女優の真野恵里菜さんが主演し、野島伸司さんが脚本を手がけたドラマ「彼氏をローンで買いました」が、映像配信サービス「dTV」で配信中だ。エリート彼氏と結婚をして専業主婦になるという夢を持つ受付嬢の主人公が、猫をかぶりながら奮闘するも、毎日たまっていくストレス発散のためにローンで彼氏を“購入”する……というストーリー。真野さん演じる浮島多恵が購入するローン彼氏・刹那ジュン役の横浜流星さんに、話を聞いた。
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今作の印象を「めちゃくちゃ攻めている」という横浜さんは、オファーが来たとき、「今の時代、ここまで攻めているのはないと思うし、すごく面白そうな作品で、早く台本を読みたいという気持ちでいっぱいでした」と振り返る。
脚本を担当した野島さんについて、「以前、舞台で主演をさせてもらったとき、(いしだ)壱成さんも出ていて、そのご縁で『未成年』を見てみたら、すごいドラマだな、と」と感じ、「そこで今回の脚本家の野島さんの経歴に『未成年』があって、あのドラマを書いていた人なんだと思いました。だからパンチの利いたドラマを書くわけだと思いました(笑い)」と納得したという。
エッジの効いたせりふが数多く出てくるが、「『墓場まで猫かぶる』とか『猫かぶって何が悪い』とか、開き直りすぎでしょう」と笑いつつ、「猫かぶっても全然いいんですけど、それをドラマで堂々と話しちゃっているので、女性はこんなことを考えているんだとちょっと怖いなって思いますが、勉強にもなります!」とちゃめっ気たっぷりに話す。
自身が演じるジュンは「最初のイメージは、ダメでクズな男」と横浜さんは言い、「お調子者で今どきの男の子ですけど、スポンジみたいな柔軟性のある男だなと」と演じていくうちに印象が変わっていったことを明かす。
その理由を、「ローンで買われて借金を肩代わりしてもらっているのもありますけど、(多恵の)ストレスを受け止めて受け入れてあげるし、多恵が落ち込んだときはちゃんとなぐさめてあげる」と説明し、「ストレートに言うよりは嫌みがない感じでなぐさめてあげるけど、だめなことはだめだと言ってあげられる。なんだかんだやっていくうちに、人間としては悪いやつではないのかなと」感じたという。
ただ、ジュンを演じる中でのぞかせる“悪い顔”については、「こんな顔してるんだって、なんか恥ずかしくなります」と話す。そんなジュンの言動には「共感はできないけど、理解はできます」と言い、「ジュンはその日が楽しければいいという男なので。僕の学生時代だったら共感できていたかもしれません(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語る。
共感こそできないが、「ときどきズバッと考えさせられるようなことも言うので、ジュンの頭の中ってどうなっているんだろうって思うし、不思議な男です」と役のイメージを語る。
ドラマには猫をかぶった女性が登場するが、横浜さんは「僕は(猫をかぶっていても)全然いいです」と言い、「ちょっと可愛く見せてくれる程度ならいいですし、いきなり本性を出せる人ってあまりいないと思うので。接していくうちに少しずつ本性を見せてくれるんだったら(猫をかぶっていても)全然いいです」と理由を説明する。
自身の“猫かぶり度”については、「(本性を)隠しているタイプかもしれない」と自己分析。「最初は優しそうとか思われるんですけど、そんなことはないって思われることが多く、がっかりタイプ(笑い)。不器用だからうまく優しくできないんです」と自虐的に語る。
タイプの違う女性キャラクターの中では「多恵が一番いい」と言い、「(久松郁実さん演じる)由愛はぶりっこですし、(小野ゆり子さん演じる)ひよりは大人っぽい感じなのでちょっと……。僕は同じ年なのにちょっと大人っぽさを出そうとしている子が苦手で、同じ年なのに何を言っているんだろうって思っちゃいます」と持論を述べる。
横浜さん自身がすてきだなと思う女性は「悪いわけではないんですけど、自分がちゃんと話しているときに『それな』みたいな感じで言われると、流されている感じがあるんです。本当に悪くはないんですけど、一生懸命話しているのに、なんでそんなに流されるのかなって……」としみじみと語る。
極端な設定のラブストーリーである今作を「衝撃的。こんな非現実的なストーリーだけど、どこかリアリティーを感じるのが怖い。でも面白い」と横浜さんは自信をのぞかせる。「ラストは視聴者の方が思っている通りにはいかないと思います。そっちを選んだかってなるのでは」と紹介し、「ただ納得はできると思います」とクライマックスの見どころを語る。
自身が演じるジュンの見どころは「人柄」と言い、「ストーリーが進んでいく中、ジュンも多恵と接していくうちに変わっていく部分がある。なんだかんだ悪い男じゃないし、いいやつなので、そういうジュンの人柄は見ていただきたい」とメッセージを送る。
ドラマではローンで彼氏を買うが、反対に「ローン彼女」が現実にあった場合、「魅力的ですけど、ちょっと怖い……」と率直な思いを口にし、「あまり家に他人を入れたくないので、僕は利用しないと思います」ときっぱり。
2018年は映画単独初主演作の「兄友」のほか、「虹色デイズ」の公開も控えている。忙しい日々を送る横浜さんだが、環境の変化は「まだ何も」とあまり感じていない様子で、「帽子とマスクぐらいで電車に乗って買い物とかにも行きますけど、(周りに気づかれなくて)まだまだみんな知らないのかなって。もっと知ってもらわないといけないので、頑張ります!」と笑顔で語った。
(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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