっている。
日本玩具協会によると、2016年度の市場規模は前年度比100.3%の約8031億円と、少子高齢化にも関わらず、玩具市場は安定傾向で、大人も視野に入れた近年の展開は一定の成果を上げているといえるだろう。かつてペットロボット「AIBO」も生んだ“テクノロジーの雄”・ソニーの参入は、ハイテク化が進む玩具市場への期待の表れともいえ、最新技術と玩具のマッチングは今後ますます加速していくことが予想される。今後は一層、多様なジャンルの企業の参入も考えられ、玩具市場により多くの視線が注がれそうだ。
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