俳優のヒュー・ジャックマンさん主演のミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」(マイケル・グレイシー監督)が16日に公開された。PRのために、ジャックマンさんと、共演のキアラ・セトルさんが来日、14日に東京都内で会見を行った。午前中に行われた会見は、ジャックマンさんの「おはようございます」という日本語のあいさつで始まった。
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映画は、19世紀半ばの米国で差別や偏見の中で生きていたエンターテイナーたちに活躍できる場を提供し、画期的なショーを作り出した実在の興行師P.T.バーナムの半生を描いている。ジャックマンさんがバーナムに扮(ふん)し、バーナムがスカウトするパフォーマーの一人、レティ・ルッツをセトルさんが演じている。ほかに、「ヘアスプレー」(2007年)などで知られるザック・エフロンさんが、バーナムの相棒フィリップ・カーライル役で出演。会見の内容は以下の通り。
――ごあいさつをお願いします。
ジャックマンさん:おはようございます。日本には、ミュージカル好きの方が多い。7年かけて、心を込めて作った作品です。この作品には素晴らしい音楽があります。人生を肯定している映画です。ぜひ、日本の方々にも楽しんでいただきたいです。
セトルさん:日本に来られて光栄ですし、うれしく思っています。私がこんなことになったのは、この隣に座る紳士のせいです(笑い)。同時に感謝しています。この映画の物語と音楽は、個人であれ、集団であれ、「我々は誰なのか」ということを語っています。その意味で、まさに人生を祝福する映画だと思います。この映画は、現代のみならず、時間を超えた普遍的なものに触れています。楽しんでいただければと思いますし、この映画に出られてとてもありがたく思っています。
――公開前から楽曲「This Is Me(これが私)」が話題になっており、日本の高校生のダンスグループが、その楽曲に合わせてオリジナルの振り付けでダンスを踊っています。それについて何かコメントをいただけますか。
セトルさん:あの(プロモーション)ビデオを最初に見たのは私です。すぐにSNSに流したいと思いましたが、その前にもう一度きちんと見ようと、3、4回じっくり見て、素晴らしさを堪能しました。そのあとヒューに見せ、彼も「すごい」と感心し、プロデューサーたちも見て、みんなで涙しました。そして、やっぱりSNSに流したいと思い、流しました。本当に素晴らしいビデオです。私にもインスピレーションを与えてくれました。実は、プレミアの初日(13日夜のレッドカーペットイベント)に、彼女たちにも来てもらいたかったのですが、学校があるということで、それはかないませんでした。でも、彼女たちのダンスは、本当に私たちの人生を変えるほどの素晴らしいものでした。
ジャックマンさん:昨夜、(大阪府立登美丘高等学校の)ダンス部員は来られませんでしたが、作った方(コーチのakaneさん)はいらしていて、お礼を言うことができました。この映画が(米国をはじめとする海外で)公開されて6週間がたちますが、いろんなバージョンのダンスや歌のビデオがファンから送られてきています。それは、いろんな国の多くの人たちの心をつかんだ表れだと思います。その中でも特に、登美丘高校のダンスナンバーのビデオは素晴らしかったです。
――ザック・エフロンさんとは、この作品のあともミュージカルを見に行くなど仲よくなったそうですが、今回の共演で「ザックは俺の後継者になる」みたいなことを考えますか。
ジャックマンさん:ザック・エフロンは、(自身が演じたX-メンの)ウルヴァリン役も継いでくれるだろう(笑い)。
ザック・エフロンとは親友になりました。もちろん、キアラとも親友になりましたが、そもそもこの映画の出演者とは、10週間のリハーサルの中で、ほかの映画では得られないような、家族のような深い関係になれたと思います。実は、4年前、最初に話を持っていったのがザックでした。彼はすぐに返事をくれ、(契約に)サインし、私たちを信じてくれました。
私たちは、四つのワークショップを行いました。そのすべてにキアラが参加していたし、やはりワークショップに参加していた何人かは、実際に映画に出ています。そういう過程を経ていたので、最初の撮影日には、すでにみんなが家族のような関係になっていました。ですから今思い返すと、一層懐かしい思い出があるし、映画の成功をみんなと共有している感覚がとても強いです。
<ヒュー・ジャックマンさんのプロフィル>
1968年生まれ。豪シドニー出身。「X-メン」(2000年)のウルヴァリン役で人気スターとしての地位を獲得。それに続く「X-MEN」シリーズ(03、06、09、11、13、14、16年)、さらに「LOGAN/ローガン」(17年)に出演。ほかに、「オーストラリア」(08年)、「リアル・スティール」(11年)、「レ・ミゼラブル」(12年)、「プリズナーズ」(13年)、「PAN~ネバーランド、夢のはじまり~」(15年)などがある。2004年、ブロードウェーミュージカル「ザ・ボーイ・フロム・オズ」でトニー賞ミュージカル部門最優秀男優賞を獲得。12年には長年の功績を評価され特別賞を贈られた。
<キアラ・セトルさんのプロフィル>
1975年生まれ。米ハワイ出身。2011年に「プリシラ」のミュージカル版でデビューし、以来ブロードウェーミュージカルで活躍している。14年には1年間「レ・ミゼラブル」のリバイバル公演にマダム・テナルディエ役で出演。16年開幕のミュージカル版「ウエートレス~おいしい人生のつくりかた」ではウェイトレスのベッキーを演じた。映画は「幸せをつかむ歌」(15年)に続いて今作が2作目。
(取材・文・撮影:りんたいこ/フリーライター)
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