ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
葦原大介さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「ワールドトリガー」のサードシーズンが、テレビ朝日系で10月9日深夜1時半から放送される。個性豊かなキャラクターによる群像劇が魅力の同作で、主人公の一人の雨取千佳を演じる田村奈央さんは「感情をあまり表に出さないキャラクターの心の機微を表現するのが難しいんですね。千佳ちゃんを演じれば演じるほど、難しさを感じています」と語る。「自分自身が成長して千佳ちゃんに寄り添いたい」と話す田村さんに千佳への思いを聞いた。
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「ワールドトリガー」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2013年2月に連載をスタートしたSFマンガ。“こちらの世界”を侵略しようと異次元からやって来る近界民(ネイバー)と防衛組織であるボーダーの戦いを描いている。現在は「ジャンプSQ.(スクエア)」(同)で連載中。
2014年10月~2016年4月にテレビアニメのファーストシーズンを放送。今年1~4月に放送されたセカンドシーズンは、約4年半ぶりの“復活”となったことも話題になった。セカンドシーズンの収録が始まる前、田村さんは約4年半のブランクを埋めるためにチューニングをしたという。
「続きができるというのはすごいうれしいことです。ただ、千佳の声をチューニングする作業があったんです。ファーストシーズンを見返したり、遊真役の(村中)知ちゃんと電話越しで『今のって千佳に聞こえるかな?』って千佳のせりふを読んで、チューニングを手伝ってもらいました。千佳というキャラクターを取り戻す作業をしていました。ファーストシーズンで作り上げてきた千佳ちゃんを4年半たって演じようとしたら、当時は自然にできていたことができなくなっているように感じていて……。若干の誤差で『今の千佳じゃないかな?』と思うところがありました」
セカンドシーズンのサードシーズンの間隔は約半年ということもあり、「セカンドシーズンの最初の頃は、チューニングできているのか不安な面もありました。サードシーズンを経て、サードシーズンは『よし、大丈夫だ』『千佳として全うするぞ!』という気持ちで演じています」と勢いをそのままにアフレコに臨んでいるという。
千佳を演じることは田村さんにとって挑戦だった。
「感情をあまり表に出さないキャラクターの心の機微を表現するのが難しいんですね。千佳ちゃんを演じれば演じるほど、難しさを感じています。ファーストシーズンの時は、新人ということもあり、反省することも多々ありました。反省してばかりじゃなくて、吸収しながら、自分自身が成長して千佳ちゃんに寄り添いたいという思いがあります」
「ワールドトリガー」は豪華声優陣の出演も話題になっている。ファーストシーズンで、田村さんはベテランに囲まれながらアフレコをしていたというが、コロナ禍ということもあり、サードシーズンは、セカンドシーズンに続き、最少人数で収録した。
「ファーストシーズンで皆さんと収録できたから、今はその経験があるからできているところもあります。本当はみんなで一緒にできるといいんですけどね。ファーストシーズンの時は、私は新人で、大御所の方と同じ空間にいられるということがすごいことだなって、身にしみて感じていました。当時は必死すぎて、すごすぎる状況がよく分かっていなかったんです。私はこんなに苦戦しているのに、なんで先輩方はスッとできるんだろう……すごい!と毎回感動していました」
先輩の演技に直接触れる中で、新人だった田村さんも成長できた。
「慌てないように気をつけています。ファーストシーズンはよくあわあわしていたので、ちゃんと地に足をつけて、冷静にしようとしています。ファーストシーズンももちろんそういう気持ちで挑んでいましたが、千佳ちゃんの心の機微をより大事にしようという気持ちがすごくあふれています。サードシーズンは怖さもあり、楽しさもありながら、気が引き締まる思いで収録に臨んでいます」
「ワールドトリガー」はキャラクターの成長も丁寧に描かれている。千佳も努力を重ねながら成長している。
「すごく忍耐力があって、コツコツ積み上げていく子なんですよね。すごいですよね。でもそれは自分一人の力じゃなくて、周りにいる仲間の支えもあって成長しているんですけど、それがあるからB級ランク戦でああいうふうに少しずつ成果が上がってきている。本当にすごいです。第1シーズンのB級ランク戦の序盤の時よりも、第2シーズンに入ってからの方が自分の役割、自分に今できることというのを見いだしていますし、仲間に貢献しようという姿勢が本当にすてきだなって思っています。私は忍耐力がそこまでないので、見習わなきゃ!と思っています」
サードシーズンは、かつて敵だったヒュースが玉狛第2に加わる。チームの雰囲気も変わったのだろうか?
「この取材の前にも収録があって、知ちゃんと(ヒュース役の)島崎(信長)さんと一緒だったんです。ヒュースがチームに加わってすごくいい雰囲気でして、(三雲)修君がアフレコブースに加わればよりいいな!と思っていました。(コロナ禍で最少人数で収録しているため)マイクが3本しかないので、玉狛第2ってまだそろったことがないのですが、いつかアフレコで集まることができたらうれしいですね」
遊真役の村中さん、修役の梶裕貴さん、ヒュース役の島崎さん、そして田村さんは、これまで同作の番組でも共演してきた。玉狛第2のキャストのチームワークのよさはファンにも伝わっているはず。田村さんは、村中さんらに「みんなに甘えてしまっていますね」と明かす。
「梶さんがとても上手に回してくださるんです。イベントや番組でも、レシーブしてからのキャッチがすごいんです。頭の中がどうなっているんだろう!?となります。知ちゃんのトークも熱くて、面白いですし、島崎さんもトーク力が素晴らしいので、すごいなあ!となって……。私が行き詰まっても拾っていただけるので安心です。あんまり甘えるのもよくないんですけど(笑い)」
「ワールドトリガー」の初となる音楽イベント「ワールドトリガー THE MUSIC EXPO」が、10月17日に東京ガーデンシアター(東京都江東区)で開催されることも話題になっている。オーケストラによる生演奏と共にアニメの名場面映像が楽しめるコンサートで、同作の音楽を担当する川井憲次さんが出演。村中さん、田村さんも登場する。
「個人的に本当に楽しみなんです。川井さんの音楽も好きですし、昔からサウンドトラックを聴くのが好きなので、生演奏で聴けるのはたまらないです。どうやら川井さんが千佳ちゃんを好きらしいという情報もあるので、あまり千佳から外れた行動はしないように気をつけようと思います。私が当日何をするかはお楽しみで(笑い)」
サードシーズンの放送に向けて「ヒュースも加わった玉狛第2の戦術、各隊の技、駆け引きなどをお楽しみに! ヒュースは千佳が変わるきっかけになるキャラクターですし、その点も注目していただけたらうれしいです。サードシーズンは、みんなそれぞれが成長している中で、千佳も成長します。心情の変化を自分の中に落とし込んで大事に演じていきたいです」と意気込む田村さん。サードシーズンも“進化”する千佳、「ワールドトリガー」から目が離せない。
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