のみとり侍:30年前から「阿部寛しかいない」と鶴橋監督 「北の国から」杉田成道さんと映画談議

映画「のみとり侍」主演の阿部寛さん(左)と鶴橋康夫監督 (C)2018「のみとり侍」
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映画「のみとり侍」主演の阿部寛さん(左)と鶴橋康夫監督 (C)2018「のみとり侍」

 俳優の阿部寛さんの主演映画「のみとり侍」(鶴橋康夫監督)が18日に公開される。これに合わせて、鶴橋監督が、ドラマ「北の国から」の演出で知られる杉田成道・日本映画放送社長と特別対談を行い、18日付毎日新聞朝刊に掲載された。40年来の親交があるという2人の“映像の巨匠”が今作について語り合い、鶴橋監督は30年前に阿部さんと会ってから、主人公・寛之進役は「阿部寛さんしかいないと思った」と明かした。

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 鶴橋監督は読売テレビで数々のドラマの演出を手がけ、「愛の流刑地」(2007年)や「後妻業の女」(16年)など映画監督としても活躍。杉田さんもフジテレビで「北の国から」を演出、その後「優駿ORACION」(1988年)や「最後の忠臣蔵」(2010年)などの映画を監督している。2人は同じドラマ演出家として40年近い付き合いがあるという。

 対談で鶴橋監督は、小松重男さんの原作を読んだ30年前に、ちょうど阿部さんと知り合い、「寛之進役は阿部寛さんしかないと思った。同じ大学(中央大学)ということもあり、いとおしく思っていたんだけど、男の盛りの一番いいときに、この作品を撮りたかった」と語る。

 杉田さんは、映画を見て「亡くなった伊丹十三さんの映画が頭に浮かびました。伊丹作品のような大人の洞察力、一ひねりした見方、インテリの持つ深み、人間存在の本質的な何かを感じさせる作品だと」と絶賛。また、時代劇の表現方法が変わってきているといい、「『のみとり侍』を撮られたことは時代劇映画にとっても非常に意義がある」とも語る。

 映画は、越後長岡藩士の小林寛之進(阿部さん)が、ひょんなことで藩主(松重豊さん)の機嫌を損ね、猫の「のみとり」をしろと命じられる。「のみとり」とは表向きは飼い猫ののみを取る商売だが、実は「女性に愛を届ける」裏稼業だった……という時代劇コメディー。寺島しのぶさん、豊川悦司さん、大竹しのぶさん、桂文枝さんらも出演している。

 対談の模様は19日午後11時から、日本映画専門チャンネルや時代劇専門チャンネルで放送される。また、両チャンネルでは同日から「24時間まるごと映画『のみとり侍』公開連動企画」を放送。映画を紹介する特別番組や鶴橋監督の映画「後妻業の女」(20日午後9時)を放送するほか、「映像の魔術師 鶴橋康夫監督傑作選」として明石家さんまさん主演の「さんまの『俺は裸だ』」や役所広司さん主演の「刑事たちの夏」などの代表作を一挙放送。映画の舞台となった老中・田沼意次の治世の江戸を描いたドラマ「剣客商売」などを紹介する特集「田沼意次とその時代」も放送される。

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