名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集者が語る「マンガ質問状」。今回は、小山愛子さんの「舞妓さんちのまかないさん」です。「少年サンデー」(小学館)編集部の杉田千種さんと稲垣麻衣子さんに作品の魅力を聞きました。
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――この作品の魅力は?
主人公は舞妓(まいこ)さんを目指し、15歳で青森から京都にやって来たキヨ。彼女は舞妓候補から脱落したものの、料理の腕を買われ、置屋のまかないさんとして舞妓さんたちを支えることになります。古都・京都の町屋を背景に、キヨの丁寧な料理や生活ぶりが美しく描かれます。
さらにキヨには同じ青森から、同じ夢を追いかけて京都に来たすみれという幼なじみがいます。彼女は、踊りの師匠をして“100年に1度”と言わしめる逸材。対照的なキヨとすみれを通して、普段なかなかアクセスすることのできない花街が内側から描かれるところもポイントです。
――作品が生まれたきっかけは?
忙しい時でも、とても丁寧な暮らしをされている作家さんなので、初めはそのご自身の体験が生かせる“暮らしまわり”のお話を依頼しました。打ち合わせを重ねる中で、どんなに派手に見える人生を生きている人にも、地味で淡々とした日常があるはずだ、という話になりました。せっかくなので、みんなが知りえない珍しくて華やかな世界で、興味のある分野がないかをお伺いしたところ、着物好きの小山先生から提案されたのが、「京都の舞妓さんの暮らし」でした。ちなみにキヨとすみれの出身地・青森県は、小山先生が幼少期を過ごした場所でもあります。
――編集の際、苦労した点、面白かったエピソードを教えてください。
小山先生は、この作品の準備として、京都に住み込んで取材をされました。作中の台所は、その時に泊まったゲストハウスがモデルになっています。舞妓さんや芸妓(げいぎ)さん、屋形のおかあさん、そして舞妓さんたちが通う飲食店や旅館の女将(おかみ)さんなど、花街にかかわるたくさんの方々からお話を伺うことで、一作一作のネタを考えています。
着物の作画が大変では?とよく聞かれますが、実際には小山先生がもっとも苦労されたのが舞妓さんの髪形です。構造が難しく、たくさんの資料を見て研究をされていたものの、初めはかなり作画に時間がかかっていました。そして花街の言葉は、作家・編集ともども勉強しましたが、いかんせん心もとなく……。花街にお住まいの方に、一作一作、添削をしていただいています。
――今後の展開は?
キヨが変わらず毎日を淡々と生きる一方で、親友すみれは、売れっ子舞妓への道を駆けだします。作中はまだ冬ですが、今後は京都の四季折々の食べ物や行事をいっそう盛り込んでいく予定です。実在のお店も登場するかもしれません。そして青森での思い出話も、少しずつ明らかになっていきます。
――読者へ一言お願いします。
発売から数日で大重版がかかった1巻から3カ月。早くも2巻が発売いたしました。年ごろの少女らしいキヨとすみれのやりとり、 そして普段着のごはんは心が温まります。そして9月には3巻が発売予定です。
小学館 少年サンデー編集部 杉田千種 稲垣麻衣子
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