「リトル・フォレスト」などの五十嵐大介さんのマンガが原作の劇場版アニメ「海獣の子供」(渡辺歩監督、6月7日公開)に少年・空役の声優として出演予定だった窪塚愛流(あいる)さんが変声期により出演を辞退し、俳優の浦上晟周(せいしゅう)さんが空の声優を務めることが16日、分かった。また、声優として俳優の森崎ウィンさん、田中泯さんが出演することも発表された。浦上さんと森崎さんは、今回が劇場版アニメの声優初挑戦となる。
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窪塚さんは「変声期のために安定した声を出すことが困難だったため、スタッフの皆さまにご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。大変残念ですが出演を辞退させていただくことを決めました」と経緯を説明し、「この悔しさをバネにしながら、作品の完成を楽しみにしています」とコメントを寄せている。
森崎さんは、海と空という2人の少年の謎を追う天才海洋学者・アングラード、田中さんは、アングラードのかつての相棒で海と空を保護している海洋生物学者・ジムをそれぞれ演じる。
「海獣の子供」は、五十嵐さんがマンガ誌「IKKI」(小学館、現在は休刊)で2005~11年に連載したマンガ。友人にけがをさせた少女の琉花が、ジュゴンに育てられた不思議な少年・海と空に出会い、港町と水族館を舞台にさまざまな冒険を繰り広げるというストーリー。アニメは、「鉄コン筋クリート」などのSTUDIO4℃が製作する。女優の芦田愛菜さんが主人公・琉花、石橋陽彩(ひいろ)さんが海の声優を務める。
浦上さん、森崎さん、田中さんのコメントは以下の通り。
原作のマンガを読み終えたとき、自分の周りの世界が、少し違って見えました。僕にとってアニメの声を演じさせていただくのは初めての経験でした。最初は不安が大きかったですが、声を吹き込ませていただく過程はすごく楽しかったです。「空」が醸し出す雰囲気は異質で、せりふのテンポやリズムも独特です。渡辺監督といろいろお話をさせていただきながら、大人びているしゃべり方と、時折見せる少年らしさのバランスを意識しました。映画館を出たときに、周りの世界が少し違って見えるような作品になったらうれしいです。
アニメーションの声優は初挑戦ということで、収録用の映像を何度も見返して本番に臨みました。「レディ・プレイヤー1」では、自分で演じたキャラクターの吹き替え版だったので、感情をつかみやすかったのですが、アニメーションの場合は、「絵の中にいるキャラクターと一緒に呼吸をしなくてはいけない」と感じました。今回でいうとアングラードと僕、二人で一人という感覚で、その息がピタっ!とはまった瞬間はすごく気持ちがよかったです。それから、「一枚一枚絵を作ってくださった方との呼吸でもある」ということも感じました。僕とアングラードとアニメーターさんとのフィルムの中での共演をぜひ見届けてください。
オファーをいただき、海獣の子供の原作本が届き、一息で読みました。「参加せよ!」と何処(どこ)からか聞こえる気がしたのです。好奇心の脈動に震える僕に安堵(あんど)したのでした。収録については、大きなヘッドホンからの自分の声に包まれて言葉を出す、まさしく声もカラダなのだ、と思い、演じることの面白さと際どさを同時に感じるお仕事でした。水の星・地球、緑のふるさと・地球、ヒトのふるさとは何処!
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