ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
川原礫(れき)さんの人気ライトノベル「ソードアート・オンライン(SAO)」シリーズの「ソードアート・オンライン プログレッシブ」が原作の新作劇場版アニメ「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」(河野亜矢子監督)が10月30日に公開される。ヒロインのアスナの視点でテレビアニメ第1作の<アインクラッド>編が描かれる。アスナ役の声優の戸松遥さんは、2012年にテレビアニメ第1作がスタートしてから、約9年間にわたってアスナを演じ続ける中で変化があり「彼女と一緒にいることが日常になりつつある」と感じているという。戸松さんにアスナへの思い、新作について聞いた。
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「SAO」は、脳と仮想空間を直結する機器によってバーチャルリアリティーが実現した近未来を舞台に、さまざまなオンラインゲームを取り巻く事件を描いている。原作のシリーズ累計発行部数は2600万部以上の人気作だ。
戸松さんは「妖怪ウォッチ」「ダーリン・イン・ザ・フランキス」など数々のアニメに出演する人気声優。「SAO」は代表作の一つで、作品、アスナに特別な思いがある。
「いろいろな形で9年ずっと続いている作品で、本当にありがたいことに、テレビアニメの放送がない時期でも何かしらの形でアスナを演じさせていただく機会がずっとありました。この9年、アスナを演じなかった年はないというぐらい、ずっと演じさせていただいています。自分の中ですごく大事な作品、役であるのは間違いないです。お仕事でご一緒させていただいた方から『アスナがすごく好きです』『見ていた時は学生だったんですけど大人になりました』『SAOがきっかけに声優になろうと思いました』と言っていただける機会もあります。9年の月日ってすごいですね!」
アスナは強く、美しく、主人公・キリトと共にさまざまな苦難に立ち向かう。戸松さんは、そんなアスナを演じる中で変化を感じているという。
「最初にアスナを演じた時は、お姉さんを演じるような気持ちで臨んでいました。当時、アスナは17歳で自分よりは年下なんですけど、大人びた雰囲気、17歳らしからぬ貫禄、強さと美しさを感じていました。17歳という年齢感にとらわれず、お姉さんを演じるような気持ちだったんです。アスナも年を重ねているので、キャラクターと自分の年の差が開いていく感じはそこまでなかったのですが、自分自身が9年の間にいろいろな経験をさせていただいたことで、最初に演じた時よりも背伸びをしていない感じもあります。アスナと一緒に歩んできて、アスナと一緒にいることがなじんできて、彼女と一緒にいることが日常になりつつあるので、すぐアスナになれるんです。頑張ってアスナにならなきゃ!という感じが、当時よりはなくなってきていますね」
新作劇場版は「ソードアート・オンライン プログレッシブ」が原作。アスナがゲーム「ソードアート・オンライン」に参加することになった経緯、強くなるまでの道のりが描かれる。
「オリジナル要素もあり、一つ小説を読んだような、そういう気持ちでシナリオを読ませていただきました。アスナの過去の話ではあるんですが、新作を読んでいるような新鮮な気持ちで読んだところもあります。テレビアニメで初めて登場した時は、戦いの技術もある中で登場しますが、『プログレッシブ』は、その前の知識ゼロの状態です。格好よく戦えるアスナしか演じたことがなかったので、そこもすごく新鮮でした」
戸松さんは、劇場版のアフレコに向けて、約9年前に自身が演じたアスナと向き合った。当時の演技について「思っていたより可愛い声でした(笑い)」と話す。
「姉さんを演じているような気持ちでしたが、見返すとこんなに可愛らしい声だったっけみたいな(笑い)。物語が進むごとにキャラクターも少しずつ年齢を重ねているので、本当に微々たる調整なんですけど、ちょっとずつアスナも大人っぽくなっていっていたので、17歳のアスナを見た時に、思っていたより若かった。私も9年の間に、ちょっとずつマイナーチェンジをしていたんだなと実感しました」
アスナの視点で<アインクラッド>編を描くこともあり、視点は変わったものの、名場面を再び演じることになった。
「演出は変わっていますけど、第1期と同じせりふもありますが、お芝居は、あの時はあの時にしかできないものもありますし、9年たってお芝居の表現も変化している部分もあります。もちろん全く違う物にしようとは思ってないんですけど、同じシーンなので。年齢感を合わせつつ、ものまねにならないように、新鮮な気持ちで演じようとしました。キリト視線、アスナ視線と違いますし、見え方、受け取り方も変わると思います」
アスナは強いキャラクターではあるが、最初から強かったわけではない。変化も意識した。
「テレビアニメでは描かれなかったモブモンスターに苦戦するシーンがありますし、最初はゲームに対しての知識もないし、戦い方も全然知らなかったけど、段々とたくましくなっていきます。成長し、アスナの才能が開花する過程が描かれているので、その変化を演じることが楽しかったです」
劇場版は原作には登場しないミトという新キャラクターも登場する。アスナにとって重要な存在でもある。
「ミトは、ただ格好いい、ただいい子とか、そういう言葉ではくくれないんですよね。いい意味で人としての強さと弱さを持っています。100%共感できないかと言われたら、そうでもなくて、気持ちがすごく分かりますし。一番共感しやすいキャラなのかな?と思います」
劇場版の見どころを「『SAO』を見たことある方もない方も、『プログレッシブ』は間違いなく皆さんが楽しんでいただける内容になっています。ミトというキャラクターが新しく登場し、誰も見たことのない作品ができあがっています。アインクラッド編をアスナ視点で見た新しい視点と、懐かしい視点の両方が混ざっていて、すごく楽しんでいただける部分がたくさんあります。ぜひこの機会に見ていただけたらうれしいです」と語る戸松さん。
戸松さんが劇場版について語る時、「新鮮」という言葉をよく口にしていた。見る人も新鮮に感じ、「SAO」の新たな魅力を発見できるはずだ。
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