KING OF PRISM:実はスポーツもの? 菱田監督が描く世界の魅力

アニメ「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」の一場面(C)T-ARTS/syn Sophia/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ/キングオブプリズムSSS製作委員会
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アニメ「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」の一場面(C)T-ARTS/syn Sophia/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ/キングオブプリズムSSS製作委員会

 人気アニメ「KING OF PRISM」(キンプリ)シリーズの新作「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」。同シリーズはこれまで劇場版が2作公開され、観客が声を上げたり、サイリウムを振って楽しめる応援上映も話題になったが、そもそも作品が魅力的でなければ応援上映は盛り上がらない。菱田正和監督が作り出す独自の世界観が人気を集めている。アニメを手がけるエイベックス・ピクチャーズの西浩子プロデューサーとタツノコプロの依田健プロデューサーに新作を含む同シリーズの魅力を聞いた。

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 ◇表現が突き抜けているけど本質はロジカル

 「キンプリ」は、2013年4月~14年3月に放送された女児向けテレビアニメ「プリティーリズム・レインボーライブ」のスピンオフで、男性キャラクターの神浜コウジ、速水ヒロ、仁科カヅキたちの歌とショーに懸けるひたむきな姿を描いている。16年に第1弾「KING OF PRISM by PrettyRhythm」、17年に第2弾「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」が公開された。新作「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」のテレビアニメ版が放送中で、3話ごと全4編の劇場編集版が上映されている。

 第1、2弾では「プリティーリズム・レインボーライブ」にも登場したコウジらのユニット「Over The Rainbow(オバレ)」のその後が描かれた。新作は「キンプリ」から登場した一条シンら新キャラクターの物語が中心となる。

 テレビアニメで初めて「キンプリ」に触れる人もいるかもしれないが、西プロデューサーは「新キャラクターの風呂敷を広げていたので、そこをしっかり描いていきます。初めて見る人が分かるようにしていますが、作品の作り方は変えていない。本質的なところは変わらないんです」と明かす。

 「キンプリ」は不思議な作品だ。新キャラクターが登場しても前から知っていたように見えることがある。「プリティーリズム・レインボーライブ」を知っていればより楽しめることは間違いないが、知らない人でも楽しめるような作りにもなっている。依田プロデューサーが「菱田監督は表現が突き抜けているけど、本質はロジカルだと思うんです」と話すように、監督の手腕によるところも多いようだ。

 ◇「キンプリ」という新しいジャンルができた

 菱田監督は「プリティーリズム」シリーズの「オーロラドリーム」「ディアマイフューチャー」「レインボーライブ」を監督したため、女児向けアニメが得意な印象があるかもしれないが、そもそも、サンライズ作品を中心に男児向けアニメを手がけてきた。「キンプリ」は友情、バトルのような派手なショーなどが描かれており、男児向けアニメのようなテイストもある。一見、女性向けのようだが、それだけではない魅力がある。

 依田プロデューサーは「男児向けを得意としていた菱田監督が女児向けである『オーロラドリーム』を作ることで、他にはないユニークなジャンルができたと思っています。『キンプリ』にしても『キンプリ』という新しいジャンルができた」と語る。

 西プロデューサーは「『キンプリ』は実はスポーツものでもあるんです。彼らはアスリートなので」とも話す。「キンプリ」でキャラクターが取り組むプリズムショーは、フィギュアスケート、歌、ダンスを組み合わせたショーだ。つまり、ショーであり、スポーツでもある。男児向けスポーツアニメのような要素もあるから、男性アニメファンも楽しめるのかもしれない。

 新作について「小休止がなく、決め回ばかりで、密度が濃い。3DCGのボリュームも通常の1クールのアニメでは普通はできないくらい手間をかけています。新曲もいいですよ。フルサイズで聴いてほしいですね。劇中では流れない2番もいいんです。キャラのことがより深く分かるはずです」と語る依田プロデューサー。西プロデューサーも「全力です!」と力を込める。

 新作はまさに盛りだくさんの内容になっている。テレビアニメで初めて触れる人も「キンプリ」の“濃さ”に驚かされるはずだ。

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