呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変
第36話「鈍刀」
11月14日(木)放送分
人気アニメ「交響詩篇エウレカセブン」の劇場版アニメの完結編となる第3作「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」。完結編は、タイトルの通り、エウレカを中心としたストーリーが展開される。名塚佳織さんは、テレビアニメ「交響詩篇エウレカセブン」がスタートした2005年から約16年前にわたってエウレカを演じてきた。名塚さんにとって「エウレカセブン」は「キーポイントになった作品」だという。名塚さんにエウレカ、「エウレカセブン」「EUREKA」への思いを聞いた。
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「エウレカセブン」は、英雄だった父・アドロックを失ったレントンが、LFO(巨大人型ロボット)を操る神秘的な少女エウレカとの出会いをきっかけに、“世界”を知るために旅をする……というストーリー。テレビアニメ「交響詩篇エウレカセブン」が2005~06年に放送された。「ハイエボリューション」シリーズは、第1作「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1」が2017年9月、第2作「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」が2018年11月に公開された。
今夏、「EUREKA」のビジュアルが公開された際、驚いたファンも多かったはず。前作「ANEMONE」から10年後の世界が舞台で、エウレカは大人の女性になった。エウレカの表情は、強い意志を感じるが、どこか悲しみを帯びている。
「予想していない展開でした。これまでとはガラッと変わるのかな?とは思っていましたが、驚きました。新たな物語が始まった!という印象です。『エウレカセブンAO』では、母になったエウレカが登場しましたが、また違う成長を遂げています。『ANEMONE』でああいう形でアネモネと出会い、また違う形で大人になったんですね」
「EUREKA」でエウレカは、混乱の元凶として世界中から憎まれる存在となっている。国連の独立師団無任所部隊A.C.I.D.(アシッド)の上級戦闘員として、世界の平和を保とうとする。エウレカに、スカブコーラルを操る能力を持つ少女アイリスを保護する命令が下り、2人は孤独な逃避行に出る。名塚さんは、大人のエウレカをどのように演じようとしたのだろうか?
「エウレカの雰囲気、骨格を見て、こんな声、トーンなのかな?と想像しました。今回のエウレカは、等身大でぶつかっていいのかな?と感じながら、真っ白な状態で向き合いました。テレビシリーズから16年たち、私も年齢はもちろん、いろいろと大人になっています。テレビシリーズの頃のエウレカを演じる際は、呼び戻すような感覚があるんです。当時を忘れているわけではないのですが。今回は、呼び戻すというよりは、今の自分の感覚でいいのかもしれない、と感じていました。逆に、16年前に『EUREKA』のエウレカを演じようとしたら、背伸びをしたような演技しかできなかったかもしれません」
テレビシリーズのエウレカ、「エウレカセブンAO」のエウレカ、「EUREKA」のエウレカ……とどれもエウレカではあるが、どれも違う。ただ、どれもエウレカとしての芯が通っている。名塚さんの演技によるところも大きいのだろう。
「しゃべり方、考えていることなど根本は変わらないんですよね。とっさのリアクションは成長しても変わらないものですし、そこは変えないようにしたいと思っています」
子役としても活躍した遠藤璃菜さんが演じるアイリスとエウレカの掛け合いも大きな見どころだ。エウレカとアイリスは、逃避行を続ける中で、心を通わせ、親子のような関係になっていく。2人の関係性、心の動きが丁寧に描かれている。
「アイリスが無邪気に問いかけるシーンがあり、エウレカは、言葉を濁すこともあれば、はっきり言ったりと言葉を選びます。2人の会話がすごくリアルなんです。自分自身もアイリスと同じくらいの年齢の子供がいるので、すごく分かるし、イメージしやすかったところもありました。アイリスは、イヤなものはイヤとはっきり言える子供らしさもありますし、大人になりかけてもいるので、エウレカの顔色をうかがうこともあります。遠藤さんは、感性が豊かで、台本を素直に受け取り、言葉として表現していたのが印象的でした。『エウレカセブン』のせりふは、説明しすぎないところもあります。エウレカも多くを語りません。読み解くのが難しいと思うのですが、子供の方が、感性が豊かなのかな? すてきな子ですね。リテークもほとんどなかったんです」
遠藤さんの演技に刺激を受けたところもあった。
「いっぱい刺激を受けました。アイリスは新しいキャラクターですし、現場に行ってみないと、どうなるのか分からなかったので、アイリスとエウレカのやり取りが重要になってくると思っていました。遠藤さんには、私のせりふをしっかり受け取り、反応していただけました。私がイメージしていなかった表現でくることもあり、刺激だらけで、面白かったです。会話がかみ合っていないシーンもいい意味でかみ合っていないんです。普段の会話もそういうところがありますよね。だからリアルで生々しいのかもしれません」
テレビシリーズのスタートから約16年がたった。名塚さんにとって「エウレカセブン」は「気付いたら自分の人生の一部になっています」と特別な存在になっている。
「スタートした時は、こんなに長く携わらせていただけるとは思っていませんでした。とにかくがむしゃらに1年間を走りました。1年にわたってヒロインを演じさせていただき、周りの方の影響も大きく、支えていただきながら、成長できました。年々、この作品の偉大さをじわじわと感じています。この作品をきっかけに出演させていただける作品もあり、一生懸命向き合っていた作品が、こんなに評価していただけるんだ!とうれしいんです。娘が小学生なのですが、同級生のお父様、お母様にも作品を知っていただいていて、現場でスタッフの方に『見ていました!』と言っていただけることもあります。いろいろな人に思いが伝わったことがうれしいんです。責任重大ですね(笑い)。自分にとってキーポイントになった作品と改めて感じています」
今もテレビシリーズを見直すことがあるといい、「懐かしくなって見直したり、久しぶりにふれ合ってみたいな!と思ったり。見ていると、感覚が戻りすぎて、疲れちゃうこともあるんですけど(笑い)。すぐに当時の感覚を思い出します。それくらい体に入り込んでいるんでしょうね。エウレカがずっと一緒にいてくれているんです」と話す。
「EUREKA」で「ハイエボリューション」シリーズは完結する。名塚さんは「すごく寂しいです。でも、ずっと心の中にエウレカがいて、それが消えるわけではありません。『エウレカセブン』という作品が皆さんの心に残り続けるとうれしいです」という思いがある。
「ハイエボリューション」シリーズは終わるが、エウレカがいなくなるわけではない。「EUREKA」を見れば、そんな思いがさらに深まるはずだ。
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