“2.5次元俳優”が集結するテレビ東京のドラマ「テレビ演劇 サクセス荘」の映画版「映画演劇 サクセス荘」(川尻恵太監督、12月31日公開)に出演する俳優の寺山武志さん。「サクセス荘」は都会の片隅にひっそりとたたずむ一軒のアパート「サクセス荘」を舞台に、“一旗揚げたい”と成功を夢見る若者たちを描いていて、映画で寺山さんはドラマ版に引き続き、プロボウラーの夢を持つ明るいヒッピを演じている。寺山さんにこれまでの「サクセス荘」やヒッピ役への思いなどを聞いた。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
「テレビ演劇 サクセス荘」は、2.5次元舞台を手がけるネルケプランニングと、連続ドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)の脚本を担当した徳尾浩司さんがタッグを組み、「本番一発勝負」で制作された新しいドラマとして、2019年にスタート。2期が2020年7~9月、3期が今年1~3月に放送された。映画は、1~3期のレギュラーメンバーが全員出演。さらに謎のセレブ集団、通称“S4”が登場し、サクセス荘に最大の危機が訪れる……という内容。
映画化が発表されたときは、メンバーたちと「甲子園で優勝したかのような盛り上がりがありました」と笑う寺山さん。映画化が実現するほどの人気シリーズになったことについては「僕らは普段舞台をやっている人間なので、この企画じゃなかったらここまで成功していないと思うんです」と捉えており、「結局、やっていることは普段と変わらない。1期のときは、テレビなのでドラマっぽい芝居をした方がいいのかなとか試行錯誤するタイミングがあったけど、いや、テレビ演劇だよね、という答えを見つけてからは、やりやすくなった。そこが波に乗ったタイミングだったんじゃないかなと思います」と振り返る。
ヒッピはカラフルなファッションが印象的な、明るいキャラクター。演じる上で決めているのは、「とにかく明るくいよう」ということで、「それがヒッピの役割なのかなと思っています」と寺山さん。
そうヒッピのキャラクターが固まったのは、1期のエンディングダンスの撮影のとき。「僕、ダンスをやっていたので、それとなく終わったんですよ。そうしたら原案・プロデュースの松田誠さんから『これでいいの? 全然面白くないな』というようなことを言われて(笑い)。で、僕は『すみません、分かりました。そっちの(面白い)方向でやらせていただきます!』と、そこで完全に道を決めました(笑い)。とにかく明るく。なんでもないせりふでも明るめに言ったり、語尾をまろやかに変えたり」と打ち明ける。
そんな明るいヒッピは、実は学生時代の自身の姿でもあるという。「あれは、かつての自分ですね。僕、特に学生時代、なんの疑いもなく毎日を楽しんでいた人間なんです。『疲れた』とか、ネガティブな気持ちを持ったことがなくて。ヒッピは、ずっと楽しく生きていた自分を思い出しながら演じていました」と笑う。
「サクセス荘」は、演劇さながらの「本番一発勝負」が特徴であり、魅力の一つ。映画化でも、それは変わらない。
そんな「本番一発勝負」の演者としての面白さを聞くと、「けいこができないので、やっぱりトラブルってあるんですよね、誰かがせりふを噛(か)んだり(笑い)。台本にないことを誰かが言っているのを見ると、やっぱり笑っちゃいますね」と寺山さん。
そうしたところも「サクセス荘」の面白さで、「僕が途中から『もう笑っていいでしょ』というふうに変えました(笑い)。『サクセス荘』は相手を笑わせるところも企画の面白さじゃないかなと勝手に解釈して、『笑かすのもよし、笑ってしまうのもよし』というルールにしました。撮影を楽しんでいます」とほほ笑む。
ドラマの放送中は自身もリアルタイムで視聴していたといい、SNSの反応を見ていると、ファンが増えていることが実感できると寺山さんは話す。
「リアルタイムでドラマを見ながら、ツイッターで『サクセス荘』のハッシュタグを見ていると、どんどん、つぶやいてくれるファンの方が増えている気がします。感想を見て『こう思っているんだ』とリアルに感じながら視聴しています」
寺山さんは映画にヒッピ役で出演するだけではなく、宣伝隊長にも就任。オフィシャルブログ「ヒッピのカラフル情報局」で日々、映画に関する情報などを発信している。宣伝隊長に就任した際のエピソードを聞くと、「就任するうえで、事前に会議があったんです。『たとえば何をやりたい?』という話になって、僕が言ったのは『(映画が公開される)イオン全店を行脚したいです』と(笑い)。高校生のときの初めてのアルバイトがスーパーのレジ打ちだったので、イオンのスーパーでレジ打ちしながらチラシを入れ込むことです、と言いました」と語った。
そんな寺山さんは現在34歳。30代で成し遂げたい目標を聞いてみると、「舞台を中心に活動していて、ご縁で少しずつテレビにも出演するようになっていますが、『映画もやってみたいな』という気持ちが大きくなっています」と明かす。
現在はコメディーで明るい役を演じることが多いが、それとは異なる役柄にもチャレンジしたいという。「得意なのはヒッピのような明るい役。そういう役をずっとやってきたので、そこは自分の武器だから曲げちゃいけないんですが『これから30、40代、俺って普通のお芝居できるのかな』と不安になってきて(笑い)。それを確かめたいなと思います」と意気込む。
なお、プライベートでの目標は「引っ越し」(取材当時)。「今年の頭に子供ができまして、今は3人暮らしなんです。子供が育てやすい場所を探して、“ちゃんとしたお父さん”をやりたいですね」と明るい笑顔で語る。
最後に改めて映画の見どころを聞くと、「ずっと見てくださっている方には、メンバー大集合なのでいろいろな懐かしのネタ満載で楽しんでいただけると思いますし、ドラマを見たことない方でもすっと入りこめる内容になっています。“S4”というゲストも登場して波乱の展開もあるので、十分楽しんでいただけると思います。情熱を持って撮影を終えましたので、すみずみまで楽しんでください!」と宣伝隊長らしく、作品の魅力をアピールした。
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)で主人公モアナが楽曲「ビヨンド ~越えてゆこう~」を歌う劇…
人気グループ「なにわ男子」の長尾謙杜さんが、2025年4月4日公開の映画「おいしくて泣くとき」(横尾初喜監督)で劇場映画初主演を務めることが11月22日、分かった。ヒロイン役は俳…
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)の日本版エンドソング「ビヨンド ~越えてゆこう~」を、ガー…
故・坂本龍一さんが指揮をとった2014年のフルオーケストラ公演「Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014」の模様が映画化され、2…
俳優の今田美桜さんが11月19日、東京都内で行われた映画「劇場版ドクターX FINAL」(田村直己監督、12月6日公開)の完成披露舞台あいさつに、他のメインキャストと共に出席。美…