放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
「今年は自分の夢を三つぐらいかなえられた年。4年間テレビに出ていて、自分が4年前にああだったらいい、こうだったらいい、ということが、お話しだけではなく、本当に、(手で箱の形を作りながら)このきっちりとした箱に入ったという感じがして……」と語ったのはモデルの滝沢カレンさん(27)だ。2015年にテレビ番組に出演して以来、独特の言語センスなどが話題を呼び、今ではテレビで見ない日はないほどの存在となった。今クールでは、ドラマ「G線上のあなたと私」(TBS系、火曜午後10時)で、連ドラ初レギュラー入りを果たすなど、活躍の場を広げている。滝沢さんに、女優業への思いや、大活躍の今年について聞いた。
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滝沢さんは、1992年5月13日生まれ。東京都出身。2008年に女性ファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)のオーディションでグランプリに輝き、専属モデルとして、デビューを果たす。2011年、同誌を卒業し、女性ファッション誌「JJ(ジェイジェイ)」(光文社)の専属モデルに。今年7月、約9年にわたって務めた「JJ」の専属モデルを卒業すると発表した。
「G線上のあなたと私」は、「あなたのことはそれほど(あなそれ)」などで知られるいくえみ綾さんのマンガ(集英社)が原作。寿退社間近に婚約を破棄され、仕事と恋人を失った小暮也映子(波瑠さん)が通い始める“大人のバイオリン教室”を舞台に、恋と友情を描く。滝沢さんは、鈴木伸之さん演じる加瀬侑人の妻・加瀬芙美を演じている。明るく天真らんまんな性格で、「イチゴが好き」という理由で、我が子の名前に「苺郎(いちごろう)」と候補を挙げる場面も登場した。
女優としてのオファーを受けたときの思いについて、滝沢さんは「演技はしてみたいという夢もありますし、(出演は)1回だけかな? って思ったんですけど、そしたらレギュラー。すっごいうれしくて、『えっ、毎回出るってことですか?』って。幸せすぎて、ずっと演技の練習をしていました」と話す。
劇中では、お腹の大きい妊婦姿をはじめ、最終的には「飛翔(ひろと)」と名付けられた“我が子”とのシーンも登場。滝沢さんは、「(飛翔役の赤ちゃんと)遊ぶシーンや、一緒のシーンはすごい楽しい。キュンキュンさせてもらっています」と目を細める。
「私、兄弟もいないし、親戚もいないし、友達も(赤ちゃんが)いるかいないかなんで、なかなか赤ちゃんを抱っこできる機会がないんですよ。だからそれがすっごい嬉しくて。でも、これが毎日って思うと、きっとお母さんは大変なのかなって。一番楽しいところだけを私が取っちゃっていると思うんですけど、可愛いなって思うし、いつか私も子供を持つのが夢です」と笑顔を見せる。
「挑戦できることは、“したい”と思ったときがチャンスだと思っていて。女優さんをやって楽しい!『もっとやりたい!』と思っているので、もっともっと、誰かが求めてくれるならやりたいです」と力を込めた滝沢さん。10月からは、「G線上のあなたと私」のほか、初の冠番組「ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えて下さい~」(テレビ東京系)、講談師・神田松之丞さんと出演する「松之丞カレンの反省だ!」(テレビ朝日系)がそれぞれレギュラー化するなど、ひっぱりだこの存在に。
「今は、自分が探していた家を三つ見つけた気分」と表現した滝沢さんは、「でも夢をかなえたから終わりというのは嫌なんですね、すごく。その家を見つけたら終わりではなくて、(家に)入って、家具を買って、人を招いてまでで、いい家って言えると思うので。そこをもっともっと自分っぽく、自分がもっとこうしたいと思わないと前に進めない。これでいいって思ったときは私が死ぬときだから。今はまだまだ」と続ける。
“三つの家”の内容を聞くと、「リーダー(バラエティー番組のMC)とか真ん中に立つ仕事で、私の名前が入っている、というのと、女優さんの家。まだちっちゃな家です。小屋みたいなものかもしれないけど、重要な家」と明かす。「もう一個は……私、アーノルド・シュワルツェネッガーさんが大大大好きで、その人に会えたという夢がかなったんです!」と感激の表情を見せる。
11月17日放送のバラエティー番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)では、番組のドッキリ企画で、滝沢さんがシュワルツェネッガーさんと初対面する場面が放送された。番組では、「夢がかなった」と感激の涙を流す滝沢さんの姿が映し出された。
「今年は一気に(夢が)10年分くらいは来てしまったので、びっくりはしている」と喜ぶ滝沢さんは、「もしかしたら人間は欲張りかもしれないけど、私は欲張りな時期があってもいいかな。全部大切にしたいんです。できるかできないかというよりは、まず気持ちって思っていて」と考えを語る。
「(バラエティー番組のMC、女優業の)二つの家を、私は主として、これから育てていかないといけないし、守らないといけないので、自分も成長しないといけない。ここからは何階建てになるか……」と思いをめぐらす滝沢さん。ジェスチャーを交えながら、「このアーノルドの家は、宝としてこっちに置いておいて。これはこのまま」と大切そうに扱う姿が印象的だった。
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モデルとして、キュートでかっこいい姿も見せる一方で、テレビ番組では、おかしな日本語が飛び出したり、誰も思いつかないような斬新な発想を披露したり……。そのギャップがとても魅力的な滝沢さん。インスタでは、長文の文章で、独特の“カレンワールド”を展開したかと思えば、おいしそうな手料理の写真を公開し、「#食べないダイエットは #あまりに身体がかわいそうだと知る」「#なのでなるべく手料理を体へプレゼント」といった名言も残す。
今回、そんな滝沢さんへのインタビュー時間は瞬く間に過ぎてしまい、終了時間となっても、まだまだ質問していたかった、というのが記者の正直な気持ちだった。「どんな答えが飛び出すのだろう?」とわくわくしながら、質問をしていた。
そんな今回のインタビューで感じたのは、滝沢さんはとても素直な人で、なおかつ一本筋が通った、頭のいい人という印象。滝沢さんは、2019年を「打ち上げ花火を打ち上げられるだけ今年は打った」と表現。「来年も同じ花火を見たいよね、って自分でも思いたいですね。なので、それが私の来年の意味だと思っています」と語る。誰と同じでもない、唯一無二の存在の滝沢さんの進む道をこれからも応援したいと思わされた取材だった。女優業もスタートし、バラエティーのゲスト出演にとどまらず、冠番組までできるほどの現在の大活躍は、記者と同じ気持ちになった人が多かったということだろう。滝沢さんは「来年も同じ花火」と話したが、来年はもっとすてきな花火が打ち上がっているはずだ。
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