あのクズを殴ってやりたいんだ
第6話 走り出したクズと恋
11月12日(火)放送分
女優の高畑充希さんが、2021年1月スタートの連続ドラマ「にじいろカルテ」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で主演を務めることが11月17日、明らかになった。脚本家の岡田惠和(よしかず)さんが手がける初の医療ドラマで、高畑さんは主人公の“秘密”を抱えたドクター、紅野真空(くれの・まそら)を演じる。高畑さんは今作が初の医師役となる。
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「にじいろカルテ」は、“暮らしを支える医療”をテーマにしたヒューマンドラマ。さまざまな命とどう向き合い、共に人生に寄り添っていくのかを描き出し、医療ドラマの“王道”とは一線を画したストーリーになるという。映画「神様のカルテ」やドラマ「僕とシッポと神楽坂」などの深川栄洋監督が演出を担当する。
東京の大病院の救命救急の現場で、夢と誇りを持ちながら働いていた真空に、ある日突然“とある病”が発覚。仕事を続けたい真空は、偶然知った山奥の小さな村の診療所で、病を隠して働くことに。しかし、たどりついた“虹ノ村”で待ち受けていたのはヘンテコな男性外科医と看護師だった。男2人との“シェアハウス生活”を送りながら、個性豊かな村人たちと出会い、時に笑い、時に泣き、けんかしながらも、熱く命と向き合って成長していく……というストーリー。
――「にじいろカルテ」の出演が決まった時は、どう思われましたか?
ご一緒できるチームの方々がとても魅力的でしたし、貴島(彩理)プロデューサーともぜひいつか一緒にお仕事したいと思っていたので、最初にお話をいただいた時はとてもうれしかったです。
脚本の岡田さんも、過去に一度ドラマでご一緒した際にすごく温かい脚本を書いてくださる方だなと感じていたので、また岡田さんワールドに参加できるのがずっと楽しみでした。岡田さんの脚本には悪い人が出てこなくて、すごく優しい気持ちになれるせりふが多いんです。そんな岡田さんが書かれた柔らかい世界観に、深川監督がスパイスを加えていくような現場になっていて、お二人の化学反応を楽しみながら今はお芝居をしています。
――今回演じられる紅野真空は高畑さんから見てどういうキャラクターだととらえていますか。
真空は「こういうキャラクターです!」となかなか言い切れない不思議な人なんです。それは真空だけではなくて、今回登場するキャラクター全員がちょっとずれているんですね。その中では真空が一番普通なんじゃないかと思うくらい(笑い)。その、みんなのちょっとずつずれているのが隙(すき)のようになっていて、すごく可愛いく感じたり、愛(いと)おしく感じたりするんです。今作はみんなで作っているという感じが強く、「真空はこういう人だから」と気負わずに、その時、起こったことを楽しみながら演じていきたいと思っています。
――意外にも医者役は初だそうですが、演じてみていかがですか?
私は説明ぜりふを覚えるのが苦手だから、お医者さん役とか弁護士さん役とかをできるだけ避けて生きていきたいと思っていたんですが……(笑い)、今作はもちろん医療ものではあるんですけれど、医療シーンがものすごく少ないドラマで、たまにそういうシーンがあると、みんなで「そういえば医療ものだったね」って言いながら撮影しています。この作品は真空が持病を持っているということもあり、「病と共存しながら生きる」という、どちらかというと人間関係や生き方などをテーマにした作品なので、意識せずにいられています。
――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
撮影が始まってしばらくたつんですけれど、ものすごく現場の空気が良くて。映像もすごくこだわっていて、カメラを変えたりライティングにこだわったり、おもちゃみたいなカットがところどころはさみ込まれたりするのですが、そんな温かい空気感の画(え)を撮りながら、キャスト陣、スタッフ陣もすごく楽しんでいて。現場の皆さんもとても優しいですし、毎日平和だな~と思いながら撮影しています。
監督の深川さんもとても優しい方なのですが、その一方ですごくスパルタで(笑い)。「もうちょっとこうやってみましょう」とどんどん高い壁を提示されて、みんなパニックになりながら、何度もやってみる……という感じで。長いシーンなどを撮り終わった日は、心地よい疲れでぐったりしながらおうちに帰っています。
――視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
今はしんどいニュースが多く、暗い気持ちになってしまうこともあると思いますが、そんな中で、この作品は温かい気持ちになれたり、「明日も頑張るか!」という気持ちになれるドラマだと感じているので、見ていただく方の1週間の癒やしになればいいなと思っています。
また、岡田さんの脚本には「そういうこともあるよね」「でも、まあ、いっか!」と感じさせてくれるメッセージ性のあるせりふが多く、私たちもせりふを言いながら、本当にそうだなと共感しています。刺激的なことが多いリアルな日常の中で、このドラマを見ている時間だけでも「まあいっか」とこわ張った肩の力を抜いていただけたらうれしいです。
2021年の冬、見てくださる方々の心が少しだけ温まるような、こたつ布団のようなドラマになればと願っております。高畑充希さんとは初めて連ドラでのタッグで、うれしいです。医師だけど決してスーパーなヒロインではなく、周囲の人に救われ、だんだんと自分の生きる場所を得ていく女性をとてもキュートに演じてくださってます。診療所の仲間や村の人たちもすてきで豪華です。俳優陣の豊かなお芝居を堪能していただけたらと思っております。
お医者さんのドラマ……というとやっぱり、命を救う手術のシーンが見どころ。けれど“お医者さん”という人の毎日には、それ以外の時間のほうが長いように思います。おなかがすいたなあとラーメンを食べる日も、恋愛に悩んで仕事が手につかない日も、友達としょーもない下ネタで盛り上がる日も、医者だけど風邪を引いて寝込む日もある。医者じゃなくても、どんな人にも、そういう“普通”があると思います。
今、世の中は毎日劇的な出来事にあふれていて、ついついみんなが、それに一喜一憂してしまうけれど、なにか人間の“ちょっとダメでもすてきなところ”に気づけるような、ドラマを見た後に、大切な誰かに「いいんだよ」と言ってあげたくなるような、優しいドラマがお届けできればと思います。
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