モノノ怪:16年ぶり新作アニメ 舞台は「大奥」 薬売りの黒い衣装の理由も

「アニメ『モノノ怪』十五周年記念祭」に登場した山本幸治プロデューサー、櫻井孝宏さん、中村健治監督
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「アニメ『モノノ怪』十五周年記念祭」に登場した山本幸治プロデューサー、櫻井孝宏さん、中村健治監督

 2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された人気テレビアニメ「モノノ怪」の15周年を記念したイベント「アニメ『モノノ怪』十五周年記念祭」が6月18日、同局(東京都港区)で開催され、薬売り役の櫻井孝宏さん、中村健治監督、山本幸治プロデューサーが登場した。イベントでは、「モノノ怪」の完全新作劇場版「劇場版『モノノ怪』」が制作され、2023年に公開されることが発表された。2007年放送のテレビアニメ以来、約16年ぶりの新作アニメとなり、舞台は「大奥」となることが明かされた。

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 中村監督は「悩んだのですが、舞台は大奥になります」と明かした。メインキャラクターの薬売りが黒い衣装をまとったティザービジュアルも公開され、中村監督は「(薬売りの)周りの人たちがきらびやかで華やかなんです。薬売りも元々はきらびやかで鮮やかなのですが、一緒にすると混ざってしまう。場を締める意味で、ダークな色の薬売りさんになりました。劇場版ですし、スペシャルな感じでいいかな」と語った。

 山本プロデューサーは、大奥が舞台となることについて「中村監督は、いつも現代性をどう入れるかを考える監督で、作品によって都度都度テーマを探すタイプ。大奥は、現代的なモチーフを入れるために選んでいる。『モノノ怪』は元々ホラー、閉鎖空間の美学があった作品なので、ホラーの要素を踏襲しながら、現代性を入れるために大奥を選ぶことになった」と説明した。

 中村監督は「私自身、挑戦的なことを昔からやっていたと思っています。15年ぶりに新しく作ることになり、また新しいことをやっていきたいと考えています。ただ、逆に変えてはいけないこともある。作品を好きだった人ががっかりするようなことはしてはいけないと、一つ一つ吟味しながら進めています。皆さんの期待に応えたいと思っています」と明かした。

 「モノノ怪」は、2006年にノイタミナで放送された「怪~ayakashi~」の人気エピソード「化猫」のスタッフが再集結して制作されたアニメ。「化猫」に登場した薬売りの男がモノノ怪に立ち向かう怪異譚(たん)が描かれた。スタイリッシュなキャラクターデザインに、和紙のテクスチャーなどCG処理を組み合わせた斬新な映像が話題となった。2020年に実施されたノイタミナ歴代70作品を対象とした投票企画「あなたが選ぶ思い出の3作品」(2005~09年度制作部門)で1位を獲得した。

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