小芝風花:ドラマ初主演「期待以上のものを」 10年後は「色気ある女性に」

NHKドラマ「ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス」で主演を務めた小芝風花さん
1 / 15
NHKドラマ「ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス」で主演を務めた小芝風花さん

 女優の小芝風花さんが、ドラマ初主演した「ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス」(NHK総合)が8月1日に中国地方向けに先行放送される(同5日午後3時5分に全国放送)。広島市立基町高校(広島市中区)で10年前から行われている、高校生が被爆体験証言者の話を聞き、その記憶の中にある印象的な場面を描く「原爆の絵」を題材にしたドラマだ。自身の役どころを「どこにでもいる高校生」と話す小芝さんに、初主演への思いや、目指す女優像、10年後などについて聞いた。

あなたにオススメ

 ◇普通の女の子を演じるのは初めて

 インタビューの直前に行われた会見では、「初めてドラマで主演を務めさせていただいて、すごくうれしいのと、“原爆の絵”がテーマなので、『私にできるのかな』という不安がすごくありました」と語った小芝さん。改めてドラマ初主演の感想を聞くと、今回のドラマの監督が小芝さんが出演した2015年のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」のプロデューサーを務めた熊野律時さんだったことに触れ、「熊野監督が『もう一回、一緒にやりたい』と名前を挙げてくださったので、それがやっぱり一番うれしくて。だから、期待以上のものができるように頑張ろうっていう気合だけはすごく大きかった」と振り返った。

 「ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス」で小芝さんは、広島市の高校の美術コースに通う里保を演じた。ドラマでは、近藤正臣さん演じる被爆体験者の雄造と対話を重ねながら絵を作り上げていく姿とともに、クラスメートの奏美(中村ゆりかさん)との思春期ならではの衝突も描かれる。それも踏まえて小芝さんは「今回は、本当にリアルな、どこにでもいるような女子高生が、友達や被爆者の方や絵とどう向き合うかが大きな軸なので、同年代の方にはすごく共感していただけるのではないか」と言い、「友達に思うように自分の気持ちが伝わらないもどかしさや、友達が離れていってしまう怖さといった悩みを抱える面も大事して演じた」と語る。

 これまで小芝さんは、映画「魔女の宅急便」での魔女のキキや、ドラマ「マッサージ探偵ジョー」の天真爛漫(らんまん)な新人マッサージ師など、くせのある役どころが多かった。今回の里保役について「あまりにも普通の女の子を演じるのは、逆に初めて」という。だからこそ、「台本を読んで想像だけして演じるのではなくて、撮影前に被爆者の方に話を聞いた体験を大事にして、実際に『原爆の絵』に取り組む高校生の表情を見て勉強した」と、等身大の女の子を演じる上での役作りに取り組んだ。

 そんな小芝さんに、目標とする女優について聞くと、満島ひかりさんの名前が挙がった。「満島さんの泣きのお芝居を見ると、本当に胸が苦しくて……。苦しさがめちゃめちゃ伝わってきて。だから自分も、泣くにしろ、笑うにしろ、話すにしろ、動くにしろ、その人の人生とか性格も、ちゃんと考えて、一つ一つ演じたいなって思います」と演技への思いを語った。

 ◇友達にメークがへたすぎると言われ……

 今年4月に20歳になった小芝さん。美容について聞くと、「けっこうずぼらだったんです」と切り出し、「これまでファッションとかお化粧とか全然興味なかったんですけれど、最近ようやくメークの楽しさに気付き始めた」と語り始めた。「洗顔の時はよく泡立てる」「メークを落とす前にスチーマーを肌に当てて、毛穴を広げる」など友達からスキンケアについてのアドバイスをもらっているそうだが、「気合が入った時はちゃんとやっています。友達に『メークがへたすぎる』と言われちゃって、まだまだ勉強中なんです」と苦笑しつつ明かす。

 ファッションについては、「もともとシンプルめが好きだったんですけど、最近はピンクの色の服を選んだり。あと、肩が出る洋服も多いです。いかり肩というか、肩が結構しっかりしているのを気にしていたんですけれど、逆に出しちゃえばいいんだ、と思って出すようになりました」と新たなテイストにも挑戦。また、最近気になるファッションは、髪の毛を結んだ際に結び目にスカーフを巻くスタイルで、「シンプルな無地のTシャツとかパンツの時に、ちょっとアクセントになったらいいなって。花柄のスカーフも夏にいいなと思います」と、ヘアアレンジに興味が向いているようだ。

 そんな小芝さんの現在のマイブームは「アクセサリー作り」。イヤリングなどを手作りするといい、「100均(100円均一ショップ)でいろいろなパーツを売っているので、そこで花柄のパーツを買ったりして、どういうのを作ろうって奮闘してます」と楽しそうに語った。

 ◇10年後の自分は…

 20歳になり女優業や女磨きに意欲的な小芝さんに、10年後、30歳の自分を想像してもらうと、「やっぱり女優は続けていたいなと思います。あと、『色気がある』って言われたことがないので、色気があるようになっていたら、うれしいな」と願望を語った。

 理想の女性像は「柔軟に人の話を聞ける女性」。現状はどうなのかと聞くと、「なるべく聞こうと頑張っているんですけれど、家族とかには気を許していて、私を知ってる人に対してはがんこになっちゃう。お母さんに何か指摘されても『でも』『だって』って言っちゃうんです」と苦笑しつつ、「いろんな人の意見を聞いて、自分の答えを出せるようになりたい。芯のしっかりした女性になりたいです」と前向きに語った。

 ドラマ「ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス」は、NHK総合で8月1日午後7時半に中国地方向けに放送、同5日午後3時5分に全国放送。

 <プロフィル>

 こしば・ふうか 1997年4月16日生まれ、大阪府出身。2011年に「イオン×オスカープロモーション ガールズオーディション」でグランプリを受賞。2012年にドラマ「息もできない夏」で武井咲さんの妹役を演じ、女優デビューを果たす。2014年の映画「魔女の宅急便」で主人公のキキ役に抜てきされる。その後も、ドラマや舞台、CMなどさまざまな分野で活躍。9月に開幕する舞台「オーランドー」にサーシャ姫役で出演予定。

写真を見る全 15 枚

テレビ 最新記事