新木優子:20代で少女マンガのヒロイン「うれしかった」

映画「あのコの、トリコ。」にヒロイン役で出演している新木優子さん
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映画「あのコの、トリコ。」にヒロイン役で出演している新木優子さん

 女優の新木優子さんが、5日に公開された映画「あのコの、トリコ。」(宮脇亮監督)でヒロインを演じている。映画は、少女マンガ誌「Sho-Comi」(小学館)で白石ユキさんが連載していた人気マンガが原作で、コミックスの累計発行部数100万部(電子ダウンロード含む)を突破している。主人公の頼(より)を吉沢亮さん、頼が幼い頃から思いを寄せる雫を新木さん、頼のライバルで超人気イケメン俳優・昴役を杉野遥亮さんが演じ、恋と夢を追いかける幼なじみの三角関係が描かれる。「ずっとやってみたいと思っていた少女マンガが原作のお話をいただけたことがうれしかった」と喜ぶ新木さんに、撮影秘話や「子供のころから夢だった」という女優の仕事について聞いた。

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 「あのコの、トリコ。」は、頼が東京の芸能コースがある高校に転入し、幼いころから好きだった雫と再会。女優という夢に向かって真っすぐに頑張る雫に改めて恋をした頼は、彼女の付き人として現場に同行するようになる。ある日、ランジェリーの広告撮影で昴があるアクシデントで帰ってしまい、降板させられそうになる雫。そこで頼は、昴の代役を引き受けることに。この広告が話題となり、頼と雫、昴の未来を大きく変えていく……というストーリー。

 ◇一番はまったマンガは… 撮影現場でもマンガの話で盛り上がる

 新木さんは、今作の出演オファーを聞いて、「少女マンガのお話は撮影時23歳だったので、もう無理だと思っていたので、この役がいただけたことがすごくうれしかったです」と喜んだ。原作を読んで「少女マンガ原作をやらせていただけるというだけでもうれしいのに、中でも、キャラクター全員がキラキラしているのがいいなと思いました。それに、雫はしっかり夢を持っていて、他のみんなもそれぞれ無我夢中で夢をつかもうとしている姿は、原作マンガを読ませていただいて、私自身、胸を打たれた部分だったので、とてもすてきな作品に出させていただけるんだな、とうれしかったですね」と顔をほころばせる。

 新木さん自身、マンガは「学生時代は特によく読みました。一番はまったのは『カードキャプターさくら』(CLAMP、講談社)。アニメも見ていました。あとは『おもいで金平糖』(持田あきさん、集英社)という作品があって、それは今でもふと思い出したりします。金平糖を食べると時間が戻る、そういうお話です」と明かす。

 今作の撮影現場でも、吉沢さんとマンガの話で盛り上がったといい、「私は最近、サッカーのマンガで『アオアシ』(小林有吾さん、小学館)にすごくハマってるんですけど、吉沢さんも同じ作品を読まれていて、一緒の撮影のときに横でサッカーをやっていたんです。で、私が『アオアシ』を読んでいるからそれを思い出しながら見ていたら、『アオアシ』の話に偶然なって、『面白いよね』って話をしたり。あとは『休日何してるの?』とか。本当に他愛のない話をしていましたね」と振り返る。

 また「普段の自分と今回の役が重なるかという話もしました。吉沢さんは、結構インドア派だから(頼と)結構重なるということを言っていました」と親交を深めたという。

 ◇奇跡が重なった瞬間に恋に落ちる…

 新木さん演じる雫がウエディングドレスを着るシーンがあるが、「コルセットを締めたりして、結構、圧迫感のある衣装でした。それを何時間か、かなり長い時間着ていなければいけなかったので、大変だったなと思います」と苦労を語る。

 撮影中の雫が、ドレス姿で2、3メートルの高さから落ちるシーンが登場するが、このときはワイヤでつるされながら演じた。新木さんは「意外と大丈夫でした。少し前にコマーシャルの撮影でワイヤでつるされたことがあって、その経験もあったのでなんとなく感覚がつかめていたというか。体のバランスの取り方も覚えていて、スムーズにできました」と笑顔で振り返る。

 映画では登場人物が恋に落ちる瞬間が印象的に描かれている。新木さんは恋に落ちる瞬間について「映画のようにあんなに印象的な感じじゃなくて、本当にささいな瞬間なんじゃないかな。なかなか人生ではないと思いますけど(笑い)。自分が消しゴムを忘れたけれど、誰にも言えなくて……というときに隣の席の男の子がさっと貸してくれるとか。そういうさりげない優しさだったり。あと私のことが気になっているらしいよ、というのを人づてに聞いて、そこから気になってしまったり。本当にささいなことで……」と思いをはせる。

 続けて「『あのコの、トリコ。』の中の3人は高校生ですけど、高校生のときは特にささいなことで人を好きになる瞬間ってたくさんあると思います。どんな優しさが自分が一番好きと思える優しさかとか、人それぞれあるし、タイミングもあると思いますし。いろんなことが奇跡的に重なった瞬間に恋に落ちるんじゃないかな」と推測する。

 ◇夢だった女優の仕事「天職といえるように頑張りたい」

 映画を楽しみにしている人に向けて、「マンガの世界観を映像にするために私自身、パワフルにエネルギーを注いで頑張ったので、ぜひ雫のキラキラしたところを見てほしいです。あと、夢に向かって一生懸命に進む3人の姿を見て、迷いを抱えている人たちの背中を押す作品になっていると思うので、悩んでいることがあったり、一歩進めないなと思っている方、特に学生さんにぜひ見ていただきたいなと思います。また、女子は男子2人のやりとりにキュンキュンする部分があると思うので、そういった自分の好きなポイントを探しながら楽しんでいただければうれしいです」とメッセージを送った。

 ちなみに新木さんの小さいころの夢は「物心ついたときから『女優さんになる』って卒業アルバムに書いたりしているくらいでした。だから今は夢がかなっているのかなって……」と明かす。今の夢は「今までお世話になった人、学生時代に仕事と学生生活を両立する上で、多くの友達に支えてもらったという思いが強いので、その友達を全員連れて旅行に行きたいですね」と語った。

 「夢だった」という女優の仕事は「一度このお仕事を経験させていただいているからかもしれないですけど、自分がこの職業以外の仕事に就いていたとしたら、物足りなさを感じてしまうかもしれないですね」と語る。そして「私自身、いろんなことを経験するのが好きなので、役の上で、最近だと刑事、医者、ハッカー、100億円の資産を持ったお嬢様だったり、本当にいろんな役に出合わせていただいて、その役を通して、いろんな人の性格や人生を生きることができる。これは、このお仕事でしか経験できないことだなと思います。これからも天職って言えるように、自分自身頑張っていかなきゃいけないなと思います。今は、夢の続きというか、すごく楽しんでやれています」と目を輝かせた。

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