NHKが、人気アニメ「プリキュア」シリーズの好きな作品、キャラクター、歌に投票する企画「全プリキュア大投票」を実施している。NHKは2018年に「ガンダム」シリーズの企画「全ガンダム大投票」を行い、今年も「マクロス」シリーズの企画「全マクロス大投票」を実施して話題となったが、今回、「プリキュア」シリーズを大投票企画に選んだ理由は何なのか。番組を手がけるNHKエンタープライズの柏木敦子エグゼクティブ・プロデューサーに話を聞いた。
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「全プリキュア大投票」は特設サイトで投票を受け付けており、NHK・BSプレミアムで9月14日午後9時から約3時間半にわたって生放送される番組「発表!全プリキュア大投票」で結果が発表される。特設サイトでは、劇場版を含めた42作品、60人のプリキュア、プリキュア以外のキャラクター約900人、約150の楽曲のデータベースが公開された。「プリキュア」シリーズの約16年の歩みを映像で振り返りながら、魅力を解説する番組「歴史秘話 プリキュアヒストリア」もBSプレミアムで8月10日午後6時半に放送される。
NHKは、2017年に日本でアニメが初めて公開されてから100周年を迎えたことを記念した投票企画「ベスト・アニメ100」「ベスト・アニソン100」を実施。さらに「全ガンダム大投票」「全マクロス大投票」も実施し、特に「全ガンダム大投票」は約174万票が集まるなど好評を博した。これまでの反響が「想定以上」だったこともあり、大投票企画が継続されることになったという。
「プリキュア」は昨年、15周年を迎えた女児向けアニメシリーズだ。「ふたりはプリキュア」(2004~05年放送)と「ふたりはプリキュア Max Heart」(2005~06年放送)、「Yes!プリキュア5」(2007~08年放送)と「Yes!プリキュア5GoGo!」(2008~09年放送)は主人公が引き継がれたが、それ以外は毎年、主人公が変わり、作品の世界観やテーマを変えながら続いてきた。「プリキュア」が革新的なのは、少女たちが素手で相手に立ち向かうところで、戦闘シーンが激しく、少女たちがパンチやキックを繰り出す肉弾戦が魅力だ。「美少女戦士セーラームーン」などにも戦闘シーンはあったが、女児向けアニメでは異例だった。
シリーズの生みの親とも呼ばれる東映アニメーションの鷲尾天プロデューサーは「核は、りりしくあること。自分たちで問題を解決しようと立ち向かうこと。あとは時代、環境によって変化していく。キーアイテムが携帯電話、スマホになったり、時代によって子供が興味を持ちそうなものを取り入れる」「(初代『ふたりはプリキュア』を手がけた)西尾(大介)監督と最初から一致していたのは『男らしさ』『女らしさ』という言葉を使わないこと。ジェンダーを意識していた」と話したことがあった。
「プリキュア」は、強固な核を守りつつ、時代に合わせて変化し、女児向けアニメの歴史を変えてきた。「ガンダム」「マクロス」のように、他にはない特異なシリーズで、ファンに愛され続けているからこそ、大投票企画に選ばれたのだろう。
柏木プロデューサーは、大投票企画に選んだ理由を「オリジナルアニメで毎年テーマを変えながら、続いてきた。他にないシリーズです。15年続くのは大変なこと。紆余(うよ)曲折もあったはずです。初代を見ていた子供も大人になって、ファン層も広がっています。放送のある日曜の朝はSNSがプリキュアの話題であふれるなど子供だけでなく、大人も魅了し続けています」と説明する。
ちなみに、現在放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」で、広瀬すずさんが演じる主人公・なつは、東映動画(現・東映アニメーション)がモデルとされる東洋動画で働いている。朝ドラと連動して「プリキュア」を選んだのでは?と邪推してしまうが、柏木プロデューサーは「偶然です」と否定する。
「全プリキュア大投票」の実施が発表された際、シリーズの生みの親とも呼ばれる鷲尾プロデューサーがコメントを発表したことも話題になった。「私としては順位をつけることに忸怩(じくじ)たる思いを感じながら、それでも『皆様の熱い思い』をぶつけられる素晴らしい機会ではないかと思い、番組協力に踏み切った次第です。どうか皆様、順位やランキングにこだわることなくご感想、当時の気持ちなどを語り尽くしてご投票ください。その熱い思いこそ、番組に大きな意義をもたらします」「皆様の熱い投票を待っています!」と呼びかけた。
スタッフもそれぞれの作品、キャラクターを愛しているからこそ、順位を付けるのは……という思いがあるのだろう。柏木プロデューサーは、鷲尾プロデューサーのコメントを受けて「ありがたいです。大投票では優劣を付けたいわけではなく、皆さんの好きという思いを吐露する機会だと考えています。ファンに喜んでいただくための企画で、ファンの声でできているんです」と語る。
投票は現時点では10、20代の女性票が多いという。投票の際は、選んだ理由や思い出を200文字以内で書き込む欄もあり、「プリキュアになりたかった!」「病気の時、進路に悩んだ時に見て元気になった!」「娘にプリキュアのようになってほしかった!」といった、さまざまな声が寄せられているといい、柏木プロデューサーは「200文字に入りきらない!という声もありますが、皆さんが熱い思いを寄せてくれています」と明かす。「発表!全プリキュア大投票」では、そんなファンの声も紹介される。
柏木プロデューサーは番組に関わる中で、改めて気付いた「プリキュア」の魅力を「ファンの方の『プリキュアになりたかった!』という声が全てなのかもしれません。いろいろな要素がある。可愛いだけでなく、格好よかったり、優しかったり、憧れであり続けている」と話す。「発表!全プリキュア大投票」は、ファンの熱い思いが結集された番組になりそうだ。
気は早いが、次の大投票企画が気になる人も多いだろう。「次は平成仮面ライダー!」などさまざまな声もある。タイトルは明言してくれなかったが「今後も続けていく予定」ということなので、今後の展開にも期待したい。
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