俳優の井浦新さんが20日、東京都内で行われた映画「止められるか、俺たちを」(10月13日公開、白石和彌監督)の完成披露上映会に登場。白石監督が、2012年に死去した師匠の故・若松孝二監督を題材に描いた同作で、若き日の若松監督役を演じた井浦さんは「晩年声をかけていただいて、僕にとっては恩師でありますし、映画の世界で父親みたいな存在」といい、「演じさせていただくのは厄介な作業でした」と苦労を語った。
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「止められるか、俺たちを」は、1969年に若松プロダクションの門をたたいた助監督・吉積めぐみ(門脇麦さん)の目線から、映画人たちの生きざまを描く青春群像劇。若松監督の作品に出演した経験のある井浦さんが、若き日の若松孝二役を務めたほか、若松プロのメンバーである実在の映画人たちも、多数登場する。この日は、井浦さんのほか、門脇さん、白石監督も出席した。
井浦さんは、クランクインの2週間前に、生前の若松監督をよく知る足立正生監督、秋山道男助監督、小水一男助監督らに「『変なもの撮ったら承知しないぞ』とか『お前に若ちゃんがやれるわけない』と言われた」と明かし、「そのとき『ものまねなんか絶対しませんからね!』と言って、100%ものまねしていきました!」と笑顔。「(ものまねは)先輩方への最大のギャグでもある。真剣に取り組むなんて当たり前の作業、ただただ真面目にやったらダメだなと思った。最大の愛情を持って、先輩方を笑わせるテンションでものまねした。僕があっちへ行ったときに、若松監督から笑いながら『ばかたれ!』と怒ってもらうために、最大限のギャグで感謝を返しました」と、演技のこだわりを語った。
白石監督は「企画としては禁断の企画でしたが、吉積めぐみさんという大先輩の存在に気づいて、いても立ってもいられなかった。これほどの衝動を持って撮った映画はない」と熱い思いを語った。「若松監督に会ったことはない」という門脇さんは「だからこそ言える。今から見ると、暑苦しかったり泥臭かったりするかもしれないけれど、必死にもがきながら生きることってかっこいい。これぞ青春キラキラ映画!」と明るくPRして、会場の笑いを誘っていた。
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