永井豪:画業50年超え思い入れ強いのは「デビルマン」 「常にジレンマと戦いながら…」

展覧会「画業50年“突破”記念 永井GO展」の内覧会に登場した永井豪さん
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展覧会「画業50年“突破”記念 永井GO展」の内覧会に登場した永井豪さん

 「デビルマン」「キューティーハニー」などのマンガ家の永井豪さんの画業50年突破を記念した展覧会「画業50年“突破”記念 永井GO展」のメディア向け内覧会が9月13日、上野の森美術館(東京都台東区)で行われ、永井さんが登場した。永井さんは「一番思い入れの強い作品をあえて挙げるなら」と聞かれて「デビルマン」と答え、「ギャグマンガしか描かせてもらえなかった中で、なんとかストーリーマンガを描かせてもらえた作品」「波瀾(はらん)万丈で重い作品」と語った。

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 永井さんは、「デビルマン」について「やっともらったチャンスでいいものにしなければという思いがあった。ただ、テレビタイアップもあったので、テレビアニメのストーリーに合わせなければいけないと、常にジレンマと戦いながら描いていた」と振り返った。また、テレビアニメが終了する際は、連載も「完結せよ」と言われたといい、「どう終わらせるかと考えて、より過激な内容になった。結果、いいものになった。自分にとって波瀾(はらん)万丈で重い作品」と語った。

 さらに「“過激”が自分のスタイルだったが、世の中が変化してきて、自分の作品は過激じゃない、可愛らしいものと理解してもらえるようになった。今は世の中のほうが過激で何をやってもおとなしく見えてしまう。それでも過激なものを探そうとしている」とコメント。

 続けてピンチは何度もあり、「辞めようと思ったことも何度もある。でも、自分にはマンガしかない。続けるしかないと思ってやってきた」と話した。また、自身が連載していた雑誌が廃刊になったり、編集部とぶつかって連載がなくなったこともあったが、「別の雑誌で描くことで新たな面が生まれてくる。ピンチをチャンスに変えていった」と語った。

 「画業50年“突破”記念 永井GO展」は、「ハレンチ学園」や「デビルマン」「マジンガーZ」など、永井さんのデビュー作から最新作までの直筆マンガ原稿やカラーイラストなどを約600点を展示する。「デビルマン」「マジンガーZ」の世界観をイメージしたエリアや秘蔵資料も展示。また、永井さんのデビューまでの道のりをマンガ化した作品、イラスト作品も制作され、同展で初公開される。2018年9月に大阪府で開催され、2019年7~8月に石川県で開催された。

 14~29日に上野の森美術館で開催。開館時間は午前10時~午後5時。入場料は一般・大学生1600円、中高生1000円、小学生以下無料。

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