高橋メアリージュン:草刈“総理”は「カッコよすぎます」 エリート官僚演じ「リアルな緊張感」

「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」に出演する高橋メアリージュンさん
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「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」に出演する高橋メアリージュンさん

 女優の高橋メアリージュンさんが出演する、俳優の草刈正雄さん主演のドラマ「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」が、3月15日からWOWOWでスタートする。ドラマは、草刈さんが日本の首相に扮(ふん)し、財務省のエリート官僚4人による歳出半減を目的とする特命プロジェクト「オペレーションZ」をひそかに結成するという内容だ。今作で、高橋さんは「オペレーションZ」の紅一点で、IMF(国際通貨基金)にも出向経験があるという財務官僚、中小路流美を演じている。高橋さんに草刈さんらとの撮影エピソードやドラマの見どころ、女優の仕事などについて聞いた。

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 ドラマは、「ハゲタカ」シリーズで知られる真山仁さんの小説「オペレーションZ」(新潮文庫)が原作。1000兆円を超える借金を抱える日本を舞台に、首相の江島(草刈さん)が、財務省のエリート4人による歳出半減を目的とする特命プロジェクト「オペレーションZ」をひそかに進め、奮闘する姿を描く。毎週日曜午後10時にWOWOWプライムで放送。全6話。

 ◇政治や経済も勉強中

 昔から米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが大好きで、「アジアのアンジー(ジョリーさんの愛称)を目指している」と公言している高橋さん。今作のような社会派ドラマに挑戦した感想を尋ねると、「専門用語が多いので、せりふを覚えるのがとにかく大変!」と打ち明け、「インターネットで調べたり、政治や経済に詳しい友達に聞いたりしながら、なるべく多く(せりふを)話すように心がけました。普段聞き慣れない言葉でも、何度も聞いて話すうちに自然と口をついて出るようになるんです。英語を学ぶのと似たような感覚ですね」と語る。

 原作を読んで「フィクションだとは思いつつもすごくリアルで、今の日本はこんなにヤバい状況なんだって、危機感を覚えました」といい、「このドラマへの出演が、勉強不足だった分野を学べるきっかけにもなると思ったし、撮影が終わるころにはきっとかなり成長できるんじゃないかなっていう期待もあります」と貪欲(どんよく)に吸収しているようだ。

 ◇草刈の威厳で現場にはリアルな緊張感も

 草刈正雄さんが首相を演じていることについては「カッコよすぎますよね! 総理はすごく威厳があるので、いい意味で緊張感を持って接してます」と話す。撮影現場では「(草刈)総理がいないところではみんな和気あいあいとしていた」というが、社会派ドラマだけに「ずっと和気あいあいなままでもいられない」とも話し、「その緩急がドラマにとってもすごく大事な気がするんです。リアルな感じが出ているのが面白い」と分析する。

 一方、財務省官僚の同期、周防篤志を演じた溝端淳平さんについては「年齢とか関係なく、すごく頼れる存在」と話し「現場を引っ張ってくれていますね。返事の声も大きくて、常にはつらつとしていて、学ぶところが多いです」と信頼を寄せる。

 ◇「黒いノート」で妄想しながら役作り

 初の官僚役を演じるにあたり、実際の女性政治家の歩き方や身のこなしをテレビやネットを通じて観察したといい、「歩くときは常に姿勢がビシッとしているんですけど、よく見ると距離が近い人と話すときは意外とくだけているところもあったりして。そういうところにこそ一番人間味が出るような気がするので、なるべく両面を出していけたら……」と役作りにも余念がない。

 新たな役を演じるたびに「専用のノートを作っている」という高橋さん。「今回は黒いノートにしてみました」といい、「言いづらいせりふをバーッと書き込んだりしてますね。あとは『流美には彼氏がいるのか、いないのか』みたいなことも、自分の中で勝手に想像しています」と明かす。

 高橋さんなりの流美の設定は「(彼氏は)いた方が面白いかなあと思って。仕事がすごく忙しいから、きっとプライベートでも彼氏とうまくいってなくて、追い詰められてる感じが出せたらいいのかなって(笑い)」と妄想を膨らませているという。

 自身も「正義感が強いところは流美と似ている」といい、「本当に遂行するべきなのか、自分だったらすごく悩んでしまいそう」とも語る。「ドラマの中でも、『病気を治すには手術が必要』という表現が出てくるんですが、手術をするときは傷つけたり、痛くなったりするじゃないですか。でもいずれは治る。物事を抜本的に変えるときには、やはり痛みを伴うものなんじゃないかな。でも、結果が出るまでの過程はつらいですよね……」と流美になった気持ちで逡巡(しゅんじゅん)する。

 さらに「みんな他人から嫌われることを恐れているようで、実際には、自分自身に一番嫌われたくないんじゃないかって思うんです。自分が本当に思っていることと違うことをすると、胸がざわざわしたり、落ち込んで、泣いちゃったりすることもある。だから好きな自分でいるためにも、やりたいことを貫いてもいいんじゃないかな」と持論を語る。

 ◇“草刈総理”の言葉に感極まる場面も……

 高橋さん自身もドラマの撮影をきっかけに「以前より政治に興味を持つようになった」という。「テレビで国会中継も見たりして、自分で考えるようになったのがすごく大きい」と変化を明かしつつ「政治家だけじゃなく、国民も一緒に社会を作っていくものなんだって、このドラマがみんなの意識が変わるきっかけになってくれればうれしい」と期待を寄せる。

 お気に入りのシーンは「『オペレーションZ』のメンバーが知恵をふり絞って総理が読むための原稿を書き、総理に渡すシーン」を挙げ、「原稿を受け取った総理が『最高の武器をありがとう』って言ってくれたときは、すごくテンションが上がってしまって……。泣かないようにしなきゃってギリギリまで我慢してたんですけど、カットがかかった瞬間、ポロって(涙が)出ちゃいましたね。あのシーンでみんなが一体になれた気がしました」と語った。

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