俳優の阿部寛さんが26日、東京都内で行われた主演映画「異動辞令は音楽隊!」(内田英治監督)の初日舞台あいさつに出席した。初挑戦したドラム演奏を振り返って「(撮影が)終わったときには一瞬『買おうかな』と思った。だけど家には置けない。音も出せない。でもいまだに悩んでいます。好きになったし、せっかくやったから」と告白した。
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さらに阿部さんはオファーを受けた当時を思い起こして「楽器は本当に苦手。しかもドラムが一番苦手意識が強かった。映画で、昔の人がドラムをやっているのを見てても、『自分にそういう役は絶対来てほしくない』というものだった。最初は『なんでおれがドラム!?』と本当にありました」と率直な思いを吐露。
内田監督にその理由を尋ねなかったものの、「でも、内田さん自体が音楽映画が初めてとのことだった。『(内田監督が)そういうものに挑むなら、一緒に挑んでいければ楽しいな』と思った。だからお受けしました」と述べた。
内田監督は「もともと主人公は、サックスか、ドラムか、トランペットだったんですね。阿部さんに(主演を)やっていただこうとなったとき、『阿部さんならドラムだろう』と。個人的には、ドラムが好き。好きなバンドもドラムを見ちゃう。自分の好きなパートをやってもらおうと思った」と説明。阿部さんの演奏を「ガタイ的に迫力あるし、(芝居で)阿部さんはたたいていて、たたいている感情がすごく顔に出てくる。その顔が好きでした。演奏とリンクしている」と評価した。
それを聞いて阿部さんは「一番苦手としていることだから、本当は芝居どころではなかった(笑い)。でも映像的にはよかった。感謝します」とほほ笑んだ。
清野菜名さんは、共演した阿部さんについて「撮影の合間、どの合間にもずっとドラムのスティックをもって、ずっと練習されていた。その姿に、私もとても勇気をもらえた。カッコいいなと思った。私ももっともっとトランペットをがんばろうと前向きな気持にさせてもらえた」と明かした。
過去に、演技の一環でドラムをたたいた経験がある磯村勇斗さんは「僕は買わなかったけど」といい、会場の笑いを誘った。「難しくて『無理だな』と思って。だから阿部さんが現場で実際に見ていましたけど、あの難しさを知っているからこそ、阿部さんがドラムをたたく姿は本当にカッコよかったです。鳥肌が立ちました」と賞賛した。舞台あいさつには高杉真宙さん、モトーラ世理奈さんも出席した。
映画は、「ミッドナイトスワン」を手がけた内田監督のオリジナル脚本作にして、最新作。犯罪撲滅に人生のすべてをささげてきた鬼刑事・成瀬司(阿部さん)は部下に厳しく、犯人逮捕のために法律すれすれの捜査も辞さない。高齢者を狙った「アポ電強盗事件」が相次ぐ中、コンプライアンスを無視した行動が仇となる。異動を命じられた先はまさかの警察音楽隊だった…、というストーリーが展開される。
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