TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。
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2019年の12月の売り上げは、ここ10年で最も悪い結果でした。ひょっとすると集計を初めて以来過去最悪かもしれません。3DSの売り上げはスイッチに切り替わった印象でしたが、PS4の期間限定1万円値下げキャンペーンからの流れが厳しかった。好評でよく売れたのは良かったのですが、予定台数を売り切って在庫がなくなってしまいました。
ソフト部門も非常に厳しく、昨年の半分に届きませんでした。何といっても大きかったのは昨年大ヒットした「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(NS、任天堂)に匹敵するタイトルがなかったことです。スイッチはまだ「ポケットモンスター ソード・シールド」(ポケモン)などがありましたが、PS4の新作タイトルのラインアップは厳しかったと言わざるを得ません。スイッチでは「リングフィット アドベンチャー」(任天堂)もよく売れましたが、こちらは品切れになってしまいました。
「ポケットモンスター ソード・シールド」は、発売から2カ月目でしたが、それにしてはとてもよく売れた印象。発売当初は20代が中心でしたが、クリスマス前からキッズ層に広がりました。やはりこちらも印象ですが、購買層に子供が増えると「ソード」が上に来る感じがしますね。
「新サクラ大戦」(PS4、セガゲームス)もまずまずのヒット。購買層をみてみると、「テイルズ オブ」(バンダイナムコエンターテインメント)をはじめとしたキャラクター人気が強いシリーズのファンではなく、「ドラゴンクエスト」「モンスターハンター」「キングダムハーツ」といったゲームのユーザーのようです。PS4を既に持っているRPG好きの30代男性といったイメージでしょうか。
1月もまたすさまじく悪そう。去年は、「キングダム ハーツIII」(PS4、スクウェア・エニックス)、「バイオハザード RE:2」(同、カプコン)といった新作や「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」がありましたが、今年はやや厳しいか。新作では「龍が如く7」(PS4、セガゲームス)、「ドラゴンボールZ KAKAROT」(同、バンダイナムコホールエンターテインメント)あたりがポイントになるでしょう。
1位 ポケットモンスター ソード(NS)
2位 ポケットモンスター シールド(NS)
3位 新サクラ大戦(PS4)
4位 ルイージマンション3(NS)
5位 リングフィット アドベンチャー(NS)
6位 Minecraft(NS)
7位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
8位 マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック(NS)
9位 マリオカート8 デラックス(NS)
10位 ポケットモンスター ソード・シールド ダブルパック(NS)
11位 妖怪ウォッチ4++(NS)
12位 釣りスピリッツ Switchバージョン(NS)
13位 無双OROCHI3 Ultimate(PS4)
14位 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング(NS)
15位 スーパーマリオメーカー2(NS)
16位 SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ(PS4)
17位 スーパー マリオパーティ(NS)
18位 ディズニー ツムツム フェスティバル(NS)
19位 SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ(NS)
20位 DEATH STRANDING(PS4)
松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー
「GAME TSUTAYA」加盟約550店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。1996年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。2002年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。
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