ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のコトヤマさんの人気マンガが原作のテレビアニメ「よふかしのうた」で、ヒップホップユニット「Creepy Nuts」の書き下ろしの新曲「堕天」がオープニングテーマ(OP)として流れる。原作のタイトルは、Creepy Nutsが2018年に発表した名曲「よふかしのうた」に由来し、アニメでは「よふかしのうた」がエンディングテーマ(ED)として流れる。Creepy NutsのR-指定さん、DJ松永さんに「ある種、転換期」になったというOP「堕天」、名曲「よふかしのうた」について聞いた。
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R-指定さん コトヤマ先生はCreepy Nutsの結成前、ソロの動きも知ってるくらい日本のヒップホップが好きで、こうやってマンガ、アニメになることがうれしかったですし、ありがたいです。いろいろなものがつながったようでうれしかったです。ただ、OPを作ることになって、“夜”はもうないなとも思って。
DJ松永さん 夜をテーマにした曲を書きまくっていたから。
R-指定さん ヒップホップは基本的に自分らの話を曲にするから、どうしても夜の舞台が多くなる。「よふかしのうた」以前から多かった。今回は「よふかしのうた」がEDで、OPはどうなる!?となった。 客演で星に手を出していたから。
DJ松永さん もう宇宙しかない。
R-指定さん うれしいと同時に、どうしよう!?となった。
DJ松永さん 最初に俺がサウンドを作りました。ジャズっぽくて、ブーガルーっぽくもあって、アップテンポで、サビで一気に抜ける爽やかなイメージです。これまでの“夜曲”とは違うもので、夜を感じられるようにしたかった。煙たさ、背徳感、怪しさが俺たちの音楽の色だから、それを残しつつ、サビで抜けるようにしたかった。間奏の部分で一回落ちるところを作りたくて、思いっきり怪しくなり、サビに戻ります。
R-指定さん 僕が体験した夜は、散々曲にしてきた。今回の場合は、原作もあるので、コウ君とナズナちゃんの感じ、人間と吸血鬼の関係性を基に歌詞にしたところもあります。出会い、恋に落ちる……とお互いにひかれて、ハマっていくというのが芯になっています。吸血鬼と人間ですし、成就してくれとは思いつつ、まともな人間の目線では、人間じゃなくなるのはあんまりよくない……となるかもしれないけど、好きなものに入れ込む時は、周りの意見を聞かず、周りがどう止めようが、もう仕方がない!となる。そういう感じを歌詞にしたところもあります。
R-指定さん 今までは、お題があっても、基本的に自分のことを書いてきました。
DJ松永さん そのお題を自分に落とし込む。今回は、初めてフィクションを書いたよね。
R-指定さん 今回の場合はちょっと入り組んでいます。オードリーさんのラジオ(『オードリーのオールナイトニッポン 10周年全国ツアー』の公式テーマソングとして制作された)があって、俺らがそれと自分を重ねて書いた曲があり、マンガがあり、そのマンガが原作のアニメのOPを作る。俺らが影響を受けたものからできた作品があって、それに影響を受けて作っていただいたマンガがあって……と入り組んでいる。だからこそフィクションにポンといけたところもあります。
DJ松永さん 最近、フィクション寄りの曲も作っている。すごいかじの切り方してるよね。でも、そうすると表現できることの幅が無限になる。フィクションの中で、自分の思ってることを匂わせることができる。ずっと一から自分のことを書いていたら、早死にすると思う。R-指定はすごいスピードでそれをやってのけた。元々、フィクションを書けたけど、書かなかっただけ。まだまだいけるな!と思っています。こういうきっかけで、我々の表現の幅がかなり広がっている。ある種、転換期です。次にアルバムを出すとしたら、それで固めてもいいと思う。
R-指定さん これまで、ヒップホップをやってる人間のうまくいかなかった時、鬱屈した時、かましにいく時、自分たちが思ってる以上の舞台に立たせてもらってること……とその時々のドキュメントを表現してきた。前のアルバム「Case」で、ドキュメントをし終えた感じもある。舞台の上、裏まで撮ってしまった。掘り下げる裏がないくらいさらけ出した。
DJ松永さん R-指定は歌詞にとんでもないカロリーを詰め込む。「Case」で過去、現在を書き尽くした。
R-指定さん ここまできたら自分で事件を起こして、解決しないといけない(笑い)。だから、いい機会ですね。
DJ松永さん R-指定は妄想が得意だよね。俺は妄想が苦手。R-指定は妄想を広げるのが上手で、面白い。それは楽曲に生かせる。
R-指定さん 曲や歌詞は、2人ですごく話し合った。結局、ラジオ、ヒップホップとか全て自分の好きなもの、のめり込むものに出会ったのは、夜だった。夜に起きている出来事に影響を受けてきた。子供の頃の自分に戻ると、大人が見せてくれなかった世界を自分でのぞきにいく楽しみ、そこに踏み込んだ時のワクワク、背徳感があって、やっぱり夜は最高で、いまだにそこから抜け出せない自分がいる。夜というものを擬人化して書こうとした。
DJ松永さん 俺らが今やってること、好きなことを全部包括しちゃっている。中学2年生の時、深夜テレビを見たりとか、深夜ラジオに出会ったり、クラブに行ったり、いけないことをいけない時間にやっている背徳感が原体験になっている。それが今の仕事になっている。「よふかし」の4文字が原体験とかを全部語っている。
DJ松永さん 奇跡的に「ビタースウィート・サンバ」(ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスの楽曲でラジオ『オールナイトニッポン』のテーマ曲)をサンプリングしてるふうな聴こえ方をしている。サンプリングしていないんですけど。イントロにすごく気を使いました。時計のカチカチとした音、ラジオのノイズで始まる、クラブに入っていく時のように、ドンドンドン……と音が大きくなっていき、徐々に入っていく。一気に重い扉を開けたら、重低音がくる。そういうストーリーを考えました。一コードなんだよね。イカれてるわ。メジャーデビューして5年くらいたつんですけど、コードを最近知ったんです。32歳で。一コードのリード曲なんです。
R-指定さん それでできるのがヒップホップの面白いところ。俺も変な作り方をした。部屋真っ暗にして、とりあえず服を脱いだ。「よふかし」だし、イケないことをしようとした。
DJ松永さん 俺は極端に読まない。Rは結構読むよね。
R-指定さん 友達で尋常じゃないくらい読む人がいるから、読んでいる!とはあんまり言えないけど。
DJ松永さん 家が極端に厳しいブランディングだったので、エンタメに接してこなかったんです。大人になって思うけど、アニメ、マンガとかテレビは、教養だから。ラジオで、昔のアニメ、マンガ、テレビの話題になると、みんなで共感して笑うけど、俺は分からない。ハンディになっている。今、見ようと思っても見られないんですよ。体に入ってこない。
R-指定さん 「GS美神」とか「地獄先生ぬ~べ~」が好きでした。エロと化け物が入っている。
DJ松永さん めっちゃR-指定だね。
R-指定さん 「GS美神」は、ナイスボディーのお姉ちゃんが除霊をするんだけど、それがそのまま好きで大人になった。好きなものが形成されたところがあります。
DJ松永さん 今もホラー映画が好きだよね。曲にも生きているよね。
R-指定さん ヒップホップも特に海外は、ホラー映画好きが多い。ボンクラ文化として根付いているのかな? 俺みたいなヤツが多いのかもね。
R-指定さん 「サンデー」は「うしおととら」も人間と人外のマンガだし、「犬夜叉」とか高橋留美子さんの作品もそう。好きなテイストなんだよね。最高です。
DJ松永さん キレイにつながった!
DJ松永さん どう受け止められるんだろう? どう思います? 分からない。俺ら的にはいい曲ができた。
R-指定さん OPっぽいし。キャラクターを思い浮かべながら書いた。
DJ松永さん ラップ始まりの曲だから、絵を付けるのが大変かもしれない。アニメのOPは、壮大なイントロから作ったらいいのか?と思ったけど、そこは合わせてくれるだろう! 任せた!と作った。大変だろうなあ……。
R-指定さん ヤバいな……。そこら辺も含めて放送を楽しみにしています。歌詞を書く時、自分の頭の中に、絵が浮かんだけど、どこが一致するのかが楽しみ。そういうふうに感じたのか!となるのも楽しみです。
「よふかしのうた」は、2019年8月から「週刊少年サンデー」で連載中。不眠が続く中学2年生の夜守コウと美しい吸血鬼・七草ナズナを巡る“よふかし”ラブストーリーで、夜に眠れない日々を送るコウは、初めて誰にも言わずに夜に出かけた日、吸血鬼のナズナに出会う。コウは、夜の楽しさを教えてくれるナズナに魅了されていく。アニメは、「<物語>シリーズ」などに参加してきた板村智幸さんが監督を務め、「東京リベンジャーズ」などのライデンフィルムが制作する。7月7日からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送される。
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