SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
尾田栄一郎さんの人気マンガが原作のアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」(フジテレビほか)の劇場版最新作「劇場版 ONE PIECE STAMPEDE(スタンピード)」が8月9日、公開される。監督は「スマイルプリキュア!」「映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!」のほか、テレビアニメ版「ONE PIECE」にも参加してきた大塚隆史さんだ。「オールスターによるお祭り映画」を目指したという新作について、大塚監督に聞いた。
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「ONE PIECE」は、1997年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が始まり、1999年からテレビアニメが放送されている。
劇場版最新作は「海賊の、海賊による、海賊のための世界一の祭典 海賊万博」が開催される。華やかなパビリオンが建ち並ぶ島に、麦わらの一味や最悪の世代をはじめとする世界中の海賊たちが集結。海賊万博の目玉イベントは「海賊王(ロジャー)の遺(のこ)した宝探し」で、海賊たちのお宝争奪戦が繰り広げられる。
オールスターお祭り映画ということもあり、とにかくたくさんのキャラクターが登場する。
「実現できたらきっとすごく面白いだろうけど、当然いろいろなハードルがあります。原作の世界観や強い個性がある登場人物たちで、そういったものが果たして成立するのかな?と」
大塚監督はこれまで「プリキュア」シリーズで“オールスター映画”を手がけてきた。その経験があるだけに、難しさを感じることがあった。
「この映画はストーリーで魅せるのか? キャラクターの活躍で魅せるのか? 何を映画の目的にするかを見失わないようにしないといけない。『ONE PIECE』には、いろいろな魅力がありますが、今作はキャラクターに注力して映画を作っています。格好いい登場人物たちををいかに活躍させられるかが勝負だ!と思っていました。ただ、尺の制限がありますし、出したいキャラがいてもストーリー的には出すのが難しい場合もあります。作品の世界観から違和感のない見せ方を考えないといけない。これがとても難しかったですね。考えるのは楽しいんですけど」
「ONE PIECE」は20年以上続く超人気作で、大塚監督自身も連載開始当時から原作を夢中になって読んできた。愛がある故に、悩むこともあるという。
「尾田先生のご意見としては、『アニメのONE PIECEがちょうど20周年を迎える年なので、それを大事にした映画を作ってほしい』ということでした。それを踏まえて東映アニメーションのプロデューサー小山弘起さんの考えた『海賊万博で全員集合!』というアイデアを基に映画を進めていくことが決まり、僕も監督として素直に乗れました。ただ、僕自身、ONE PIECEが好きな故に、どういった映画にしたらONE PIECEが大好きな人たちに楽しんでもらえるのか、というのは小山さんや集英社のONE PIECE担当編集さんたちと腐心しました」
不特定多数のファンがいる中で、落としどころを探すことも命題だった。
「登場人物がとても多いわけですが、それだけの量のキャラクターの理解も必要になります。そしてそれをONE PIECEの世界観の上でお話を構築していく。とても大変でした。やはりスタッフ間でもいろいろな理解に誤差があるので、そういったものの整理も時間がかかりましたね。マンガ原作を読み直したり、一つのせりふ、一人のキャラを検証する際も、僕自身『あ、そういう解釈が一般的なのか!』と思うようなこともありました。不特定多数のONE PIECE読者には、やはり読者の数だけの解釈があったりもしますので、それらを理解しつつも、いい落しどころを探らねばいけないのですが、これもやはり難しい。なるべく『違和感』を減らしたい。原作の理解の違いや剥離をなくすのは命題でしたし、ファンとしては意地でもあります(笑い)。原作作品を預かる時の最初の心構えですね。でも90巻以上もあると、理解がどんどん枝分かれもしていますので、これはもう大変(笑い)」
劇場版は尾田さんが監修した。シナリオ、絵コンテ、オリジナルキャラクターのデザインだけでなく、キャラクターの劇場版のオリジナル衣装の色も含め、細かくチェックしたため、原作の世界観から大きく外れることはない。「キャラクターの核となる部分を押さえていただいています。その上である程度自由にやらせていただいていて、ONE PIECEとして魅力的な形で仕上げられました」と話す。
大塚監督をはじめスタッフが考えているのは「作品のファンにアニメ20周年祭りを楽しんでもらう」ことだ。劇場版を祭りのメインのみこしとして捉え、時間の許す限り細部までこだわった。
劇場版の予告など映像を見て、これまでのアニメ以上に原作のマンガに近いような力強い線でキャラクターが描かれていることに気付いた人もいるだろう。
「尾田さんの絵にどれだけ近付けるかを考えています。その点では作画監督の佐藤雅将さんをはじめとする演者(アニメーター)の方の力ですね。高木雅之さん、仲條久美さん、高橋優也さん、大西亮さん、太田晃博さん、舘直樹さん、松田翠さん……挙げ出すとまだまだキリがないほど、キャラへの理解と演技を職人技で魅せてくれたアニメーターさんの力が映画のパワーになっています。撮影セクションでも撮影監督の和田尚之さんをはじめとした優秀なスタッフの力で、原作の線に近い表現になるようにしています」
スタッフへの信頼も厚い。
「演出陣も豪華です。三塚雅人さん、中村亮太さん、宍戸望さんと、東映アニメーションを代表する監督クラスが絵コンテ、演出として参加してくれています。助監督の朝倉舞彩さんも優秀で、映画全体を細部にわたってチェックしてくれています。そして映画を高い完成度に導いてくれた現場制作陣にも多大な感謝です。声優さんや音楽の田中公平先生はもちろん、ずっとアニメONE PIECEを作ってきてくれた人たちの力も最大限に集めて仕上げました」
劇場版の見どころを「魅力的なキャラクターたちの活躍を楽しんでいただければうれしいです。いろいろなキャラがコラボして、それってどうなっちゃうの!?という展開もあります。原作を詳しく知らなくても楽しめる構成になっていますし、コアなファンにも驚きの仕掛けもあります。ぜひ楽しんでください」と語る大塚監督。オールスターお祭り映画は、スタッフの愛が込められた作品に仕上がったようだ。
<プロフィル>
おおつか・たかし 大阪府出身。大阪デザイナー専門学校卒業後、東映アニメーションで「プリキュア」「ONE PIECE」の監督・演出を担当。「TVSPエピソードオブ東の海」では監督を務める。劇場版最新作では脚本も手掛け、アニメに限らずCMやゲームのコンテ演出など幅広く活躍している。現在はフリーランス。@takaswy1981
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2024年12月24日 02:00時点
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