呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変
第36話「鈍刀」
11月14日(木)放送分
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の最終第7章「新星篇」が1日、上映された。2017年2月の第1章「嚆矢篇」公開から約2年を経ての最終章。クラウス・キーマン役の神谷浩史さんに、アフレコを終えた心境を聞いた。
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――いよいよ最終章ですが、アフレコを終えた感想は?
約2年かかってようやく全てのアフレコが終了しました。全26話構成なので、およそ1カ月に1本のペースで収録していたことになりますが、そのような長期間にわたる関わり方をさせていただいた作品は今回が初めてでした。無事に最終話までたどり着けた時に、メインキャストの方々はこんなに長い旅を2回も経験していたんだなということに思い至り、改めて本当に頭が下がる思いでした。
――第7章の変化するキーマンを、どのようなアプローチで見せていこうと考えていましたか?
自分からアプローチを変えようと思ったことはないです。(シリーズ構成の)福井(晴敏)さんから教えていただいた情報によってできたベースからしか考え方は発展していかないので、急に全く新しいアプローチを発想することには至らなかったですね。今までは、自分がやらなければならない使命がまずあって、そこに置かれた状況があって、その使命を全うするためにはどういうアプローチをしなければならないのかという一つの考え方しかありませんでした。その使命を全うした後は、彼の判断に委ねられるので、例えば第5章でキーマンが古代に銃を突き付けた時は、羽原(信義)監督と福井さんに、この後どうなるのかを聞いて確認するというようなやり取りはありました。
自分の中で想像できる範囲のことを取り立てて質問することはないんですけど、答えが分からないことに関しては自分が思い違いをしていると演出とかけ離れた音しか出てこないので、その都度お伺いしていました。答えを持っている方(福井さん)がいつも変なTシャツを着て後ろにいらっしゃるので(笑い)、すごく安心感がありました。
――収録時の印象に残っているエピソードを教えてください。
これだけのベテランの方々とご一緒できる作品はなかなかないので、収録は毎回楽しかったです。石塚運昇さんとは(2018年)2月の収録でお会いしたのが最後でした、その後は忙しい方だから抜き録り(一人での収録)なのかなと思っていたので、まさかあんなこと(18年8月に逝去)になるとは思ってもいませんでした。最後の収録の時も、収録の直前までロビーで楽しそうに(大塚)芳忠さんと運昇さんが話していたので「何話していたんですか?」と聞いたら、「健康の話題は尽きないね」とおっしゃられていたので、まさか健康を損ねていらっしゃるとはこれっぽっちも思いませんでした。ご自身の体調のことをみじんも感じさせないあのお姿は本当に素敵でしたね。いつまでも健康でいてほしいですし、この人たちとずっと一緒に仕事をしたいなと思いながら、「2202」の収録をしていました。
――デスラー役の山寺宏一さんとの共演シーンで印象に残っていることは?
一つの答えしかない窮屈なキャラクターだったキーマンが、山寺さんが来てくださったことで変わりました。デスラーと会話するシーンになった瞬間に、ありとあらゆる選択が僕に委ねられている状況になりました。山寺さんとしゃべっていると、その選択肢がとても豊かになるんですよね。自分がやっていることを受けて、また違うボールを返し続けてくれるので、自分が出した選択肢の中でちゃんと良いものが選べているという感覚を持って芝居ができました。それが本当に楽しくて、終わった後に「今日の収録スゲー楽しかった!」って小野(大輔)君に言っていた気がします。「じゃあ、それまで退屈だったんですね」って返されて、思わず口ごもりましたけど(笑い)。
あとは、健康器具の話をずっとされていた山寺さんから「イェーとかウォーみたいな名前のやつ、持ってる?」って聞かれて困惑したんですけど、調べたら(筋トレ器具の)「バーンマシーン」のことを言っていたことが分かって(笑い)。後日、僕が「バーンマシーン買いましたけど、悪くないですよ」と話したら、買うかどうかその場で真剣に悩まれていたこともありましたね(笑い)。
――長きにわたって「2202」に関わってきた今、改めて「宇宙戦艦ヤマト」はどんな作品だと思いますか?
これは前から変わっていないですけど、やっぱりSFの古典ですよね。「宇宙戦艦ヤマト」の歌を歌えれば大体の話が分かるので、浦島太郎や桃太郎といった昔話と同じくらい誰もが知っているものです。古典はことあるごとに新しい解釈を得て、今の人たちに伝わりやすいようにその時代の優秀なストーリーテラーが再構築をして、その時代に合った物語に姿を変えて届けられていくものだと思います。そうなっていくための布石として「宇宙戦艦ヤマト2199」があって、今回の「2202」は福井さんがメスを入れて「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」という古典を現代によみがえらせている、という解釈を僕はしています。
古典という言葉から古いもののイメージを持たれてしまうと困るんですけど、いろいろなものに影響を与えた全ての原典であって、それ以上のものはないというところにたどり着いたもの。そこに対してどうやって手を加えていくんだろうと最初は思っていましたけど、担当されるのが福井さんだと分かった時点でこの作品は絶対に面白いものになるだろうと確信していました。大船に乗った気持ちで作品に参加できるなというところからのスタートで、収録中もその気持ちは全然ブレなかったですね。こんなに難しい物語を書く人で、日本中の人が知っているベストセラー作家で。最初は福井さんが何を考えているのか分からなかったので怖かったんですけど(笑い)。変なTシャツ着て毎回アフレコに来てくれるし、ありがたいなと思っていました。
限定版ドラマCD「誰も聞いてはならぬ裏ヤマト」の台本をもらって、驚きのあまり「こんな台本も書くんですね?」って福井さんに聞いたら、「はい、書くんです」と答えられて(笑い)。そこからは気軽に話しやすくなりました。時間を経て、作品を通して、関係を築いていくことができました。「宇宙戦艦ヤマト」に対するイメージ、「2202」に対するイメージは全く変わらなかったです。
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