JUJU:デビュー15周年を振り返る 「奇跡を望むなら…」が転機に

デビュー15周年を振り返ったJUJUさん
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デビュー15周年を振り返ったJUJUさん

 今年デビュー15周年を迎えた歌手のJUJUさんが、4~8月に全国ホールツアー「JUJU HALL TOUR 2018 2018 『I』」を開催。締めくくりとなる追加公演「-15th ANNIVERSARY- JUJU TOUR 2018 2018 『I』 at 日本武道館」を10月10日に開催するなど、2018年はライブ尽くしの1年となった。「ツアーが好き」というJUJUさんに、これまでを振り返り、歌に込めた思いを聞いた。

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 ◇ツアーをやるほど元気に

 今年は4月から47公演というハードなツアー行ったJUJUさんだが「むちゃくちゃ楽しかった。私はツアーが終わると“ツアーロス”に陥るんです。スタッフも同じメンバーが多いので家族旅行をしているようなもの。あっという間に10月の公演が終わってしまった。可能なら(ツアーの始まる)4月に戻りたい」と笑顔で語る。

 「公演は47本で、10本目の時は『まだ30本以上ある』と思えるのですが、半分まで来るとすごい早さで終わるんですよ。残り10本になると寂しくなり、ホール最終日の打ち上げではスタッフが号泣。ホールのあとに大阪城ホール(のライブ)が1カ月後に控えているのも分かっていて泣くのですから……。後から考えると恥ずかしいです(笑い)」と話す。

 JUJUさんは「私はだいたいツアーをやればやるほど元気になる。本番の後のほうが体調も良くなる気がするんです。見に来てくださる方に救われていて、その姿を見るためにライブをやっています。私の音楽を聴いてくださる方とお会いして、“受け渡し合い”ができるのがライブの魅力」と語る。「生き急いでいるのか謎なのですが、音源をリリースすればツアーにも出られるチャンスが増える。だからリリースをたくさんしているような気がします」と説明。だが、「ステージの上で歌うのは気持ち良くない」とも言う。

 どういうことなのか。JUJUさんは「私の歌は、見にいらしている皆様に届けることが大前提で、自分で気持ち良く歌っても、すぐ『ダメ』と思って2秒ぐらいで(意識を)引き戻す感じ。気持ち良くはないけれど、もちろん楽しい」と話す。

 その理由を詳しく聞くと「私はシンガー・ソングライターではなく、あくまで歌い手であり、歌というストーリーを観客に届ける“語り部”であることを目標として掲げています。個々の主人公に寄り添うためには、自分の“時間”で歌わないというのがあります」とのこと。理想は「曲は私が歌っているけれど、聴いた人自身が歌っている感覚に陥っていただきたい、というのがありますね」と話す。

 ◇「奇跡を望むなら…」 バラードで変わったファンの反応

 15年を振り返ってもらうと、JUJUさんは「あっという間ですが、全く順風満帆ではなかったですね。特に3年目ぐらいまでは“首の皮1枚”の状態でしたから」と苦笑い。印象に残っているのは、大ヒットした3枚目のシングル「奇跡を望むなら…」。そこで考え方が変わったという。

 同曲がダメなら契約終了と感じていたJUJUさんは「当時『私がバラードを歌うのか』と思いました。私はクラブミュージックからスタートし、最後の曲がバラードかもしれないことに疑念があった。でも後悔するのが嫌なので、誠心誠意150%、200%で(曲に)向き合ったら、ファンから『癒やされた』『元気が出ました』という、今までになかったお便りをいただいたのです」とうれしそうに話した。

 JUJUさんは「自分の歌を誰かが聴いてくれるのは、それだけで幸せなこと。最初から『バラードは自分っぽくない』と勝手に決めつけるのは愚の骨頂で、みんなが聞きたいものを歌いたい。そこで私の考えは変わったんです」としみじみ語った。

 ◇吉田羊とのコラボ 平井堅との出会いも

 10月の武道館公演の2日目には、女優の吉田羊さんがスペシャルゲストとして登場し、デュエットで「かわいそうだよね with HITSUJI」を披露した。吉田さんにオファーした理由についてJUJUさんは、吉田さんの歌のうまさにほれこみ「この人と何かできたらいいなと思っていた」と明かす。

 その後、JUJUさんは「やさぐれていたときに平井堅さんと会って『それを出す方がいい』と言われたんです」という。「誰がその曲を書くんですか?」とJUJUさんが尋ねると、平井さんが「俺が書こうか」と。そして名曲が生まれた。正式に依頼した日から、デモ音源が届くまでの速さにも驚いたという。「一人で歌うよりも羊さんと歌うほうがこの楽曲のリアリティーが増すと思ったので打診したところ、快諾していただけた」と明かす。

 ◇好きな作家が続々と

 JUJUさんは読書家でもある。詩集や洋書、小説と何でも読み、駅前の本屋にぶらりと立ち寄ることもあるという。好きな作家を聞くと、「原宏一さん、小路幸也さん、高田郁さん、浅田次郎さん、吉田修一さん……」と次々と作家名が挙がる。

 中でも大好きな一冊は?と聞くと「『やまのこどもたち』という絵本です。大人になってからも買い直しています。何だかほっこりするんです」と笑顔を見せていた。

 最後に10年後どうなっていると思うか、と想像してもらうと「ライブをやっていたい。今のチームで変わることなく、1日でも長く歌い続けられたら」と思いをはせていた。

 *「-15th ANNIVERSARY- JUJU TOUR 2018『I』 at 日本武道館」(10月10日開催)の様子は、12月23日午後9時半からWOWOWライブで放送される。また、ファンからのリクエストを元に曲を披露する番組「JUJU SUPER LIVE 2014 -ジュジュ苑 10th Anniversary Special-」が22日午後6時45分からWOWOWプライムで無料放送される。

 <プロフィル>

 ジュジュ 12歳ごろからジャズシンガーを志し、18歳で単身渡米。2004年にメジャーデビュー。3枚目のシングル「奇跡を望むなら…」(06年11月発売)で注目を浴びる。4月から2年ぶりの全国ホールツアー「JUJU HALL TOUR 2018 『I』」を開催した。そして19年6月から全国ホールツアー「-15th ANNIVERSARY- JUJU HALL TOUR 2019『YOUR REQUEST』」を開催。ファンからのリクエストを募り、「あなたと作る究極のリクエストライブ」をテーマに繰り広げる。

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