ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
テレビアニメ「Infini-T Force(インフィニティ フォース)」(日本テレビ系、火曜深夜1時59分ほか)で、キャシャーン/東鉄也の声優を務める斉藤壮馬さん。キャシャーンを「自分のアイデンティティーを探し求めているキャラクター」と語る斉藤さんに、作品やヒーローへの思い、声優として大切にしていることなどを聞いた。
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「Infini-T Force」は、制作会社「タツノコプロ」が今年の創立55周年記念企画で制作した作品。同社の人気ヒーローのガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャシャーンが集結して悪に立ち向かう姿が描かれる。関智一さんがガッチャマン/鷲尾健、櫻井孝宏さんがテッカマン/南城二、鈴村健一さんがポリマー/鎧武士の声優を務める。
斉藤さん演じるキャシャーンは、1970年代に放送されたテレビアニメ「新造人間キャシャーン」の主人公。人類に反乱を起こしたロボット軍・アンドロ軍団と戦うため、自ら新型アンドロイド「新造人間」となった少年。「Infini-T Force」のヒーロー中、唯一人間ではない。斉藤さんは、「キャシャーンは『一体、自分のアイデンティティーはどこにあるのか』ということを戦いの中で探し求めていく人だと思います。どこか心に陰を抱えているというか、土台には『もう自分は人間じゃないんだ』というペシミズムみたいなものがあって、キャラクターとしては“悲しい運命萌(も)え”みたいな要素があるんじゃないか」と、その魅力を語る。
今回そんなキャシャーン/東鉄也を演じる上で、斉藤さんは「少年っぽさを意識した」という。鉄也は、他の3人と比べると若い見た目で、「無機質な感じを持たせつつも、どこか少年らしい可愛げをうまく演技にのせられるように心がけた」という。戦闘シーンでは「100%の力で叫び過ぎてキャラクターを外れてしまうのは違うだろうと思いましたし、そのバランス調整がけっこう難しかった」と苦労を明かした。
一人で戦ってきた鉄也が仲間に出会う場面。同じく一人でさまざまな世界を旅してきたテッカマンこと城二が「仲間と出会えたことは幸せだ」と語るシーンがある。斉藤さんは「さらっと言っているようで、重みがある言葉だと思いながら演じました。鉄也は3人の仲間をお兄さんのように感じているんじゃないか」と語る。
ほか3人のキャラクターについて聞くと、「一番の萌えキャラは健(ガッチャマン)ですよね」と笑顔を見せた斉藤さん。城二(テッカマン)や武士(ポリマー)が現代になじんでいるのに対し、スマートフォンやキッチンのIHクッキングヒーターに戸惑う健を「科学忍者隊なのにIH知らんのかい、みたいな(笑い)。それが可愛くて。でも、いざというときに健が『大丈夫だ』と言ってくれると心強い。一般市民として助けてほしいと思うのは、やっぱりガッチャマンですね」と話す。
城二は「『教授』と呼ばれていますけど、すべての説明を一身に担っている。でも、ただのやさ男ではなくて、テッカマンはめっちゃ強いので、バトルでも頼りになる」、武士は「みんなのムードメーカーで、お調子者のようでいて一番大人。僕はオーディションで武士役も受けたんですけど、鈴村さんに決まったと聞いて『なるほど、そうだよな』と思いました」と、それぞれのキャラに思い入れがあるようだ。
斉藤さんは、どのキャラクターにもリアルタイムでは触れてきてはいないが、アフレコ現場で声優の先輩たちにヒーローについて教えてもらったという。「例えば、『ポリマーって、どうして戦闘シーンがカンフーっぽいんですか』と聞いたら、『これは当時、ブルース・リーの映画のヒットがあって……』みたいな。皆さん、世代でヒーローアニメを見ていらっしゃって、ヒーローが大好きなんです。こんなことを先輩に言っていいのか分からないんですけど、ヒーローを語るときは、皆さん、すごく目がキラキラしてるなって。それを聞いてると、こっちもワクワクしてくる。そんな現場でしたね」と明かした。
斉藤さんに子供の頃に憧れたヒーローを聞くと、「昔から正義のヒーローに憧れるというよりは、敵の怪獣に憧れを持った」という答えが返ってきた。「すごくドラマを背負わされている敵とかいるじゃないですか。そういうキャラに昔から心引かれるものがある。だから、戦隊ものなら、敵か味方か分からないようなところがあるブラックが一番好きでした」と語る。
本作の中でも、敵キャラクターとして登場するダミアン・グレイが好きという。平川大輔さんが声優を務めるダミアンは中性的で異彩を放つキャラクター。「ずっとこういうアクの強いキャラをやりたいと思っていて、ダミアンのオーディションも受けたんですけど、平川さんと聞いてすごく納得しました。ダミアンは本音を見せないキャラで、こういう立ち位置のキャラはずっと好きなんだろうな」と話す。
加えて、同じく敵キャラでセクシーな雰囲気のあるベル・リンにも触れ、「ベル・リンさん、可愛い……。『これ、キッズに見せていいんですか』って思いました。僕がキッズだったら、将来の好きなタイプが絶対こういう感じになっちゃう」と笑みをこぼす。斉藤さんは、本作以外でも「これまで多くの女性キャラに心を奪われてきた」という。「なかでも、『名探偵コナン』の灰原哀ちゃんや『鋼の錬金術師』のリザ・ホークアイ少尉が好きです。ああいう女性に手玉に取られたいんですよね。僕は、性格的に(『鋼の錬金術師』の)マスタング大佐みたいなところがあって、しっかり手綱を握ってくれる人が、女性としてもキャラとしても好きですね」と、明かした。
ヒーローに憧れる子供たちに向けて斉藤さんは「自分が絶対に貫くと決めた思いを疑わずにいることの大切さを、作品から感じてほしい」という。「僕だって、一生声優の道で行くんだと思ってこの道に入ったけど、やっぱり楽しいことばかりではなくて、うまくいかないこともあります。それでもやり続けるんだと。それはある意味、意地なのかもしれないんです」と自身の声優への思いも語る。
「信念を貫き通す意地は、誰かにからかわれたりバカにされたりすることでは絶対にない。結局、最後は続けたもの勝ちだなと思う。もし、今やりたいことや悩んでいることがあったら、貫き通してみる選択肢もあることを知ってほしい。この作品は、ヒーローたちの信念のぶつかり合いが、ストーリーの鍵になっているんです」と、熱く語った。
そんな斉藤さんが、声優をやる上で大切にしている信念は「自分が楽をしないこと」。「自分の楽なリズムでしゃべったり、自分の思うままに演じたりするのではなくて、鉄也を演じるのであれば、その時にどんな思考をして、どんなせりふが出てくるのかが大事なのかなと思っています」と話す。自身について「すごく逃げ癖がある」といい、だからこそ「自分の楽な方に逃げずに、キャラクターにしっかり寄り添っていきたい」
<プロフィル>
さいとう・そうま。山梨県出身。2015年に第9回声優アワードで新人男優賞を受賞。「残響のテロル」のツエルブ/久見冬二役、「キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series」のエルメス役、「活撃 刀剣乱舞」の鶴丸国永役などを演じている。
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