放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
2019年に安藤ゆきさんの同名マンガを実写化した映画「町田くんの世界」(石井裕也監督)で女優デビューを果たした関水渚さん。1000人を超えるオーディションで、同作のヒロイン・猪原奈々役を射止めると、その演技が高く評価され、「第43回山路ふみ子映画賞」「第93回キネマ旬報ベスト・テン」「第74回毎日映画コンクール」「第62回ブルーリボン賞」と四つの映画賞で新人女優賞に輝いた。現在、香取慎吾さん主演の連続ドラマ「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(テレビ東京系、月曜午後10時)で、主人公・万丞渉(ばんじょう・わたる、香取さん)の相棒となる女性刑事・碓氷咲良(うすい・さくら)として奮闘する関水さんに、芝居への思いを聞いた。
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関水さんは1998年6月5日生まれ、神奈川県出身の22歳。「町田くんの世界」では演技初挑戦ながら、人嫌いで自己嫌悪の塊のようなヒロインを熱演。以降も映画やドラマに起用され、昨年は映画「カイジ ファイナルゲーム」(佐藤東弥監督)や「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(田中亮監督)といった出演作が劇場公開された。
「アノニマス」は、インターネットの誹謗(ひぼう)中傷などキーボードによる“殺人”=指殺人をテーマにした、オリジナルのサスペンスドラマ。警視庁が試験的に新設した専門の対策室「指対」を舞台に、万丞ら出世コースから外れたクセモノばかりのメンバーたちが、顔の見えない犯罪者=アノニマスを見つけ出し、指殺人に苦しむ人々の事件を解決に導いていく……というストーリー。関水さんは捜査にとても前のめりで、相談者に感情移入しがちな「指対」メンバーの一人、咲良を演じている。
関水さんは咲良について、「とても真っすぐで熱い女性。情熱的で前のめりな部分は結構、普段の私の性格にも近くて、やればやるほど似ているなって思える役です。若くて、幼稚な発言をする場面もあって、万丞(香取さん)にうざがられたりもするのですが、いるとその場が明るくなるような、そういった存在になることできたらいいなと思いながら演じています」と役への強い思いを明かす。
熱の入った演技により、万丞役の香取さんを本気でイラつかせたこともあったという関水さん。「咲良が万丞に失礼なことを言うシーン、咲良の言動に万丞は絶対に腹が立つだろうなっていうシーンを撮り終えたときに、香取さんから『本番めっちゃイライラしたよ』って言われて。実際に撮影中、香取さんもイラッとした顔もされていたので、お互い役として心が通えていたんだって思えましたし、こういうふうに、共演者の方と役と役で通じ合えるお芝居をすることができたらって、いつも心がけているので、香取さんの言葉はすごくうれしかったです」と充実感をにじませた。
デビュー以降、女優として順調に作品を重ねてきた関水さんだが、「手応えはほとんどない」といい、「まだまだ手探り状態でお芝居をやらせてもらっていて、正直に言うと、ただがむしゃらにやってしまっている部分もある」と“現在地”を冷静に受け止める。
また、「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の現場では、とあるシーンでなかなかオーケーをもらえず苦戦を強いられたことも。「(共演の)長澤まさみさんには何度もお芝居に付き合っていただいて。『すみません』って謝ったら『いいんだよ、こういうのは順番だから』と言ってくださって。その言葉に本当に救われました」と振り返る関水さん。
一方で、以前「生きる活力みたいな、これがないと生きていけない」と語っていたように、女優業への“情熱”は冷めるどころか、増すばかり。いま現在も、前のめりで取り組んでいるところで、「どんなに忙しくても、どんなときよりも元気でいられるのが、お芝居の現場。難しいし、分からないことがあるからこそ、毎日学べることがたくさんある。撮影の日々は本当に楽しいですし、ここからもっともっと頑張っていきたいなって思っています」と最後に力を込めた。
ドラマは動画配信サービス「Paravi(パラビ)」と「ひかりTV」で配信中