世界累計販売数が2000万本を突破した人気ゲーム「Horizon Zero Dawn（ゼロ　ドーン）」（ソニー・インタラクティブエンタテインメント）の続編「Horizon Forbidden West（フォビドゥン　ウエスト）」がPS5、PS4向けに発売された。動物の姿を模した機械獣に支配された世界で生き延びるオープンワールドのアクションRPGで、2017年に発売された前作に続き人気声優の高垣彩陽さんが、日本語吹き替え版で主人公の女性ハンター・アーロイの声優を務める。高垣さんに「普段のアフレコとは違った集中力を使った」という新作の収録の裏側、ゲームの魅力などを聞いた。

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　◇せりふ数1万5000以上！　収録期間中は「Horizon」一色に

　「Horizon」シリーズは、大きな厄災により文明が崩壊してから1000年後の地球が舞台で、人類は狩猟採集時代に戻ってしまったという設定。新作は、前作のエンディングから半年後が舞台で、絶滅の危機に瀕した地球の生命を救い、いにしえの遺産の謎を解き明かすため、アーロイが“禁断の土地”米西部に旅立つ。新たな機械獣が多数登場するほか、水中フィールドが追加された。グラフィックも向上し、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジなど実在の名所が荒廃した様子などが描かれる。

　高垣さんは、新作の発売が決まり「前作の収録も、長い期間をかけて、ものすごく集中力が必要とされる現場でした。前作の収録後に数年後に続編が予定されていることを知り、それまでちゃんとアーロイを演じる体力がある声優でいなければ！　元気でいなければ！と思っていました。収録期間中は『Horizon』一色になるんです。だから、アーロイを再び演じることは目標の一つでしたね」と語る。

　「Horizon」シリーズは台本も「すごく分厚い」という。新作での高垣さんのせりふは「1万5000ワード以上」で、イメージしにくいかもしれないが、高垣さんは「すごい量なんです。家に帰ったら、空いている時間は常に『Horizon』の台本をチェックしていました」と話す。

　◇ストイックな弁当持参

　「Horizon」シリーズは世界中で人気を集めているゲームで、高垣さんが声優を務めたのは日本語吹き替え版だ。高垣さんは日本語でアーロイを演じるにあたり、英語版の米女優のアシュリー・バーチさんの演技をガイドに収録した。

　「現場で英語の音声を初めて聞いて、直後にもう一度英語を聞きながら日本語版で演じるという流れでした。バーチさんのお芝居のニュアンスを読み取るのとせりふ尺を合わせるのとで、瞬発力と集中力が必要なんです。ゲームの収録なので、台本は基本的にアーロイのせりふの抜粋で自分だけが座りながらずっとしゃべっているので、普段のアフレコとは違った集中力を使います。濃い時間ですね」

　ハイレベルなグラフィックで繰り広げられる機械獣との戦闘シーンは、新作の大きな魅力の一つ。高垣さんはより想像を巡らせながら収録に挑んだ。

　「バーチさんの声を聞き『大きく跳びのいた』『おなかにダメージを受けた』などのニュアンスを受け取ります。ゲームではアーロイが滑らかに動くので、きちんと人間らしいアーロイの声を出したいと思いながら、体の動きをイメージして収録しました。元々、バーチさんのお芝居がとてもリアリティーがあるので、自分はそれをどういうふうに日本語で再現できるかを常に考えていました。」

　収録は長時間におよぶこともあり、休憩時間の使い方にも気をつけた。高垣さんが収録に臨む姿勢はアスリートのようだ。

　「携帯電話を見ずに、体を動かしました。私は料理が苦手なんですけど、お弁当も持って行きました。中身はゆで卵やサツマイモとストイックな感じです（笑い）。すぐにおなかにたまるもの、エネルギーが取れるものに。甘い物も合間に取らないと、どんどん脳が糖を消費して、エネルギーがなくなる感じです」

　◇壮大な世界を堪能　さまざまな楽しみ方も

　「Horizon」シリーズはさまざまな魅力にあふれ、世界中で愛されている。高垣さんは「楽しみ方がたくさんあるのが魅力」と話す。

　「グラフィックの素晴らしさを含めて世界の壮大さ。ストーリーが骨太で、人間ドラマがかなり深く描かれています。サブクエストやサブストーリーも厚みがあり、さまざまな楽しみ方ができるはずです。やりたいことをやりこんでもいいですし、ストーリーを進めることに注力してもいいでしょうし。壮大な世界も魅力です」

　「実際に旅に出たり、壮大な景色を見に行ったりするのは今は特に難しい時期かと思いますが、『Horizon』で旅に出るようにゲームを楽しめるはずです。いろいろなやり込み要素があるので、ぜひ自分ならではの楽しみ方を見つけてほしいです」と語る高垣さん。

　高垣さんの熱演、壮大な世界観を堪能してほしい。