女優の蒼井優さんが8日、新国立劇場(東京都渋谷区)で行われた主演舞台「アンチゴーヌ」初日前会見に、共演の生瀬勝久さんとともに登場。蒼井さんは生瀬さん演出の舞台に出演したことはあるものの、役者としての舞台共演は今回が初めてだといい、アンチゴーヌ役の蒼井さんは「舞台上ではすごすぎて、のみ込まれそうになるんですけれど、生瀬さんのお芝居にうっとりしてしまわないように思いっきりぶつかっていきたい」と意気込みを語った。
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舞台はフランスの劇作家ジャン・アヌイの代表的悲劇作品「アンチゴーヌ」を演出家・栗山民也さんが演出。アンチゴーヌ(蒼井さん)は、反逆者として野ざらしにされていた兄の遺体に弔いの土をかけたことで捕えられてしまう。王クレオン(生瀬さん)は一人息子エモンの婚約者である彼女の命を助けるため、土をかけた事実をもみ消す代わりに、遺体を弔うことを止めさせようとするが、アンチゴーヌは「誰のためでもなく、自分のために」と、兄を弔うことを止めず、自分を死刑にするようクレオンに迫る……というストーリー。9~27日に同劇場の小劇場で上演される。
今作は客席の中央に十字に設置された特設のステージで上演され、観客が役者陣を取り囲む形になっている。蒼井さんは「今までで一番お客さんと近い。客席に降りることも多々ある」と説明した。冒頭から全てのストーリーを明かしてしまう演出だといい、生瀬さんは「『古畑任三郎』みたいだよね。最初に誰が死ぬとか、結末まで全部話しちゃう。あとの2時間どうするんだ。それでも面白いんだよね」と魅力を語った。
蒼井さんは、生瀬さんとの舞台共演について「役者でありながら、演出助手のようなこともしてくださった」と感謝。アンチゴーヌと対立するクレオン役の生瀬勝久さんは「力だけではどうにもならない、通り抜けちゃうような、自分の技がかからない女優さん。存在感がすごい。素晴らしいですね」と蒼井さんを絶賛した。見どころを聞かれると、蒼井さんは「劇中で、生瀬さんと二人だけのシーンが45分間ある。あそこは頑張りたい」とにっこり。
生瀬さんは「僕は基本コメディーに出るイメージですが、今回は一切笑いを起こすことがない役。世間の方は『できるのか?』って思ってらっしゃると思いますが、できるんですよ!」と自信たっぷりで、「蒼井優さんと二人で、この舞台を演劇史に残るものにする自信はあります。見なきゃだめですよ!」とアピールしていた。